先月の有識者会議の資料を見直してみて気づいたこと。【技能実習関係】

受入企業向け

公開資料をロクに見ない方々へ。苦笑
(今回取り上げたのは、149ページのヤツ)

さて、復習方々、
アレコレと気づいた点を細かくメモして列記してみます。

ね、読み込むと、ナカナカにオモロイことが読み取れます。
読み取れる解釈を以下にいくつか記してみました。
ご参考まで。

 
『技能実習関係』

【技能実習生の国毎の割合】
・実は、すでに中国を抜いて、インドネシアが2位につけている。
・フィリピンは変わりなく4位。

ココは主管が大きく入っているのでしょうけど、
どうせどの国にも、良い子悪い子フツーの子がいるならば、
フィリピンでやったほうが、右往左往せずに済みますよ。
ただ、どうしても、お金に縛られてる人たちには、
無理なので、振り回されてください。汗

 
【多く入っている職種作業ベスト10】
1位:31,341人、そう菜製造業
2位:20,429人、とび
3位:15,031人、半自動溶接
4位:15,011人、介護
5位:13,053人、射出成形
6位:12,922人、施設園芸
7位:12,093人、婦人子供既製服縫製
8位:10,580人、工業包装
9位:9,726 人、畑作・野菜
10位:8,621人、型枠工事

…狙うなら、これらの職種作業の受入企業先が、
受け入れてる、もしくは受け入れる確率が高いってコト。

【技能検定合格率】
(1年目検定)
基礎級(実技)…99.3%…1,000人受験して、7名落ちる確率。
基礎級(学科)…98.8%…1000人受験して、12名落ちる確率。
(3年目検定)
3級程度(実技)…92.5%…1,000人受験して、75名落ちる確率。
(5年目検定)
2級程度(実技)…64.0%…100人受験して、36人落ちる確率。

優良加点ポイントとして、割かし大きい部分ですので、
不合格の量産先は、実地検査対象先として、
今後、静かににらまれるリストに名を連ねていくのでしょうね。

 
【技能実習生に対する賃金の支払状況】
業種別(大カテゴリー別)の最高平均額面
1年目…174,071円
2.3年目…188,726円
4.5年目…236,641円

ちなみに、最低平均額面では、
1年目:158,025円
2.3年目:174,772円
4.5年目:185,988円

つまり、平均額ながら、
手取り14~15万程度からスタートする職種作業もある。
逆に、手取り11~12万程度は最低額として必要という相場観が見えてきます。
ハッキリ言って、出稼ぎ人材にとって、
このラインは、遅かれ早かれ揉める元になるので、
平均額面以上での設定が無難です。
とはいえ、日本人同等以上と、同一労働同一賃金の観点から、
必然的に、日本人の給料も押し上げているという皮肉な事態が進んでいきます。

 
【失踪者割合】
全体:1.8%
率の最悪国は、カンボジア
率の最小国は、フィリピン
率の最悪職種は、建設
率の最小職種は、食品製造

…てことは、食品製造職種をフィリピンで受入すれば、
確率論的には、一番失踪が少ないってこと。

 
【実習実施者数】
全体で、66,817社(個人事業主含む)
(5年で約二倍へ増加)
業種別
1位:建設業(24,711)37.0%
2位:製造業(23,939) 35.8%
3位:農業、林業(10,470)15.7%(ほぼ農業)

制度が続く前提において、
これくらいのざっくり感は、頭に入れておくと、
経営側はやりやすいのかもしれません。

 
【実習実施者の、監理団体に対する満足ポイント】
「技能実習制度に対する理解の促進」(80.8%)
「監査・指導を通じた改善点等の指摘」(76.8%)
「技能実習生との間にトラブルが生じた際の支援」(75.7%)

他、様々な支援や、アドバイスが、満足度として並びます。

 
【監理団体が実習実施者から徴収する費用の平均値】
341,402円/初期費用(一人当たりの徴収額)(n=631)
30,551円/定期費用 (1号)(一人当たりの月額)(n=631)
29,096円/定期費用 (2号)(一人当たりの月額)(n=631)
23,971円/定期費用 (3号)(一人当たりの月額)(n=386)
154,780円/不定期費用(一人当たりの徴収額)(n=631)

