【外国人技能実習制度】養殖業界の問題改善の現実

問題解決

コレじゃやっていけない…

ある方から、以前、お問い合わせをいただいていました。


漁業養殖関係の実習生の入国が大幅に遅れている、
大日本水産会からの承認が得られないために、
外国人技能実習機構の承認がおりない…

〇月下旬に外国人技能実習機構の審査はほぼ通ってると言われたのに、
労働協約書(写)が提出できないために、
現在もまだ放置された状態が続いています
 
私たちも来るはずの実習生が来なくて大変ですが、
来日できずに待っている実習生も本当に困っているようなんで、
同じ例がないかどうか聞いてみました


理由なく、2か月も放置されたので
次々と関係機関に電話したのですが、
最後、○○という機関の担当者に
「現在調整中、承認はいつになるか全く見通しが立ってない」
と言われました

養殖関係で失踪が多いので、
その対策のために新規の実習生を入国させるのをストップして、
対策を協議しているということなんですが


〇〇養殖の実習生の入国はしばらくストップする
という話があったそうです
また、養殖の実習生の家賃を取ってはいけない
(つまり無料にしろ)という話も出ていたそうです


(私からの返答)
『機構の審査が終了しているのに入国できない。
大日本水産会が技能実施制度の枠組みの中で、
養殖職種の実習生受け入れを快く思っていない活動をしているからではないですか(予想)』

まともに真摯に取り組んでいる先があろうが、
十把ひとからげで見てくる法であったり、
水産会の判断なのでしょうか。
業界全体で健全化に励むしかないのかもしれません。
水産会がOKを出させるくらいまで。
なんだか、解決策的な返答ができず申し訳ありません。

…最近、動きがあったようです。
良いか悪いか、どこまでどうなのかはともかく。


あれ以来、実習生はまだ入国しておりません
機構に申請もできないようです
全て全日本海員組合(船乗りの労働組合)が仕組んでいるようです
周りの事業所ももう困り果てています


(私の返答)
まったくもって、くたびれてしまいますね。
結局のところ、誰も助けてくれない、
助けられないのが現実だとすれば、なんかこうやるせないですね。
地元で協力しあえる仲間たちで、
数で陳情に上がるというくらいしか、やりようもありません


🔴土日祝祭日など休み(もし実習したら休日手当)
🔴勤務開始時間や終了時間、休憩時間まで全て指定
🔴休憩時間を賃金から控除禁止
🔴深夜手当を〇〇%にする
🔴給料日を〇日と勝手に指定
🔴時給制をやめて月給制〇〇〇,〇〇〇円
 ちなみに〇〇〇の最低賃金〇〇〇円
 (勤務時間で割返すと〇〇〇円)
 割増の時の時給換算は〇〇〇円にしろと
🔴使わないで残った有給休暇を正規の賃金で買い取るよう指定

これを全てやらないと、実習生の申請をさせないと言ってきています

正直、漁業での休日をこれだけ指定されるとかなりきついです
繁忙期は全て休日出勤になりかねません
しかも休日の日の深夜割増は〇〇〇円×1.○○で時給〇〇〇〇円です

去年と同じ稼働ペースだと○○万円増になります
実習生が多いところは青ざめています

地元というより、全国の養殖業の実習生全部対象です

ちなみに、実習生とほかの従業員の賃金の差は今でもかなりついています(実習生が高い)

家賃は無料ではなく天引き禁止のようです

労働基準監督署、法律相談所、機構にまで電話しましたが、
どうにもならないと言われました


今はまだ管理団体と協約書の段階ですが、
管理団体から色々言っても、

嫌なら実習生を受け入れを辞めてください
協約書に印押しませんから

らしいです


養殖業に関わる全ての管理団体にそういう話が行くようです
協約書を管理団体と全日本水産会が結んで、
全ての養殖の実習生にそういう条件で契約を結ばせるようです


養殖業は全日本海員組合との協約書を持って
大日本水産会の許可をもらい、
それがないと機構の申請が通らないシステムのようなんです

どう思われますか。

おそらく、よその庭のことだから、
関係ないし、縫製と同じく、どうせひどい受入してばかりいたんだから、
自業自得でしょ…

そんなキビシイ感想がほとんどかなと。

私の返答ですが、
ここに記します。

細かい部分は、色々ツッコミたくなる点がいくつかありますが、

許容せざるを得ない…

コレが今の答えだと思います。

国を変え、監理団体を変え、
法の重箱の隅をつついてみても、
時代の流れは変わりません。

この方へは、大変厳しい見解かと思われますが、
単純に、売上を、利幅を、大きくするしか道はありません。
それか、できるかどうかはわかりませんが。

または、人件費に頼らないよう、機械化する。
(今では、かつてでは考えられない機能が実現可能な場合もあります)

人件関連費は、上がり続けます。
最賃だって、上がり続けます。

労働者依存産業は、すべからく同じです。

養殖とのことでしたが、
であれば、周りの仲間とも談合してでも、
コレを飲まざるをえないならば、
地域あげて、コレだけの額面でなくては、
もう漁協などへ卸せない。

売れない。
廃業も視野に入れている。

その覚悟で、取り組まねばならない時期だということでしょう。

イヤならば、他をあたれと。

他でもっと安く良質な海産物が量を確保できるならば、
そこをあたれと。

結果、私たちが享受できている回転ずしチェーン店も、
100円寿司など食べられなくなる時代の到来です。

時代の流れに逆らっても、苦しさはもっと増すばかり。
遅かれ早かれの問題です。

この方にしてみれば、
喉元に刃物を突き付けられている状態でしょう。

出来るできないの問題ではなく、
やるかやらないかの問題です。

同情とかそういうレベルの問題ではなくなっています。

そして、これは、養殖のみならず、
どの業界でも、今まさに起こっていることでもあります。
現在進行形です。

変化に適応できなければ、
淘汰されてしまうのみです。

経営者は守られていません。
法は、労働者は手厚く保護しても、
経営者は保護されてはいません。
(自己破産などは別)

誰も助けてくれません。
自分自身で決断する以外、道はありません。

大変な時代です。

アナタの会社は大丈夫ですか?

