技能実習生並びに特定技能外国人の妊娠トラブル対策について

お金

技能実習生の妊娠時の対応等に関する質疑について
https://www.moj.go.jp/hisho/kouhou/hisho08_00480.html

何度目かな…毎年、新規参入者がいらっしゃるので、
復習方々、書いてみますね。

※出産費用や産休など、調べればわかることはご自身でお願いします。

歴戦の方々にとっては、当たり前の立ち回りとなりますが、
分からない方々にとっては、どういうストーリーが展開されていくのか、
想像すればわかるはずなのに、実際に言われてみないと気づかない方々は少なくない。
特に初心者の方には。

一丁目一番地は、そもそも論として、妊娠してからでは遅いって話です。

ただ、そういってもピンとこないのが経験弱者。

なので、具体的に想定してみましょう。
一度でいいから、妊娠した後のストーリーを考えてみましょう。

もし、妊娠した方がいた場合、

1.産むの?産まないの?
(基本的には、そもそも”産まない”って選択肢はありませんが、異国で暮らしている外国人だけに、当人の確認は必須です)
他にも、初期確認としたら、
・お父さんはドナタ?(同国人?日本人?立ち位置は?)
・母国のご両親はご存知なの?
・自分はどういうストーリーを希望してるの?(在留継続?帰国?いつ?どのように?)
・周りの同僚は知ってるの?(知られて構わないの?まずいの?)

1-1.産む場合
A-日本で産むの?
B-帰国して母国で産むの?

1-2.産まない場合
A-日本で堕胎するの?
Bー帰国して堕胎するの?

2.技能実習or就労を継続するの?しないの?
これに応じて、すべき手続きや立ち回りが変わっていきますよね。
もし日本人が相手なら、「日本人の配偶者等」的な在留資格への資格変更へと進んだり、
日本での出産かつ就労継続を希望する場合、受入先側とどこまで支援が可能かなど確認したり、
様々な選択肢とその実現可能性について適正適切かつ良心的な判断材料を、
まずは当人にキチンと、整理整頓して、提示してあげることが肝要です。

 
結論を言うと、
「外国人の情弱かつ未成熟な若者たちが、日本で無事に出産と育児が独立独歩できる程、日本の社会保障は充実してはいない」
という事です。

人権派の方々に配慮して、”充実していない”と表現しましたが、

そもそも、妊娠後の経過観察にて、
自分で産婦人科へ行けますか?
赤ちゃんと母体の健康状態など、自分で理解できますか?
破水したり、陣痛が始まった場合、自分で救急車でも構わないから呼んで状況を説明できますか?

無事に出産できたとして、その後、
赤ちゃんのミルクや離乳食など自分で買いに行けますか?
働けない間、いくつかの公的支援により多少のお金が入ってきますが、
アナタと赤ちゃんの生活費は、誰が面倒を見ますか?
そもそも、一人ぼっちで、何かあった際に頼れる人、助けてくれる人、それもすぐに動いてくれる人、いつでも連絡が繋がる人は。誰かいますか?

日本人は当然、ある程度の所得的ゆとりをもって妊娠と出産、育児を迎える方が多いでしょうし、
両親をはじめ、助けてもらえる方々が周りに何人かいらっしゃるでしょうし、
困った際には、どこへ連絡してどうすべきか、自分で自分と赤ちゃんと助ける術があります。

だけど、外国人の若者達に、
それもろくに日本語も話せず分からない、どこに産婦人科なる病院があるかわからない、
どれだけお金がかかり、いつまでに支払わないといけないなど、
まったくわかりません。

じゃあといって、監理団体や登録支援機関が、個別に24時間対応で、
いつでもどこにいても何をしていても、その妊娠者のためだけに、
他の方の監理、支援、保護を横にホオリ投げて対応できるか…といえば。
できるワケがありません。
しろ!という方は、それこそ私達に奴隷として24時間働けって言ってるのと同義だとお気づき頂けるかどうかですね。

こういったコトは、誰に言われずとも、想定できる事であり、
決して難しい事でもありません。

なのに、アホな方がいるから、
やれ、強制帰国だの、やれ、人権侵害だの、やれ、奴隷制度だのと、
大変残念かつ非人道的な立ち回りをして、
業界を貶めていきます。
そういうネタでビジネスされてる方々を喜ばせるために。

 
日本では充実していない…って書きましたが、
他のどの国でも、そんな至れり尽くせりな社会って、聞き及んだことがありません。
他の本当の先進国では、あるのかもしれませんが、
それを望む場合は、その国で働いていただければ幸いです。

 
そもそもが、本当に母体と赤ちゃんの人権保護を考えたなら、
基本的には、帰国して、周りに支えてくれる方々と共に、
母子ともに健康で安心して出産すべきですし、
その後の育児までも考えたうえで、出産を迎えるのが、
本当の人権派行為なのだと思います。
(人権派とかではなく、ごくごくフツーの考え方ですよね)

これらを十二分に理解できるように伝えることが、
監理団体ないし登録支援機関ないし、担当者のお仕事です。

そして、自身の意図しないストーリーになる場合は、
それこそ、妊娠しないように避妊するのが大切だし、
もし妊娠したとしても、こういう現実が展開されていくことを、
事前に承知しておくことが肝要となります。

 
だから、
入国前法定講習やら、入国後法定講習やら、
事前ガイダンスやら、生活オリエンテーションやらが、
法で定められています。

こういった意味を理解もせずに、
「法で定められているから…」
で、おざなりに”やった体…”で済ませている方々がいるから、
妊娠トラブルなんて言われるわけです。

 
歴戦の方々は、当たり前のように、
ルーティン的な仕組み化で、ちゃんと相手に、届くよう、響くよう、残るように、
間に合うように、話ができています。

よく”帰国させられる…”なんて書かれてる報道を見ますが、
“させられる”んじゃなくて、自らの意思で”帰国”の選択をするだけのこと。

フツーに対応して、未然に「当人が意図しない不幸せへの転落」を防ぎましょうね。

追伸
ミャンマーなど、帰国の選択が難しい場合は、
それこそ、未然にちゃんと説明しておくことは必須です。
他国でも、安心して帰れる場所がない外国人がいるかもしれません。
そういう人材を指名して招聘かけている場合は、
当然、招聘した先と、それを手伝っている先が、最後まで責任を持って対応することが当然となります。

こういうことは、行政が踏み込んで表現できない事なので、
先輩である業界人が、間に合うように周知していくのは当然の義務ですね。
それを見ない、聞かない、調べない方々には、どうしようもありませんけども。

追々伸
育成就労?となり、当事者が今に増して受入雇用先に比重がかかるとしたら、
これらは業者に頼むことではなく、自社で解決する問題となります。
支えてくれる業者(担当者)を間違うと、自業自得となります。
お気を付けください。
組む送り出し機関もね。

 
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フツー、一般的には流れない案内ばかりなので、オモロイっすよ。
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自分で言うのもなんですが、業界人は登録しとくと良いと思います。
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