外国人材育成指導者からの悩みと、その返答について。

介護

当方まで届いた相談内容と、そのやり取りを、久しぶりに公開してみます。

当然ながら、一部になるし、
個を特定できないように、加工しています。

届いたご相談は介護になりますが、以下。

 

私は○○ですが、日本の大学や専門学校で介護福祉士養成に関わってまいりました。
また、ご縁があって海外での介護教育に携わっております。

その一つに○○の介護福祉士養成施設がございまして、
今年から、介護の特定技能に参入いたします。

ここは日本語教育と介護の専門教育が可能で、
これから色々な施設に特定技能者の紹介のための広報を展開いたします。

しかし、広報を行うにあたって、
施設側が準備しなければならない費用や教育について
あまり知識がございません。

施設側に「これだけの費用や教育が必要になりますが、将来の介護の担い手としてわが校の特定技能者を受け入れていただけませんか。」というような説明ができない状況です。

特に特定技能は受け入れている施設があまりないため、
情報収集に困っている次第です。

もし、施設側の準備として、
これだけのことが必要であると説明できる情報をお持ちでしたら、
是非、ご指導賜りたく存じます。

 

 

私の返答。

 

ここでご懸念されていらっしゃいます費用や教育とは、
介護施設側が、特定技能者を受け入れる際に、
どれだけの費用がかかり、
どれだけの教育が必要とされているかという点かと思われます。

コレに関しては、まず初めに、
単にどこかの懇意にされていらっしゃる介護施設にて、
様々な業者からの特定技能受入に対してのお見積りを入手できると、
イチバン具体的かつ、参考になるものではないかと考えます。

介護分野における在留資格「特定技能1号」は、
以下に該当する外国人材の方が対象となります。

〇 国内外で実施される
・ 技能試験(➀介護技能評価試験)並びに
・ 日本語試験(➁国際交流基金日本語基礎テスト又は日本語能力試験N4以上及び➂介護日本語評価試験)
に合格すること

が第一ハードルです。
そして、そもそも、
ココまでの費用を出稼ぎ目的の所得の低い外国人材が負担できるのかどうかが、問題です。

 

ナニジンでも施設ごとに、
『どんな人を採用したいのか…』があります。
具体的に言えば、性質的な問題です。
優しい、穏やか、明るい、世話好き、怒りっぽくない、協調性がある、粘り強い、
様々な身体介護に免疫や耐性を身につけられる素養があるかどうか…
他にも、入れ墨してない、太り過ぎではない、健康上などなど。
*この点は○○様のほうがプロフェッショナルなので、端折ります。
*入り口時点でのミスマッチが採用育成計画の成否を大きく左右するものかと。

加えて、そもそもが出稼ぎ目的である場合が多く、
何かのきっかけで、数年後には母国へ帰国する確率は低くありません。
何年従事していただけるかの目算によっても、
初期の導入コスト負担可能額が変わってこようかと思われます。

さて、費用面ですが、
当然ながら、
・基本給、各種手当
(法廷控除額などの施設側負担代)
・職業斡旋する場合の職業紹介費
(募集案内、希望者との面談設定、必要に応じた事前スクリーニング、通訳など)
・特定技能者の母国上のルール順守手続き
(母国海外労働者管轄機関への各種届出や、送り出し機関との提携など)
・様々な特定技能者支援コスト
(事前ガイダンスなどの各種支援計画作成とその実行、法的定期報告、在留資格更新)
・寮の準備(敷金礼金、家具など生活備品一式、自転車等の通勤手段確保負担)
*費用は掛かりませんが、介護の特定技能向け協議会への加入ややり取りなども必要です。

こんな感じの様々な段取り、手続きを先々まで見越した俯瞰的な管理支援が必要となります。

それと、
周りとの相場バランス。
外国人労働者毎に、SNSなどで給与や待遇面での情報交換は頻繁に行われており、
例えば、手取りで13万円以上、つまり、
法廷控除+施設毎の控除額(食費、住居費、光熱費、ネット代、懇親会費などなど)を
差し引いた手取り金額が、一定以上での給与設定をしない限り、
特定技能者は応募したくとも、応募してこない可能性が高まります。

取り急ぎ、ざっと書き記してみましたが、
このような感じで、モデルケース的な費用提示は可能です。
ただし、きちんと書けば書くほど、
コスト面が強調され、「やはりウチでの受入は難しい…」となりがちです。

 

…めっちゃ長くなるので、全部を掲載するのは止めました。苦笑
こんな感じで、やり取りしていることは、ままあります。

特に業種業界を問わず、アルアルなのは、
人財育成学校の問題は、思うように出口を作れないことです。

とまぁ、
今回、敬愛してやまない方からのご紹介だったこと、
私自身、社会問題=我が親のことと懸念している介護業界の件だったこともあり、
お金など度外視で、一本のメールに何時間もかけて、
二度ほどお送りしたのかな。

大変僭越ですが、

熱意のある方。
懸命な方。
ヤル気のある方からの誠意あるご相談
には、

特に真摯に対応しています。
それだけ真剣だからです。

当然ですよね、相手の立場に立って、
ちゃんと考えてご相談をお寄せくださる方であればあるほど、
コチラも礼を尽くさねばと感じるのは。

個別には個別で。
一方通行であれば、一斉配信で。
無料よりは、有料へ。
自然な事です。

お金は、ないなら、ないなりに、やりようはある。
今回のケースは、私がご相談を受ける場合でしたが、
逆の場合は、本当に色々と考えて、調べて、
精一杯の書面を作成して、お送りします。

明るい未来を切り拓いていくには、
誰かとのコラボがイチバンです。
プロがプロとケミストリーを起こせれば、
それだけ確率は高まります。

ただ、こんな感じのケミストリーの起こし方が、わからない人は多い。
ケミストリーを起こしたい人とのつながり方ですら、わからない人は多い。

ホント、やりようはいくらでもある。

下手な考え休むに似たり。
案ずるより産むが易し。

色々やってみて、痛い目をみて、
また学習して、トライすることの繰り返し。

いつの間にか、自分流が出来上がっているハズ。

他力を上手いこと使いましょう!
(そのための自力は最低限、必要ですけどね)

 


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