ゼロフィー事業?良いのかどうか…

お金

どうやら「ゼロフィー事業」なる言葉が認知され始めているらしい。

雲の上の大企業の世界の言葉って印象がまだまだ強いけど、
年々、中小零細も他人事じゃなくなってる。

そう、いわゆる、出稼ぎに来日してくれる外国人労働者には、
費用負担はさせないって取り組みの話。

ご存知の方は、おさらい方々、
ご存知ない方は、知っておくべきポイントの一つとして、
ぜひご参照ください。

  
このゼロフィーを考える上でのポイントは、2つ。

1.いったいどうやってゼロフィーだって立証するのよ!?

2.ゼロフィーならみんな健全なの!?

って2つの観点。
では、一つずつ、グダグダと。

 
 
1.いったいどうやってゼロフィーだって立証するのよ!?

・人は嘘をつくので、うそ発見器でも置く?
・人は忘れたり記憶違い、またミス、漏れ、失敗もあるので、お金が出てく瞬間をどうやって明らかに客観的にチェックする?
・お金に色はないので、はたしてどうやって、何のためのお金をどれだけ求められたって立証する?

…ちょっとでも現場をわかってる方は、いくつでも疑問符が浮かびますよね。

それでも、
人権をはじめとしたコンプラだのISOだのサプライチェーンだのアレコレアレコレ、
日本のルールや常識以外でも、グローバルで種々雑多あって、
取引もグローバルな場合は特に、元請け先≒買い手側から健全な取引上、
必須で求められる条件、企業の社会的責任の一つとして、求められるポイントの一つなのだから、
致し方ない。

ただね、分かってる方は、分かってる。
分かったうえで、取り組んでる。
何をどのようにどう定めてみても、阿呆は抜け道を探すものだし、
一度定めた仕組みやルールだって、平気で裏で不正も起こりうる。
どの国でも犯罪者がゼロになる事って現実として在り合えないでしょ?
それと同じなんですよね。

でも、何もしてない…よりは、せめてこういう取り組みはしてる…そういった姿勢が求められてて、
正に、何もしてないよりはマシ…っていう、法社会と同じ理屈で進んでるって印象。

 
 
2.ゼロフィーならみんな健全なの!?

もうね、この言葉通りなんです。

逆の例示をちょっとしたストーリーでお話してみましょうか。

自立心があり、優秀なAさん。
貧乏な家庭で生まれ育ったので、学歴も経歴もろくにはないけれど、
あるキッカケから日本語を学び勉強し始めた。
行ける機会が田舎の地元ではないので、
送り出し機関がいくつかある都会へと繰り出した。
その際の必要経費は、周りに頭を下げて必ず稼いで返すからと、借金してチャンスをつかみに都会へ。
ある日本語学校に入っていれば、定期的に求人募集にありつけると知り、
自分の日本語学習がどの程度のモノなのかを知りたいし、
もっと磨きをかけたかったこともあり、
その学校へも入学することに決めた。
優秀なAさんなので、日本語が有能な事もあって、見事にある日本企業の求人面接に合格。
ただ、ソコで、面接まで進むために、ちょっとした袖の下を送り出しの担当者から求められた。
その国では、そういった慣習が根強く、むしろ良い職に就くには常識だった事から、
今は違うんだけどな…と思いつつ、稼いで返すと約束しガンバレ!と送り出してくれた両親の手前、
郷に従い、賄賂を渡して掴んだチャンスだった。
もちろん、優秀なAさんは、稼げる額を計算し、元は取れると算段しての支払いだった。
合格後、日本来日前も、来日し働き始めてからも、懸命に努力を続け、
その企業ではなくてはならない人材にまで成長し、
無事、借金も数カ月で返して、仕送りを続け、高給取りにまで。

一方、
ゼロフィー事業だからと、求人募集の先では、
やけにいい雇用条件だ…
そのくせ費用も賄賂も要らないらしい…雇用主が支払ってくれる…
そんな嘘みたいな募集って、本当に大丈夫か?!
必ず裏があって、騙されるんじゃないか?!
等もあって、思うように人材が集まらない。
そうはいっても求人面接の締め切りが迫っているからと、
勝手がわかる事情を知る関係当事者の身内や知り合いから、
優秀か有能かよくわからん人材が、集められる。
はたして雇用するに値する人材なのか?
ゆとりもあって、何年も長く出稼ぎしてたくさんのお金を稼がねばならない困窮した人材ではない分、
何かあればすぐ辞めて帰国すればいい…
それでも日本で働いた経験が自分のキャリアのハクになれば…
なんて人材が多かったなら…

ちょっとわかりやすく対比的に書きましたが、
現実はもっともっと時系列は長く様々あるし、複雑なものです。

さて、本来、良い人材をどういった条件で雇用したかったのか。
受入先の思惑に、そして外国人労働者の思惑に、
合致する=マッチングが成立するにあたり、
ドコが一番大事なポイントなのか。

 
 
別に、ゼロフィー事業が意味ないって全否定したいんじゃない。

ただ、個人的には、
国によって様々ある事と、
そもそもゼロフィーであってもなくても、健全に順当に回していける結果を実現できている事もあって、

ゼロフィーに費やすリソース自体がナンセンスでコスパタイパともに合わんと考えている部分があります。

また、
そもそも借金自体、決して悪一色の効果しかないとは考えていません。
マイホームローンだろうが、教育ローンだろうが、
確かに額面の大小は現実的に問題ですが、
より良い結果を早く求めるために、借金というリスクを背負って、
必死に頑張る背水の陣を敷く事は、何も社会的に悪いワケじゃなく、
借金=悪とする「これ以上この問題に悩み考える必要ないよね」的な思考停止のラクになりたいワケじゃないので。

そもそもが、
外国人労働者へ雇用主がもっと多額の賃金を支払う事が是であるハズなのに、
ゼロフィーにリソース費やしてるなら、その分、支払ってやれよ!って考えてしまう部分すらあります。

要は、
ゼロフィーであってもなくても、
健全に回していけてる結果を出してるから。

この点に執着しすぎる必要はないと考えてるから。

部分最適を絶対至上正義として全体最適を狂わせてたんじゃ、意味ないと思うから。

巷で騒ぐ人権ガー&カワイソウは救われるべき最優先の正義主義者と、同じじゃんって。

 
 
ただし、

全体最適とのバランスを考えながら、
その為にこそ、ココの部分最適を実現させねばならない…そう実践できるゆとりのある大手先が、
この観点を切り拓いてくれている。

いずれ、これらが当たり前になって、
むしろアチコチで要らん金をせびってくる送り出し機関が少数になり、
自国内はともかく、世界規模で出稼ぎへ行く国のレベルでは、
そんな送り出し機関は相手にもされない=求人も出てこないって現実が常識になってくれたなら、
(そのレベルまで受け入れ国側でちゃんと見破れる透明性が広く担保されうる世界になったなら)

ゼロフィーも「事業」ってイチイチ言う必要もない世界が到来してくれたなら、

それはそれで、願ったりかなったりですけどね。

 
追伸
送り出し機関に商売として成立するだけの支払いができる受入先に限られますけどね。
それこそ今でもフィリピンで受入してれば考える事すら不要なんだけど…アホな送り出し経由じゃなくてね。

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