技能実習生や特定技能者の転籍、転職が困難な現実を事前に知っておこう

仲間

想定内ではありますが、
最近、当方にまで色んなお話が続々と届きます。

受入先がコロナ解雇を決断した。
事前の連絡があるならまだしも、予告なく倒産した。
(倒産は確かに予告があるハズもなく…汗)

背に腹を変えられない経営者の苦悩も分かりますが、
社会は結果が全てだと言われているならば、
自業自得です。

そして、もう一つ自業自得なのは、
受益者責任を全うして当たり前の、
監理団体や登録支援機関の方々。

グダグダ言っても現実は変わらないので、
機構や入管へ報告し、転籍、転職希望先を探している旨、お願いして、
実際に、
入管から、特技対象分野の各協議会や登録支援機関へ、
また機構から監理団体へと、
求職案件を流してもらいます。

ただし、
行政はどこまでも機械的です。

リストへ一斉配信したら、
どこかが手を挙げてくれる等保証はどこにもありません。

一斉配信自体も、すぐにでも…とはならないでしょう。

いつまでたっても引受先が決まらないと、
困るのは他でもない、解雇された実習生や特技者本人と、
業者です。

特に業者は、報告の義務があると同時に、
報告した以上、最終結果もまた、報告せねばなりません。

つまり、次の引受先を見つけるまでか、
失踪なのか帰国なのか、終わりまで責任を負い、逃れられないってこと。

ということで、必死の自助努力が必要にもなってきます。
でないと、労力とコストを垂れ流しになってしまいます。
なにより外国人労働者のことを考えれば、
一日でも早くってなりますよね。

しかし…

建設で毎日、鉄筋を締める仕事をしていた技能実習生が、
仕事がないからと、介護の施設で働けると思いますか?

宿泊や外食で頑張っていた特技の女の子が、
毎日、汗水たらして畑へ出て重労働の農家さんへ、
行けると思いますか?

こんなコロナ禍以前の問題で、

そもそも引き受け先だって、
人手は欲しいかもしれませんが、
誰でもいいワケじゃない。

自分も助かるし、相手も喜んでくれるならと、
良かれと引き受けた外国人労働者が、
三日も持たずにやっぱり無理です…なんて言われたら、
ソコへ至った労力やコストは無に帰すことになります。

いや、辞めたいと言ってくれるならまだしも、
タチの悪い外国人労働者だったならば、
クビとはいえず、どうにもならなくなります。

野菜を盗み、寝坊をし、仕事も覚えない。
すぐに頭が痛い、体が痛い、精神的に不安定…

そんな外国人労働者の受け入れは、
誰だってゴメンです。

ナニジン問わず、在留資格も問わず、
受け入れる側にすれば、どんな人かを事前確認するのは当たり前です。

外国人労働者側だって同じですよね。

他に職がないとはいえ、完全にお門違いの業界へ、
とてもじゃないが、転職してやっていける自信がない場合もあるし、
賃金にせよ、住まいにせよ、
なによりも経営者や上司、同僚との人間関係なども気になります。

今まで居た先と、どうしても相対比較してしまうことでしょう。

マッチングって、そう簡単なモノじゃないんです。

入管もソレがわかってか、わからいでか、
技能実習の趣旨という根底を覆すレベルで、
特技対象分野へならば、
その意向が本人にあるのであれば、
実習対象職種の垣根を越えて、
転籍どころか、転職までOKにしています。
最初から。

ビフォアコロナなら考えられません。

全部が全部、次の引受先との円満な関係が成立しないとは限りませんが、
成立する保証はどこにもないので、
そのケースごとに、自助努力で探さねばならないってことです。

こんなコロナ禍であっても、
人手が欲しくて仕方ないところはあります。

そういうところは、
ある意味、強気で、外国人労働者を選べる側として、
より無難な良い子(その企業にとって)を選別します。

コレも当然のことです。
まぁ、一斉によーいドンではないので、
早い者勝ちなど、タイミングってこともあると思いますけど。

いずれにせよ、
業者側でないとできない行為であり、
彼らにしたら、してくれる人はいないってことです。
(あぁ、悪質ブローカーはたくさん暗躍しているでしょうけど。)

気にしているのは、
特に工場などの製造業系の解雇者である場合、
産業別最賃対象だったりすると、
必然的に、ソコソコの賃金設定だったりもします。

東京で解雇された技能実習生は、
およそ地方への転職は難しい。

つまり、「下」から「上」へ転職して行けるならばまだしも、
「上」から「下」へは、ほぼ動けないってことです。

あ、あと、送り出し国側の問題もありますね。
ベトナムなどは、意外とビジネスライクにスイッチしてきたりしますけど、
フィリピンの場合は、送り出し変更など相当なハードルを乗り越えねば…
現実的にはほぼ不可能です。
POLOがまた許してくれるのかどうかもあります。

そんなこんなで、
色んなハードルがあります。

一瞬で、アレもコレもと広い俯瞰的な視点から、
様々多面的に問題点を洗い出し、確認でき、
踏まえて乗り越えられるだけの手続きを進めていけるかどうか。

申請取次ぎしかやってない士業の先生、
法の説明しかしていない方、
現場の現実をご存じない方は、
簡単に転職できるようになって良かったねー位のことを言いかねませんが、
こういう現実が様々横たわっており、
事件は現場で起きているので、
現場を無視して、法ばかり語っていても、
実際にはあんまし意味はないんですね。

こんな「絶望」に向き合い、利益のことなどほぼ考えず、
外国人救済マッチングサイトについて、
色々と作成できないものかって、話し合っているのが、
チームMの皆さんです。
*私がお手伝い協業を募集したところ、集まってくださった方々のことです。

コチラも色々考えていますので、
上手いこと皆さんと繋がっていけたらいいなぁと思います。

力不足で、コレって解決策は提示できていませんが、
上手に繋がるやり方を模索し続けています。
もしかしたら、今後、色々世に出していくのかもしれませんけど。

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