元技能実習生監理団体職員について

地方都市生まれ、地方都市在住。

もう10数年前です。
地元の小さな総合商社に拾われ、
様々な事業のフォローや立ち上げに奔走していた中で、

外国人技能実習制度の世界に関わる機会があり、
事業に興味を持ち、参画したいと手を挙げたことからが、
この業界経歴の始まりです。

当時は中国が主であり、1年目は研修生という位置づけの頃でした。

中国に何度も飛び、経営者の方が、なぜ海外出張に行きたがるのか
そのワケを実感したのもこの頃です。
(ご想像にお任せします。苦笑)

招聘してくる研修生もとても良い子ばかりで、
私も一生懸命にお世話していました。

この頃に、大きな借金問題が勃発したり、
失踪対応に追われるなど、
大変な思いをしたことは、今でも忘れられません。

その後、ずっと実習生を相手に、お世話をしてきました。

この10数年を見ても、それなりに法律が色々と変わったものです。

そして、数年前から、受入当初と比べても、
中国人の実習生の質が徐々に悪くなっていきます。

自分は一生懸命に仕事をしているとは言うものの、
同時期受入れの他の実習生とは比べ物にならないほどに、仕事ができない。
日本人も同じ業務に従事しているにもかかわらず、
肩が痛い、腰が痛い、仕事のせいだと病院に行き、これ以上仕事ができない…
今まで受入してきたどの実習生とも明らかに違う。

日本人と分け隔てしていないのに、
アレコレと理由をつけて、3年を待たずして帰国していく。

そもそも、募集しても、ろくなのが来ない。
送り出し機関を変えても同じ。

結果、国を代えてみようという動きが始まりました。

その時までに、人脈もさらに広がり、技術、人文知識、国際業務という就労ビザ(技人国)にて、
エンジニアという招聘の手法を知ります。
*そういえば、当時は技術のビザと人文知識、国際業務のビザとは分かれていましたね。

受入企業の方々に話を投げてみると、興味や関心のある方も多く、
結果、そちらにも取り組むこととなります。

この頃、派遣会社を立ち上げ、代表にも就任し、
派遣有料職業紹介についても、様々実務と経営に励むことになります。
*正直、やりたいワケではなかったんですが、やらざるを得なかったんですね。

ただし、エンジニアとしての受入れに、いくつか携わっていく中で、
残念ながら、いくら就労ビザでの受入支援をしていても、
人財側も日本の生活や仕事に慣れてくると、
最終的には、賃金の高い都会の企業へと転職していきます。
*その場では帰国するといいつつ、転職する子もいました。

つまり、都会の高給になびく必要がないほどの
グリップを利かせられる中小企業は、ほとんどなかったのです。
*ご理解をいただいても、容易に社内体制を変えることは難しかったようです。

また、エンジニアなのに日本語でのコミュニケーションが図れないと、
人財として受入ができないという会社も多く、
受入企業側と人財側との諸条件が整え切れません。

耳障りのいいことだけ言って、
売り切り御免と無責任なのは、私が求める仕事ではありませんでしたので、
技人国という就労ビザでの招聘支援業務には、
あまり積極的にはなれなくなっていきました。

その間も当然、
自身が担当している実習生受入企業にも、
完全に手離れできることではありませんでしたので、
取り組み続けていましたが、
同時に、中国からベトナム、そしてフィリピンへとシフトし、
中国だけの頃と違って、国ごとに本当に様々な違いがあることなど、
大変勉強させていただいきました。

その後、インターンシップという受入れ手法とも巡り合い、
市場調査を兼ねて、今までとは違う企業訪問を繰り返し、
台湾インドネシア、ベトナム、ロシア、キルギス、
などなどとのご縁をいただきつつ、
技能実習制度とはまた似て非なる制度であることを肌で感じつつ、
先々を考えてみても非常に素晴らしい制度であることを実感し、
今でも実習制度事業共々、その受入支援には励んでいます。

思えば、実習生エンジニアインターンシップ
ともに、立ち上げに参画した頃には、
それぞれ人財側や、受入企業側にも
色々とご迷惑をおかけしてきましたが、
だんだんと勝手も分かってきて、次の受入、また次の受入と進むごとに、
応用を利かせながら、
ストレスやトラブルは少なくなっていきました。

そしてその分、制度の理解やコンプライアンスを軽視する企業の方々とは、
疎遠になっていかざるを得ませんでした。

当時の様々な苦労のおかげで、
見えないところにまで色々と目が届くことになりましたが、
これから需要も増える一方で、同じ失敗を犯す方が少なくないと思うと、
この業界に魅力を感じやりがいをもって取り組んでいる当方としては、
今後は業界のためにも、警鐘と啓蒙を繰り返し、
利害関係なく、共有、公表していくことに、意味があると考えるようになりました。

