昨日の続き。
せっかくわざわざ特定技能に限った集計もしてくれてますので、
ちゃんと見てみようと。
別添え資料など見もせず、メディアが偏重加工した二次情報しか見てなくて、
振り回される方々も多そうですし、
ちゃんとしてる方々は確認されてるのでしょうけれど、
私みたいにこういうアウトプットの機会を設けていないと、
一次情報を自分の目でチェックしない人も多そうですから。
(別紙2)特定技能外国人を使用する事業場に対する監督指導、送検等の状況(令和6年)
https://www.mhlw.go.jp/content/11202000/001566972.pdf
①使用する機械等の安全基準(24.0%)
②割増賃金の支払(17.2%)
③健康診断結果についての医師等からの意見聴取(16.7%)
ココまではアナウンス元にも概要として載ってますが、
ちゃんと見るべきは、別枠でもう少し細かく分析されてるポイントと、
例示されてる一つ一つの中身です。
●分野別の違反指摘内容の順位
やっぱり微妙に異なるんですよね、分野別に多い指摘ポイントって。
お付き合いされてる受入先にアナウンスしていくと、
程よい啓蒙と警鐘になるでしょうね。
●特定技能外国人から労基等へ是正を求めて申告された件数は107件
①賃金・割増賃金の不払(90件)
②解雇手続の不備(15件)
③支払われる賃金額が最低賃金未満(6件)
…特技ともなると、労基へ訴える方は少なくない。
(周りの優しい日本人が代理で問い合わせたりしてる場合まで含まれているのかはわかりません)
上位3項目から見るに、
賃金など金に汚かったりケチだったり、ちゃんと理解と納得をさせられてない場合は、
リークによる実地検査の呼び水になると、理解しておきましょう。
●送検まで行った案件の内容とポイント
私なりの言葉で言えば、
要は、不可逆的だった違反ってヤツですね。
労災事故と、その隠蔽。
前借金の相殺なんて給与から天引きしちゃいかんってルールも知らなかったじゃ済まないポイント。
(労使協定結んでればカバーできるって話じゃない部分ね)
どれも明確かつ悪質と判断されるポイントです。
つまりは、
労災事故はたとえ理由や背景がどうあろうと起こしてはならないし、
お金が絡む部分は、注意して丁寧に対応してないと痛い目を見るってヤツ。
バレなきゃいいとか、隠蔽して片道切符とか、
どうしようもない先と付き合ってると、それ自体がリスクだって話です。
●例示されてる中身
★手の指を切断する労働災害(左手中指及び薬指切断、休業1か月間)
・安全装置の点検及び整備を行っていなかった(分かってる先はこの辺りまで就労内容の確認時に指摘してるかもね)
・雇入れ時の安全衛生教育を行っていなかった(こんなの技能実習先では当たり前で指摘&カバーし実施してますよね)
ゆえに、
→点検リストを使ってチェック
→漢字に振り仮名を記載するなど、外国人労働者にも分かりやすい安全対策のマニュアルを作成し、特定技能外国人に安全衛生教育を行った。
◎指摘されないとヤラナイ問題…できないしない現実=予防に人はリソースを割かないので、今後も永遠に続きます。
★労使協定がないまま家賃や光熱費、工具代を違法に控除していた(技能実習先ではありえない)
★特定技能外国人のみに毎月支給している特別手当について、割増賃金の算定基礎に含めていなかった(ここもありえない)
★健康診断結果について、医師からの意見聴取を行っていなかった(この辺りは受入先毎に異なるので個別確認してるかどうか)
→労使協定を結び、工具代については会社負担とする(結ぶ前の分は支払うことに)
→割増賃金の不足額約12万円を支払った
→医師からの意見聴取した…コレは諸状況に応じての話かな。
◎受入先も業者も、井の中の蛙だったのか裸の王様だったのか、わかってる方ならありえない結末ですね。
★中途退職を申し出たところ、ビザ取得費用を賃金から控除された
★契約不履行時の違約金を定めていた
→日本語表記のみの雇用契約書を取りやめ、入国審査時に提出する母国語併記の雇用契約書によって労働条件を取り決め、労働契約不履行時の違約金の定めは規定しないこととした。(ありえない)
→申告した特定技能外国人に、ビザ取得費用等として賃金から控除した合計約23万円を支払った。(当たり前)
◎コレも前記同様、分かってる方ならあり得ない結末。
★指を切断する労働災害が発生
…事例最初の案件と似たり寄ったりなので割愛。
指切断となった当事者は生涯に渡り多大な問題を抱える事となる分、
こういった事故は一発アウトって話に変わりないし、悪質先と認定される。
わかりますかね。
ちゃんと自分の目で見て確認する事の大切さ。
直接間接問わず、指摘し改善を促していれば、
後味の悪い、こういう結末には陥らずに済む。
よって、無知の知を意識し、ちゃんと知るべきを知っておくのは、
業界人にしたら呼吸するかの如く、出来てないといけない。
だって、それでお金もらって生活してるんでしょ?
出来てないなら、どうしたらできるようになるのかを、
ちゃんと対処しないと、奴隷商人、奴隷商売の手先としか見られない。
とはいえ、一朝一夕でこういう総合的な知見は身につかない。
さて、どうする?業界人?
…今でこそ偉そう言ってる私や他の諸先輩方も、誰もがはじめは初心者だった。
親や子供、友人知人に胸張っていられない自分は嫌だろ?
頑張ろうぜ!
追伸
問題は、違反の度合いに応じて、今後の受入はできなくなるって事。
それは、全当事者はもちろん、別先別方にまで様々被害が及ぶって想定が、
できていればいるほどに、ちゃんと自ら襟元正さないとってなるんですけどね。
追々伸
やってられるか!って方は、
受入先の場合は、外国人はもちろん労働者を雇用しなければいい。
業者の場合は、こんな業界にいなきゃいい。
そしたら、知る事も学ぶ事も対応する事考える事も、一切しなくていいんだから。
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フツー、一般的には流れない案内ばかりなので、オモロイっすよ。
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自分で言うのもなんですが、”目覚めたい業界人”は、登録しとくと良いと思います。
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