こうなってからでなくては、
結果、何も行動に移せないことがほとんどだと思われますが。

追伸、
実習生のほうが、日本人よりも賃金が良いのであれば、
働き方改革上も、日本人の賃金も上げねばなりません。
同一労働同一賃金に違反してしまいます。
正に泣きっ面に蜂です。

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コメント

  1. 西の監理団体職員 より:

    マガキ養殖についてですが、協約書は確かにメンドクサイと思います。

    でも、普通にやれば手間かかりますが、ちゃんと予定を把握して申請を確実に行えば特に問題ありません。

    土日祝祭日など休み(もし実習したら休日手当)→ 当たり前、実習生って言ってるじゃん
    勤務開始時間や終了時間、休憩時間まで全て指定→ だって牡蠣の会社の就業条件ムチャクチャだから
    休憩時間を賃金から控除禁止→ そもそも休憩時間無視して仕事させてるし
    深夜手当を〇〇%にする→ なんで牡蠣養殖で夜勤があるの?させてるの?
    給料日を〇日と勝手に指定→ だって手渡しで、ちゃんと決めた日に渡さないじゃん
    時給制をやめて月給制〇〇〇,〇〇〇円→ 夏場なんて手取り3万とか4万ですよ 
    ちなみに〇〇〇の最低賃金〇〇〇円→ いまだに裏で出来高で賃金計算渡してるし
    (勤務時間で割返すと〇〇〇円)
    割増の時の時給換算は〇〇〇円にしろと→ だってそもそも25%の割り増ししてないじゃん
    使わないで残った有給休暇を正規の賃金で買い取るよう指定→ 普段でも有給なんかって言って使わせないし

    今はまだ管理団体と協約書の段階ですが、
    管理団体から色々言っても、嫌なら実習生を受け入れを辞めてください
    協約書に印押しませんかららしいです

    確かに牡蠣養殖の監理団体は言ってますよ、だって自分たちが言われたこともしないで、ムチャクチャして、文句ばかりでまともに書類も作らない、申請もしない。でも事業主には嘘ばっかりついて、挙句に制度が悪いって叫んでる

    牡蠣養殖の協同組合でまともの方が少ないですよ、だって牡蠣養殖している協同組合ってほとんど理事長って牡蠣の会社の社長じゃん、そりゃ、まともに書類も作らない、労基法も守らない

    誰が悪いって、今まで、今でも、本当にムチャクチャしてるからどうしようもなくこういう形にしてるんでしょ。ほとんどの事業所で失踪してるのって、普通におかしいと思わない?

  2. 管理人 より:

    そうなんですよねー
    残念ながらそういう印象が強い業界です。
    農業、建設、縫製などと同様に。

    ですが、
    こちらのご相談を頂いた先では、
    周りのレベルに迎合せずに、
    コンプラ意識高く真摯に取り組んできていたからこそ、
    この一律的な十把一絡げの強制対応に、
    どうしようもない先と同じ目で見られる分、
    どうにも治らない腹立たしさを感じてならないと。

    この方のお気持ちは察するに余りあるものですが、
    法などは個別優遇はできず、
    一律的な縛りを生むことは、
    この業界を問わず、あるあるな現実です。

    結果として、致し方ない現実を受け入れ、
    踏まえて乗り越えることが求められる時代だと。

  3. 西の監理団体職員 より:

    ※唯一無二の解決策は、監理団体をまともなところに返ることですね!

    それだけで、すべて変わります。正直、今、起こっている問題がほぼ解決します。

    ただ、それでも監理団体を変えず、理由はいろいろでしょうが、あーだこーだいうのであれば、結局、コンプライアンス意識どうこう言う前に、経営者というか、問題解決能力というか、判断能力に問題があるのではないでしょうかね。

  4. 管理人 より:

    地方では都会と違って、残念ながら選べる監理団体はないようです。
    同時に、自前で取り組むだけの余力もない。
    周りには一緒に切り開くだけの善良かつ力のある仲間もいない。
    厳しい言い方をすれば、前々からコレらの予防に注力してこなかったことが、今、手遅れになっているのかもしれませんが、
    どれだけマトモに取り組んでいても、
    結果、全国一律なハードルを強制される。
    地方での生き残りは、なかなかに難しいところだと思います。

    視点をもっと俯瞰的にあげれば、
    他の先進国では時給1,500円や2,000円を超えている現実もある今、
    このペースでは、日本ローカルにも外国人すら
    働きにきてくれなくなるのかもしれません。

    他の批判は誰にでも簡単にできます。
    それぞれの現実を踏まえて、
    どうすれば乗り越えられるのかが大事であり、
    どれだけ今の変革の過渡期の波を乗りこなすか。

    アグラをかいていれば、
    近い将来、我が身に起きかねないコトと
    臨場感もって置き換えられるか。
    間に合う、間に合わせるために、
    今、何をすべきかが問われているかと思います。

    どう思いますか?

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