また、特に入管マターは様々裁量の幅があるのか、
ちょっとした事件などでも入口のハードルが
高くなったり緩くなったりしているのが現実です。
ケースバイケースも多く、
私個人と周囲の経験値だけでは不十分でもあることを考えると、
取り組みを同じくするもの同士でも、情報共有の場があればと願う気持ちは、
私だけではなく、必要性を感じる方が多いことと思われます。

受入を検討されている企業の社長さんや採用ご担当者の方なども、
他の生の情報には飢えていらっしゃることと思います。

他社ではいったいどうやっているのか。
これらの苦労はウチだけなのか。
いったい、何が正解でどう取り組んでいくべきなのか。

加えて、特に様々な関連業者の方にとっても、
受入れ手法のみならず、業種や地域の問題もありますので、
情報交換に加え、需要先に適正な取り組みを進め、
責任もって二人三脚に当たれる、
お仕事の受け渡しなどご協力できる信頼関係なども構築できればと
考えております。

ビザ申請に係る行政書士の先生方にしても、
このビザ申請はしたことがあるからわかるけど、
このビザ申請はしたことないから、よくわからない…
なんてことも、ザラにありますので。

この外国人労働者の招聘のお仕事は、
と、情報と、現場経験と、関わる人それぞれの良心などによって、
その結果は大きく変わってきます。

特に、各種アンテナを張り、時代のトレンドを見極め、
後出しじゃんけんにならぬよう、先々を十分に考慮して取り組んでいく、
「個人」の資質による部分が、非常に大きいものと感じています。
*各種許可や資格など組織としての力にも起因しますが、
 最終的には、対応している『人』によって大きく大きく影響されます。

また、この仕事は、
信頼できる仲間同士できちんとした仕組みさえ構築できれば、
個人でも取り組みは可能です。
*無論、法的ケアは必須です。

入管の都合などありますので、キャッシュフローといった、
ある程度の体力は必要ですが、上手にやりくりすれば良いでしょう。
*この不確定要素を読み間違えると周りを振り回すだけになりますので、
 ご注意ください。

私が失敗してきたことは、おそらく他の方々も見事にハマっていくだろう。
知らないだけで諦めている方も多くいらっしゃるだろう。
そんな不幸の量産を止めることができれば。

本当に心ある方が業界への魅力とやりがいを持ちつつも、
力尽きて去っていく
また、やりがいをもって従事していても、
トップの考え方や方針と現場の現実との狭間で、
心が引き裂かれている方、
はたまた、知恵や工夫をこらし、より良い手法を求め続けている方、
そんな方々の心の拠り所になる場があれば。

さらには、こんな情報をキャッチしたんだけど、ホントなのかどうか。
こんなケースには、みんなどうやって対処してきているのだろう。

事業に取り組んでいると、本当に様々な疑問相談したいこと
聞いてみたいことがたくさん出てきます。

この外国人人財招聘関連事業においては
法は変わるし、管轄地域によって、お役人によって、
ビザの種類によって、国によって、様々違いがあり、
常に生き物のように全てが複雑に関係して、移り変わり続けています。

法を犯すことなく、適正に、win4allになり、その関係が健全に持続するためには、
関係する様々な立場の方々が、そのご苦労された貴重な経験値を、
ケチ臭く既得権益など考えずに、太っ腹に情報提供しあい、
お互いに切磋琢磨相互扶助していくことが、本当に大切なことであり、
そういう意識を持ち、自発的に行動できる方にこそ、
実際に見返りは相当に大きく、適正に儲けを出し、
人に感謝され、笑顔をたくさん紡いで行けることと確信しています。

そんなこんなで別に書き連ねている無料ブログの発信から、
当サイトの立ち上げ、
さらには、より密に切磋琢磨できる有料コミュニティの場をリリースするまで、
様々な活動をネット上を中心として展開してきています。

本サイトでは、無料会員さんの方々とのやりとりであったり、
有料会員さんとのこぼれ話まで、無料ブログでは伝えていないことを中心に、
様々発信していく予定です。

当サイト運営が、外国人労働者の円滑な受入と定着の一助となることを、
心より願ってやみません。

          元技能実習生監理団体職員(平成30年5月18日現在)

★匿名での理由

その諸事情ゆえ、また様々な法律と関係各所への悪影響を考えると同時に、
当サイトでは、忌憚のない現実論も共有すべきと考え、
サイト内では、匿名にてご容赦願います。
注:一部ビジネス的関係へと進む場合には、当然公明正大に対応させていただきます。
  また、私が匿名な分、匿名での情報提供なども阻むものではありません。

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