技能実習→育成技能?、特定技能業界で対策を講じるべきポイントの確認

受入企業向け

育成技能制度?騒ぎで、思わず飛ばしてしまった先日の統計の読み解きです。

外国人技能実習機構では、毎年、
『業務統計』なるものを公表していますが、
この昨年度版、令和4年度版が、先々週、公表されました。

業界人が最大公約数的に関心の高いポイントは、
やはり実地検査による違反や指摘の部分でしょう。

早速、細かく見ていきます。

ココの最下部のヤツね。
https://www.otit.go.jp/gyoumutoukei_r4/

 
実習実施者、いわゆる受入先ですね。
違反率、40.2%。

悪質ですでに行政処分された先から、担当職員の置き土産を渡された先から、
全部でこれだけの割合。
3年に一度は訪問指導しないと…ってリストから、
労基、入管、警察との連携から違反発覚先、
監理団体からの違反指導が治らないとの報告先、
想定できるのは、これらの中から、優先順位をつけて回った中で、40%って結果。
前回対比では34.4%→40.2%とのことにて、精度も上がってきていますよって意味でしょう。

そして、その指摘事項も見ていきます。
単純に指摘件数の多い順に抽出してみると、

1位:3,158件/軽微変更届を適正に提出していなかったもの
…残業が機構が指導する月刊時間数以上に渡り行われた場合に提出するものですね。
去年度は、ここにフォーカスされ、土産を渡された先が多かったと。
細かい点はいくつかあるけど、ココでは割愛…書ききれない。汗

2位:2,217件/宿泊施設の不備(私有物収納設備,消火設備等の不備等)に関するもの
鍵付き保管庫やら、消火栓の有効期限切れなど、以前から指摘土産の多かった部分ですね。

3位:1,918件/その他(技能実習の実施に関するもの)
なんですかねー、個別に細かい部分の指導や勧告を出していかれたんでしょうね。

4位:1,465件/残業代が適切に支払われていなかったもの
おぉー、賃金不払いも重点項目に上がってるみたいですね。
まぁ、それだけ細かい部分で、不払い先が多いのでしょう。
対した金額ではなく、指摘されたらすぐに再計算して適正に支払えば、別にクリティカルなお咎めはないでしょう。
その代わり、次回も確認された際、同じ過ちを繰り返していたら、確実に悪質認定です。

5位:1,124件/実習時間数が計画と異なっていたもの
おー、1位、4位と共に、残業時間など長時間労働に対して、かなりフォーカスされていたのが、
昨年度だったようですね。

ただし、概要でのまとめと相違がかなりあります。

1位、3,943 件(26.3%)実習内容等が計画と相違→職種不適合というよりは、時間数にフォーカスされてますね。
2位、3,404 件(22.7%)届出・報告等が不適切
3位、2,302 件(15.3%)報酬等の支払いが不適切→賃金不払いは許さないと。
4位、2,217 件(14.8%)宿泊施設等の不備
5位、1,811 件(12.1%)実習実施体制等の不備

 
次、監理団体
違反率、56.7%。

ここも受入先同様に、諸事情先を中心に検査。
昨年度の49.4%から更に増加したので、確度は高められているとアピールできますね。

1位:726件/その他(実習実施者の監理・指導に関するもの)
2位:512件/監査終了後に遅滞なく監査報告書を作成・提出しなかったもの
3位:442件/各種管理簿が適切に作成等されていなかったもの
4位:436件/監理責任者による労働法令違反に係る指導・指示が適切に行われていなかったもの
5位:412件/実地による確認を適切に行っていなかったもの

…4位と5位辺りに、一部、悪質性を感じられますね。
ただ、やはりお土産的な指導、勧告が大半とも感じられます。

そして同じく…
1位、1,970 件(41.4%)実習実施者の監理・指導が不適切
2位、1,104 件(23.2%)監理団体の運営体制の不備
3位、1,019 件(21.4%)帳簿書類の作成・備付け、届出等が不適切
4位、 635 件(13.3%)監査報告書等の提出が不適切
5位、 35 件(0.7%)技能実習生の保護に関するもの
…う~ん、個別具体的に見ないと、悪質性の高いものかどうかがわかりかねます。

どのみち、悪質な先は、許可取り消しや改善命令として潰されていきますので、
複雑怪奇かつ膨大な作業に、相も変わらずリソースを割けない限り、
処分されていく件数んは増えていくことでしょう。

実質的に、既得権益が高まり続けていく流れにて、
新規参入先は、実際に多大なリソースを費やして答えを知り、
こんなんじゃ商売にならんと退場して行く先が以前に増して多くなっていくばかり。

 
いつもながら、人の振り見て我が振り直せ。
匂いと言うか、傾向というか、
自ら襟もとをただすべきポイントは、機構が毎年、教えてくれています。

個別具体的には、どの程度まで水準を引き上げるか、経営者の判断となるでしょうけど、
どこまでも喫水線はジワジワと上がる方向では間違いありません。

さてさて、育成技能制度?では、
厳格化、厳罰化が進むであろう特定技能制度は、
来年に向けて、どの程度のハードルが出てくるかですね。

大勢に変わりはありませんので、粛々とすべきことに取り組み続けるのみです。

 
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自分で言うのもなんですが、業界人は登録しとくと良いと思います。
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