“サラリーマン”には、とても務まらない外国人就労支援業界…

お金

朝早く、メッセンジャーがピロンって鳴る。

「無事、空港で出国手続きを終え、搭乗口で待ってます」

スマホに連絡が届く。
わざわざ高いエアチケットを押さえて、日中移動ばかりではないので、
当然と言えば当然。

事前に繋がっている本人たちにも、声をかける。

「日本でアナタたちを待ってますよ」
「最初の一カ月くらいは、集合講習ですね」
「会社の人は何日にアナタたちに会いに行く予定です」
「飛行機の旅、安全にね」

彼ら彼女らもまた、空港での様子を写真撮って教えてくれる。

出迎えを頼んでいる場合は、迎えに行ってくれる人に、
「彼らはこんな格好で、無事、予定通りの飛行機に乗れそうなので、宜しくお願いします…」
などと連絡を取る。

こういった行為をリアルタイムでやり取りすることで、
少しでも相手に安全と安心を与えていく。

無論、受入先の方々へも、画像付きで報告を送っておく。

こんなにも朝早くに、このために起きて、
そんなに事細かく対応しなきゃなんて、
そもそもが労働時間でないし、私はサラリーマンだから、
こんな事までしなさいなんて、雇用契約に書かれていない…

この業界、向いてないですので、辞めましょう。苦笑

 
とはいえ、法は法なので、
結果、おおよそは「みなし残業代など」で法的にはカバーしてるんですが、
こんな時間、何時から何時まで、どんなやり取りをしました…
なので、何分、何時間、労働時間としてカウントしてください…
なんて自己申告と、証拠のSNSでのやり取りなどをまとめて、
イチイチ報告とか上げます?
それこそ、そんな作業をしている時間すら、労働時間ですか?

ぶっちゃけ、バカバカしいとしか、私には思えない。

こんな局面は山ほどある。

 
日中、急に相談が入る。

ひどいケンカになって、仲直りの仲裁が難しい…

今は仕事中…終わってからだと、今日だと残業もある予定だから、
全員が寮に帰るのはだいたい夜の8時過ぎくらい。

自分だって今日の予定は埋まってるし、
明日も明後日も明々後日も…。

結果、早い方が良いだろうと、夜の8時には寮に着いて、
彼女たちの帰りを待つ。

寮じゃ個別に話を一人ひとりちゃんと聞ける場所がないから、
近くの開いてるファミレスまで行って、フリードリンクを全員頼ませ、
一人ひとり、交互に話を聞いていく。

仲直りまで収拾を付けて、終わったのは11時くらい。

そこから帰ると家に就くのは0時を過ぎるかどうか。

これらも、何時から移動して、何時まで、どのような話をし、
何時までで終わって…なんて報告と残業代申請?とかします?

今月の残業時間数が多すぎるから、
長時間労働で法令違反になるから、
過労死ラインに達しちゃうから、

だから、今月は仲裁に行くことはできません…
なんて言う?!

いやいや、法は法だから…

キリがない。

結果、上手に体裁は整えてね…って話にしかならない。

で、それを虚偽とか隠蔽とか言うならば、
そもそもが、この業界には向いてない人を採用したとして、
雇用側が責任を負うのみ。

 
先日、ある方とお話してて、
立ち上げを数年かけてやってきて、仕事のできる方だけに、
150人くらいを一人で見ていて、毎日、アチコチ、走り回り続けてる。
私とお付き合いくださるくらいなので、ホントに一人で、150人を一人ひとり声をかけてみているらしい。

もちろん、サラリーマンではない。
てか、サラリーマンにできる仕事量ではない。

で、片腕を見つけ、育てねばならない段階に入り、
そこでまた輪をかけて苦労していらっしゃる。

そもそもがサラリーマン根性の方々に務まる仕事の質量ではない。

ある方は、ずっと空港で今か今かと出てくる外国人の子達を待ち続けてる。
これも業務として拘束された時間なので、労働時間カウント?

もうね、ルールだらけで、ルールを守らせる立場と責任を負ってる方々が、
ある意味、一番、ルールに縛られてちゃ業務にならない現実が、この業界。

 
冒頭のエピソード一つとっても、
ちゃんとしていた後と、しなかった後とでは、
ご想像通り、まったく関係性は違う。

打算すら相まって、きちんとすべきことをしていただけで、
後がどれほど楽になるか。
トラブルも起きないし、起きても対応がラクだし。

なによりね…こういう寄り添い向き合う行為から逃げてる人たちこそが、
奴隷商人だと言われて致し方ない。

新規参入者が増え続けている中、
事業を立ち上げ、背中を見せて進む経営者も大変ですが、
そこについていく労働者もまた、一筋縄ではいきません。

結果、この現実から、先駆者の実質的な既得権益が生まれていく。

ふんぞり返って金勘定しかしない奴隷商人もいれば、
外国人の方々を何十名も入れ代わり立ち代わりでお世話しながら、
なおかつ主婦業もこなしている方もいる。
(旦那さまやお子さんたちのお世話まで…マヂでスーパーマンとしか思えない)

 
世の中も、この業界も、色んな人がいますが、
一つ言えるのは、サラリーマン根性では、務まらない業界です。

では、ナゼ、それでも、続けている方々がいらっしゃるのか。

そこに自分も相手も周りの誰も彼もが救われ、充実し、ヤリガイ、ikigaiを実感できるから。

お金もルールも大事だけど、人はそんなもののためだけには、働き続ける事はできないから。

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自分で言うのもなんですが、業界人は登録しとくと良いと思います。
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