実地検査の統計からみる注意点まとめ(技能実習…明日は我が身の特定技能も同じなんだけどね)

ポイント

昨日の続きで、実地検査の統計を、詳しく見てみる。

さて、実地検査の「数」を見ていきます。

(注)一つの実習実施者又は監理団体について複数の違反が確認される場合があることから、違反が確認された実習実施者又は監理団体の数と違反件数は一致しない。
→一度の実地検査で、2つ以上の指摘があったら、1件ではなく2件以上としているって意味。

 
■外国人技能実習機構が実地検査を行った実習実施者及び監理団体の
実習実施者 21,241(21,616)
監理団体 4,457( 4,537)
計 25,698(26,153)
→監理団体の総数が3,700ちょいなのに、必ず一つはお土産おいてくとしたら、2つ以上おいてかれた先はそこそこあるって話。

 
技能実習法違反が認められた実習実施者及び監理団体の
実習実施者 8,525(8,371)(違反割合 40.1%(38.7%))
監理団体 2,659( 2,352)(違反割合 59.7%(51.8%))
計 11,184(10,723)(違反割合 43.5%(41.0%))
→前出のように、訪問件数は少し減った割に、違反先(割合)は微増…機構職員にも上からムチが入っているのかもですね。苦笑
年々、世間を賑わし、批判や非難の矛先が、技能実習に向く度合いも高まり続けてますから。
数字上げないと、機構として実地検査として、仕事してない(保護も健全化もしてない)って評価になりますからねえ。

■実習実施者及び監理団体において確認された違反の件数(違反条文数)
実習実施者 13,638(13,731)
監理団体 5,185( 4,114)
計 18,823(17,845)
→同前出…の割に、受入先は微減なんですねえ…上役が匙(さじ)加減を間違えたのかな?

 

さて、いよいよ、中身です。

 

実習実施者の違反内容
https://www.otit.go.jp/upload/docs/6-2.pdf

・技能実習生の待遇に関するもの 4,306 件(31.6%)
→宿泊施設の不備(私有物収納設備,消火設備等の不備等)に関するもの 1,833
→残業代が適切に支払われていなかったもの 1,453
→計画どおりの報酬が支払われていなかったもの 688

 
・届出・報告に関するもの 3,887 件(28.5%)
軽微変更届を適正に提出していなかったもの 3,481

 
・技能実習の実施に関するもの 3,246 件(23.8%)
→実習時間数が計画と異なっていたもの 852
→実習内容が計画と異なっていたもの 374

 
・技能実習を実施する体制・設備に関するもの 1,306 件(9.6%)
→技能実習生に対する指導体制が不十分であったもの 773
→技能実習責任者が適切に選任されていなかったもの 231

 
・帳簿書類の作成・備付けに関するもの 868 件(6.4%)
各種管理簿を適切に作成・備付けしていなかったもの 622

 
・技能実習生の保護に関するもの 25 件(0.2%)
在留カード・旅券を預かっていたもの 6
貯蓄の契約をさせ,又は貯蓄金を管理する契約をしていたもの 1
私生活の自由を不当に制限していたもの 6
その他 12

 
あはは、違反っちゃ違反なんでしょうけども、
強調した2項目だけで、5,936件(総数8,525)7割。
(指摘件数でみるとダブってる先もありそうなので正確ではない)
うん、世間様で言う7割かも…お土産的ですね。苦笑
ただ、残念な先が3割近くあるってのも、とても残念です。
赤字強調した部分なんて特に、監理団体、ちゃんと仕事しろよ!ってヤツ。

 

監理団体の違反内容
https://www.otit.go.jp/upload/docs/6-3.pdf

・監理団体の運営・体制に関するもの 1,842 件(35.5%)
業務運営規程が事業所内に掲示されていなかったもの 962
→外部役員・外部監査人の設置・監査が適切に行われていなかったもの 247
→その他 355

 
・実習実施者の監理・指導に関するもの 1,593 件(30.7%)
→実地による確認を適切に行っていなかったもの 356
→監理責任者による労働法令違反に係る指導・指示が適切に行われていなかったもの 273
→事業所の設備や帳簿を適切に確認していなかったもの 235
→その他 633

 
・帳簿等の作成・備付け、届出の提出に関するもの 889 件(17.1%)
各種管理簿が適切に作成等されていなかったもの 377
→監査・講習・指導・相談等の記録が適切に作成等されていなかったもの 258
→監理団体の許可に係る変更や事業の休廃止届を適切に提出していなかったもの 178

 
・監査報告・事業報告に関するもの 836 件(16.1%)
→監査終了後に遅滞なく監査報告書を作成・提出しなかったもの 706
→事業報告書を提出しなかったもの 130

・技能実習生の保護・支援に関するもの 25 件(0.5%)
実習生からの相談に適切に応じていなかったもの 21
技能実習生の旅券・在留カードを保管していたもの 3
私生活の自由を制限する規則(外泊禁止等)を定めていたもの 1

実習実施者同じく、強調した2項目だけで、1,339件(総数2,659)5割。
(指摘件数でみるとダブってる先もありそうなので正確ではない)
(ただ、多岐に渡るからか、「その他」って件数も結構あって、中身の度合いが良く分かりません)
この辺りは、明らかにお土産ですね。

ただ、
・監査終了後に遅滞なく監査報告書を作成・提出しなかったもの 706
…コレって、提出はしてるけど、作成が遅滞なく…って場合もあるの?どういう意味?難癖?
・監査・講習・指導・相談等の記録が適切に作成等されていなかったもの 258
…コレも作成してないならまだしも、適切に…って、難癖的?
・監理団体の許可に係る変更や事業の休廃止届を適切に提出していなかったもの 178
…コレも大したことナイ部分の指摘ですね。
この辺りまでお土産扱いしたら、2481件(総数2,659)9割。
(指摘件数でみるとダブってる先もありそうなので正確ではない)

 
問題は…

・実地による確認を適切に行っていなかったもの 356
・監理責任者による労働法令違反に係る指導・指示が適切に行われていなかったもの 273
・外部役員・外部監査人の設置・監査が適切に行われていなかったもの 247
・事業所の設備や帳簿を適切に確認していなかったもの 235
・事業報告書を提出しなかったもの 130

ちゃんとやれよ!としか言いようがない。

特に、赤字強調+黄色アンダーした先は、
もう業界から退場しろ!って声を大にして機構に求めたい部分ですね。

業者側である監理団体には、やはり厳しくいかねば…は当然です。

 

育成就労でも、似たり寄ったりになっていくのでしょう。
特定技能でも、ホント、同じです。

こういう機会に、ちゃんと確認し、
己の業界知見を確保していかないと、明日は我が身ですからね。

大事です。

 
追伸
文中の7割だの5割だの9割だのって、
メディアがいつも印象操作的にしか書かないので、
同じようにちょっとオーバーに見えるように書いてみた。笑

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