分母が3500ある中で631団体からのヒヤリング(約18%)。
こういうのに協力する先は、
やはりちゃんとした監理団体先がほとんどと見られるので、
バカみたいに安くして何もしない先は、
これらの金額ではない。
初期費用や不定期費用合わせて50万ほども徴収しない。
監理費も月々2万など。
その分が、技能実習生の借金にしわ寄せがいってるケースも。

逆を言えば、ちゃんと評価される監理団体は、
ちゃんと活動原資を請求し、実習実施者も支払っている。
パフォーマンスを発揮できないコストは、
正にコスパが合わず、貧乏人の銭失いとも言える。

*非営利事業の意味をどこまで深く理解しているかと、
監理団体職員の昇給原資の確保方法によっても、
経営者の良心によっても変わる。

 
【実地検査の件数】
     令和元年度 令和2年度 令和3年度
実習実施者 14,970 17,308 24,105
監理団体   3,087 3,363 4,162

【行政処分等の件数】
許可・認定の取消し
     令和元年度 令和2年度 令和3年度
実習実施者 23 76 176
監理団体   4 13 13

右肩上がりは、機構側がちゃんと働いてるって役所原理のたまもの。
真綿で首が締まっているのに気づけないバカモノ経営者先が、
この先もドンドン粛清されていく。
逆に、マトモにキャッチアップし、
当たり前のように軌道修正(改善)を続けている先は、
まったく心配することなく、邁進し続けている。

 
【実習先変更支援(実習継続困難時)】
実習実施者等の受入れ側の都合により実習実施困難となった技能実習生の
80%以上で転籍が成立

ポイントは、この不成立の20%弱。
8,241件の20%≒1,600件…1件3人平均だとすると、約5,000人。
失踪者数が7,000人。
5,000人が受入先や監理団体側都合で、
2000人ほどが身勝手失踪なのか?!

しかし、いつもながら40万人中の7,000人ないし2,000人って、多いのか少ないのか。
一人ひとりの人生を狂わせているとしたら、一人でもあってはならないですが、
交通事故発生件数は43万601件、死傷者数は52万9,378人。
ココは騒がなくてもいいのか?
すでに飽き飽きだからホカっといていいのか?
分母数に対して割合が少ないからホカっといていいのか?

コロナの死者数は年間30,000人超…
自殺者数、20,000人超…
誤嚥性肺炎による死亡者数は40,000人超…
7,000人、2,000人は、多いのか少ないのか?
所詮、多いか少ないかなどは、見方によって大きく変わる。
ソコで騒いでる人たちには、全くのエンタメでしかない。
どこまでも、業界自体として、
無くすべきは無くすのみ。

 
【外国人技能実習機構における実習先変更個別支援受理件数】
年間、20件~54件で推移。

約1,600件の内、たかだか数十件で支援が済んでいるって、どういうことでしょう。
ひとえに、転籍案件時、
監理団体が必死に探して、手続きしてるってコトの表れだと思います。

人としてプロとしての常識モラルに加え、
手続きしないと商売にならなくなる罰則規定と、
引き受けしないと特典が得られなくなるインセンティブ規定の、
全ての合わせ技の結果だと思われます。
さすが官僚、頭の出来が違うと。

 
ラスト
【送出国政府への通報状況】

日本→送り出し国 137件
①不適切な行為が疑われるとして通報 132件
「送出国の法令に違反」、
「高額な手数料の徴収」
②失踪者の発生が著しいとして通報 5件

送り出し国→日本 18件

わかりますかね。
日本側は制度主催国として、当然アレコレと依頼をするワケですよ、通報として。
だけど、
送り出し国は、やれメンツだの、やれ交渉カードだの、
自国民保護だのなんだの言いながら、
ズブズブ賄賂で、何も動かないのが現実だと思われます。

それでも、この5年の時間の経過によって、
互いに学んで、勝手が、流れができてきたでしょうから、
日本の官僚が、踏まえてどう乗り越えていくのか。
他人事ではないけど、大変興味深いポイントです。
官僚に進化があるのかないのか。
その真価はいかほどのモノとして表面化するのか。

 
あぁ、たくさんたくさん書いてしまった。
最近、長いだけで見ないって安近短族は加速してるし、
でも、こんなん、何日もかけて投稿してられんし。

明日は特定技能を見てみます。

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