「人材育成」にも、2種類あると思う。
一つは最低限のコト。
最初っから大事で難しく、責任の重い仕事は、
新たに入ってくる新人に任せるハズもない。
私たちが相手にしている大半の中小企業では、
ほぼ、まずは、「誰にでもできる業務」からスタートさせる。
ほぼ誰でもできる=単純労働との側面もありますが、
「言われたとおりに、言われたことをこなす」
コレすら、簡単にできる人ばかりではない。
「指示された通りにやる」
「間違えない」
「教わったことを忘れない」
「コンスタントに集中して継続する」
「慣れてこなせるようになるまで、どのくらいかかるか」
こういったいくつかの基本的な人(労働力)としての性能を、
まずは確認する。
その過程を見て、
「こいつは物覚えが早い」
「この業務に適性がある」
「丁寧だが遅い…早いけどテキトー…」
などなど、わかってくる。
一定以上のハードルをクリアし、
総合的に50点以上を与えられたなら、
ソレは戦力として及第点を取れて、
いて欲しい人材(仕事が続く間は必要な人材)となる。
ココのレベルが、この業界の外国人労働者に求められることでしょうか。
そして、多くの中小企業では、
この時点で完了してしまっている。
今は、それ以上が求められているとわかっているハズなのに。
次が、正に「次」のステージを示すコト。
仕事に慣れてくると、
人によっては、現状のままで良いのかどうか…不平不満が生まれる場合があります。
特に「出稼ぎできている外国人労働者」にとっては、
仕事がこなせるようになり、
日本での周りが見えてくるようになると、
「隣の芝生が青く」見えてくる。
誰もがわかるのは、ナニジン問わず、
スタートは一律同じ条件ってこと。
でも、時間も経ち、仕事にも慣れ、
“自分で見て”成長してると感じるほど、
周りや同僚と比べ、自分の方が優れていると感じるほど、
このままで良いのか…って疑問が頭の中にもたげてきます。
ココがムズイし、経営者は、ケアするのが、面倒だと思ってしまう。
求められれば、次のステップを、
一人ひとりに提示していくが、
その指示は、
都度、その場での部分最適と全体最適の観点から、
出来高や、残念な場合は、その場しのぎの指示にしかならない。
出来高で都度、組織バランスを組み立て直すのが、
中小企業での現実。
(良い悪いは抜きで)
当然、バランスが整わないと、
次のステップを提示できず、
オタメゴカシを繰り返し、
それで離職していくなら仕方ないとなる。
結果、
その人材がこなしていた業務を賄う労働力が欠けることとなる。
この繰り返しを続けていて、
何ら進歩もないからこそ、
社会から、労働者を都合よく使い潰している…なんて言われる。
ココを解決できないから、
そもそもの「定着化」は難しいとなる。
でも、ちゃんと労働者の生活や意思を尊重する経営者は違う。
きちんと一人ひとりと寄り添い、
自社内、自社外を含めて、
頻度よく色んな話し合いを設け、
相手の意思を知り、実現の道を共に考える。
自社内での、上への行き方、前への進み方もまた、
事前に整理整頓されている。
要は、伝え方の問題もありますが、
自社内だと、どういう道があり、
自社外だと、どんな道があるコトも、
ちゃんと伝える。
自社内での昇給を望むなら、
公平平等なハードルを設けている仕組みを伝える。
常に、その人材と会社との接点を探し、提示して、
双方にwin-winになる道を勧める。
ソコに労働者が一定以上の許容や満足を見いだせれば、
自然と定着化となる。
平たく言えば、
月給30万の道、月給50万の道が、
アナタの会社にないならば、
対価を求める労働者は、遅かれ早かれ去っていく。
それだけのこと。
月給30万の道を提示し、
ソレを納得するだけの理解が求められるならば、
(十分に説明できるなら)
労働者は月給30万の道を歩む。
やっぱり、やらない、やれないのは、
経営者の資質、器の問題としか思えない。
こう流れや考え方、判断根拠を言語化して、
ポイントを整理整頓して、道を作れる人は、
そう多くはない。
同時に、経営者にも得手不得手などの適性はある。
自分ができずとも、できる人を横に付ければよい。
ご興味ご関心があれば、
以下よりどうぞ。
久しぶりに、この点、触れてみました。
『賃上げ個別サポート』ご相談フォーム
https://gaikokujin.link/blog/?page_id=9430
こういう視点でケアできないから、
定着化なんて夢のまた夢。
ないものねだり。
結果、倒産の憂き目にあうまでの片道切符となるのが、
今、ないしこの先の経営です。
もしくは、労働者を不要とする事業に取り組むべきかと。
定着化への取り組みは、
デキナイ経営者こそが求めてやまない、
採用コストや労務管理費の大きな削減に繋がるのですがけどねえ。
新規顧客獲得と同様に、
新規労働者の採用と育成こそ、コスパが低い部分なんですが。
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