やっぱり気になるのは、失踪者がいた受入先も、技能実習法的に行政処分されていくのか。

受入企業向け

昨日の続きの前に…

ベトナム送り出しが、失踪者が割合として多いという理由で、
行政処分=新規受入停止措置が出ています。
同時に、この処分が、「送り出し先が悪かったから失踪者が多かった…との印象操作」にも繋がっています。

業界人は、決してそんな安直な問題であるはずもないコトはわかっており、
日本側でも、監理団体や受入先にも、同様な処分が出るようにも感じています。

ただ、当然のことながら、
2018年、2019年での失踪者数が多かったからと、
失踪者を多く出している監理団体、実習実施機関を、
処分公表することは、できてはいません。

なぜならば、実習生保護の観点から、
いきなり、はいそうですかと、行政処分したなら、
50人?100人の失踪者を出したことから、
残り何万人の転籍、転職支援をせねばならなくなるから。

ちなみにコレって、送り出し側でも同じこと。
50人の失踪者を出した送り出しが、
はたして何万人の満足した実習生を送り出してきたのか。

処分って、難しいですね。

さて、残りのチェックを続けます。
(詳しくは昨日を参照)

 
(5) 株式会社柏木(代表取締役 木村 武志) 

認定計画の取り消しは(12件)
平成30年 3月19日~令和 2年 2月 3日認定分まで。

処分理由:労働基準法違反により罰金の刑  

処分根拠:技能実習法第 16 条第1項第3号(同法第 10 条第9号)及び第7号
第 16 条第1項
三 実習実施者が第十条各号のいずれかに該当することとなったとき。
七 出入国又は労働に関する法令に関し不正又は著しく不当な行為をしたとき。

第 10 条
九 第八条第一項の認定の申請の日前五年以内に出入国又は労働に関する法令に関し不正又は著しく不当な行為をした者

プラスチック部品の製造…射出成型ですね。
安衛法違反ではなく、労基法違反。
ググってみると、

・従業員5人に労使協定で定めた上限(月100時間)を2時間~44時間30分超える時間外労働をさせた
・時間外の賃金の一部を賞与に含めた
・労基の調査時に帳尻を合わせたタイムカードと賃金台帳を提出した

あ~、アリがちな問題。
つい、越えてしまった…管理の甘い中小では、時にこういう事態もあります。
ですが、労基もバカじゃないし、情け?もある。
こうやって処分された先は、おそらく、労基による改善指導などに、
改善できなかった、しなかったからこそ、処分されているのでしょう。
もしくは、再三にわたり、頻繁…いや常態化していたとか。
はたまた、メンドイ従業員もいて、何度もリークされていたとか。
どのみち、実習生を受け入れた時点で、監理団体の指導&行政への報告も、
当然のごとく、させられてしまうので…
そういう意味では、技能実習生受入先で処分されていない先こそ、優良企業なのかとさえ…苦笑

 
(6) 株式会社加藤工業所(代表取締役 加藤 栄) 

認定計画の取り消しは(6件)
平成30年 3月23日~9月10日認定分まで。

処分理由:労働安全衛生法違反により罰金の刑  

処分根拠:技能実習法第 16 条第1項第3号(同法第 10 条第9号)及び第7号
第 16 条第1項
三 実習実施者が第十条各号のいずれかに該当することとなったとき。
七 出入国又は労働に関する法令に関し不正又は著しく不当な行為をしたとき。

第 10 条
九 第八条第一項の認定の申請の日前五年以内に出入国又は労働に関する法令に関し不正又は著しく不当な行為をした者

再生アルミニウムの精錬、アルミニウム合金地金の製造など。
「コンベヤーについて労働者の身体の一部が巻き込まれるおそれがあるのに、非常停止装置を備えていなかったもの」
キツイ巻き込み事故ですね。
起きてからでは遅い…でも起きる前の事前予防策は打たない。
安衛法対策の得意な社労士を探して、自ら率先して間接経費をかけてまで、
予防策を打とうという企業は、多くはない。
こんだけアチコチで処分されていたとしても…
士業の先生方は、事故や事件が起きる前に、うまく活用するのが本筋。

 
(7) 株式会社Kisumi(代表取締役 魚﨑 純) 

認定計画の取り消しは(6件)
平成30年 7月20日~8月24日認定分まで。

処分理由:認定計画に従って賃金を支払っていなかった  

処分根拠:技能実習法第 16 条第1項第1号
第 16 条第1項
一 実習実施者が認定計画に従って技能実習を行わせていないと認めるとき。

メンズ・レディスアパレル製品製造…縫製…
代表名でググると、もう一つの社名も…
ホント、マトモに取り組んでる縫製会社が十把一からげに見られてしまうので、
こういう賃金詐欺をするヤカラは、牢屋へ入れて欲しいです。

 
(8) 株式会社銀嶺食品(代表取締役 岡﨑 慎二) 

認定計画の取り消しは(4件)
平成30年 6月19日認定分。

処分理由:労働安全衛生法違反により罰金の刑  

処分根拠:技能実習法第 16 条第1項第3号(同法第 10 条第9号)
第 16 条第1項
三 実習実施者が第十条各号のいずれかに該当することとなったとき。

第 10 条
九 第八条第一項の認定の申請の日前五年以内に出入国又は労働に関する法令に関し不正又は著しく不当な行為をした者

パン・菓子類の開発、製造及び販売会社。
「ガスオーブンが爆発し労働者1人が死亡した労働災害」
労災が起きる1年半近く前からオーブンの安全装置が故障していたことを認識していたにもかかわらず、修理など必要な措置を講じていなかった。
…ナニジンであっても、仕事中に事故で人が亡くなるのは、
やっぱり、働かせている側が責任を負って、社会的に処分されるのは否めない。

 
(9) 株式会社コウエイ(代表取締役 川村 光一) 

認定計画の取り消しは(2件)
令和 元年 7月 1日認定分。

処分理由:労働安全衛生法違反により罰金の刑  

処分根拠:技能実習法第 16 条第1項第7号
第 16 条第1項
七 出入国又は労働に関する法令に関し不正又は著しく不当な行為をしたとき。

建設。
移動式クレーンのアウトリガーを最大限に張り出さなかったもの。
建設もまた、事故が多い。
賃金面を増やし、パワハラなどに気を付けていても、
事故を起こしては、元も子もない。

 
(10) 株式会社コクサク(代表取締役 早坂 有生) 

認定計画の取り消しは(8件)
平成30年 4月23日~平成31年 3月28日認定分まで。

処分理由:認定計画に従って技能実習を行わせていなかった  

処分根拠:技能実習法第 16 条第1項第1号
第 16 条第1項
一 実習実施者が認定計画に従って技能実習を行わせていないと認めるとき。

造園、土木…
おっと久々に出ました具体的な原因をハッキリ明記しないヤツ。
この場合だと、職種不適合かなあ。
計画認定されていない作業ばかり、従事させていて、
計画認定された作業へと切り替えての従事ができなかったのかなあ。
どうなんでしょ。

うあ…やっぱり長くなる。
続きはまた明日

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