技能実習の監理団体は3割しかマトモに事業運営ができていない?!

お金

ちょっとマスコミ風にあおったタイトルにしてみました。笑

先週の有識者会議の資料をチェックしていくと、
色々と想定できる内容があって、大変興味深いですね。

特に面白くアレコレ考えてしまうのは、参考資料5になります。

全体はココ↓
https://www.moj.go.jp/isa/policies/policies/03_00074.html

参考資料5はココ↓
https://www.moj.go.jp/isa/content/001403605.pdf

今回は、
さらにその中の5ページ目。

Q9 貴団体が受け入れている技能実習生の人数(2023年8月1日現在)をお教えください。

について、深掘りと言うか、自分勝手にアレコレと想像したことを書いてみます。

 
●ろくに回ってない先が2割…
10人以下の団体が約200、約2割もあるのにビックリ…単純計算すると、700弱あることになる。
(アンケート回答数、回答割合から単純に分母に対して逆算してみた場合のことね)

コレはタイムラグ的に許可を受けた直後や、
未だ実際の受入まで流れが進んでいない新設団体程度しかイメージがわきませんが、
年に200強の新設先がある中でも、
そう予定通りに実際の受入は進まないって意味ですかね。

※休業中の監理団体もあるけど、そこはアンケートに答えてすらいないだろうし、数えたことないけど数十程度はあったことは記憶しています。

つまり、「読みの甘い経営者」が率いる団体では事業成立もままならない先が一定数はあるってコトです。
一定レベル以下が参入してくると、どんな業界も同じ、痛い目を見るってコトですね。

 
●十分に回っているだろう先は3割…
先の2割とは真逆に、150人以上受入斡旋している先も、同様に2割あります。
そして、
乱暴に言えば、100人以上(アンケート設問上では90人以上で計算)が一定の適正監理が保てるバランスとしての損益分岐点とするならば、
352団体、約3割しか事業の成立ができていない。

その中でも、儲かる事業とひたすら人数を増やし続ける団体も未だにあるでしょうから、
事業成立の3割の中でも、
いったいどれだけ「適正に取り組めている先」があるのかどうか。

そして、残りの5割は、どちらへ進んでいく途中なのか…。

 
●最高値2,661と平均値116について
上記のように勝手に区分けしてみると、2:5:3のバランスとなりますが、
当然、極値と平均値の比較もしてみるとわかることもあります。

平均値116、最大値2,661…。

2,661人の先が、1,151(Q6の最大値)の実習実施者を抱えているとなると、
この監理団体が優良先であったと仮定して、
ひと月に一人が4社、専任で訪問しているなら、
288人の現場職員が必要。
裏方の事務職員や中間管理職、経営陣まで入れると、約400程度でしょうか。
でも職員数の最大値もまた318人(Q14、常勤職員数より)なので、
これらを基に計算してみると…
監理費3万として、月々約8千万。
単純割で一人25万…固定費やら何やらもあるから一概に言えないけど、
一人月々20万程度はもらえている?決して良いお給料とは言えませんね。
中身を知らず、テキトーに試算してみただけなので、良し悪しは各自でご判断ください。
※もし上記の通りの最大値先が全て同じだった場合は、1社あたり2.3人の受入割合となります。
効率で言うとめっちゃ悪いパターンです。

 
一方、平均値でも見てみましょうか。
前述同様に試算してみると、
平均値116人受入斡旋、平均受入先数28社(同じくQ6から)。
現場職員は7名…全体で10名程度?
月々の監理費は約350万、一人頭35万もらえてれば嬉しいけど、固定費やらなんやらかかるから…。
う~ん、やっぱり少なくとも建設特技の外国人よりはもらえていない結果となりますね。涙

平均でこれだと、当然、平均以下は、推して知るべし現状なのではと。
よって3割は何とか回っているとも言えそうですが、
それ以外の7割は、回っていくかどうかの分かれ目をさまよい中って感じでしょうか。

なお、軌道に乗せるには経営者がどれだけ早く受入先と受入人数を確保できるかどうかだし、
確保できても現場で適正に回せる人材を育て上げられるかどうかだし、
そこに至るまでの持ち出しは、技能実習事業内では、回収できない事になっているから、
結果、少しずつ現実がわかっていくにつれ(最初に学ばないからだけの事なんだけど)、
儲からん!と退場していく方々も少なくないんですよね。
(アナタの能力が足りなくて儲けられないだけですよ)
(そもそもこの事業分野で儲けてると悪質ブローカーとしか見られないですよ…特に足元の職員からね)

どの業界も同じでしょうけど、そんなに甘い業界じゃない。

敬愛してやまない大先輩たちは、
・事業規模の小さい先や、体力のない先は潰してしまうべきなんだけどな…
・異業種広域で手広く金儲けしてる連中もろくな先がないから、同様に潰すべきなんだけどな…
なんて、一概には言えない乱暴な意見と承知していつつも、
つい、ボヤいてしまう始末。

「情けない残念な先」ってレッテルを張られないよう、努めていきたいものです。

 
追伸、
水面下に隠れようと、リスクヘッジも兼ねて組合を2つも3つも4つも持って回している方もいます。
なので、上記数字はあくまでも表の公表されている数字であって、
コソコソがお好きな方もいらっしゃるってことです。
何事も同じように、現実は、小説より奇なり…な場合もあるようですね。
チェックしててオモロイ点が連発してあるので、明日もいくつか抜粋で書いてみます。
 
追々伸、
先日、ウチはまだまだ体制ができてなくて…とご苦労されてる代表の方とお話していました。
そちらは100人以上を抱えている先です。
特定技能もそれなりの数を。
それでも、上手く回っていないとおっしゃってました。
職員のお給料までは聞きませんでしたが、
それよりなにより、職員教育、指導がなかなか上手くできないという本音ですね。
要は、監理団体こそ自団体内の職員育成を成せない先は、
事業そのものの継続ができなくなっていくのは、
今も昔もこの先も、どんな職種や分野でも変わらない。

結局は人材育成…コレがますます顕著に浮き彫りになっていく。
大企業だからできるんだよ…とか綺麗事と言い訳していた段階から、
実利にまで影響してきている段階へと、ジワジワ喫水線は上がり続けています。

金をどこからか工面できる人は多くない。
でも、人を育て上げていける人は、実はもっと少ないんじゃないかと感じてしまう今日この頃。
特に安近短が加速し続けてきた昨今においては、
目に見えない大事な部分と向き合って苦労してきた人は多くないんだろうなと。

 
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自分で言うのもなんですが、業界人は登録しとくと良いと思います。
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