フィリピンはやっぱりムズイらしい…今回は特定技能でのお話。

当事者意識

ある敬愛する大先輩から相談が届く。
おそらくこの方は、ご自身でも答えなどお分かりなのに、念のため確認を…というレベルで動いていらっしゃる方。
私なんぞの片足突っ込んでるだけの人間にも確認にて、さも教えてください的な低姿勢でご相談くださる。


MWOでの手続きをせず転職し働いていた特定技能フィリピン人が○月に一時帰国したいとのこと。

①この場合、事前に手続きをすれば一時帰国として戻ってくることが可能か。
もしくは現地での手続きが必要か。

②日本側で手続き出来る場合は登録支援機関が仲介可能か。
所属機関しか関われないか。

③第三者への手続き委託が可能か。

なぜ一時帰国ができるかどうかの問題を気にせねばならないのか?

業界人の中には、自前でフィリピン受入をしているにもかかわらず、
もしくはフィリピン受入を斡旋紹介しているにもかかわらず、
このご相談の意味さえ分からない方がいる。

そういう方はいったん横に置いておいて、
問題は、この○月までに手続きが終わるかどうかって部分。

私の周りでフィリピンやってる方なら、当たり前の常識としてお分かりのように、
間に合うはずがない。
(ごめんなさいね、一応、多少なりとも出元をボカすため、具体的な月は伏せといてます)

8月現時点でこのことを言ってることがおかしい。

MWOに手続きを通す以前に、

・この受入先はどの送り出し機関(エージェンシー)と提携するつもりか。
そもそも提携する意味を分かっていないからこうなっているワケで、そこから説明と理解と許容のステップを踏まねばならない…ここに最低でも1カ月はかかるでしょう。
送り出し先選定からだとしたら2カ月はかかる。

・提携する意味を理解し、提携する送り出しを決め、実際に提携書面を準備して、MWOまで公証人役場での手続きを踏んだのちに、提出するまでに早くて一カ月。

・MWOは個別の案件を加味して対応はしない。ましてフィリピンスタイルなので、手続きは1,2カ月でリアクションがあれば良い方。(そういえばレスポンスを早くするとかいってたけど、早くなったのかな?)

・レスポンスがあっても、やれ今の雇用条件では安いから給与額面を見直してくれとか、家賃控除額がこれでは高すぎるからもっと下げてくれとか、昇給条件(賃金規定)を提出してくれとか、色んな難癖は個別に出してくるのがフィリピン。
このやり取りだけで、おそらくまた1カ月から2カ月。

・それでOKが出ても、インタビューの日程を決め、このフィリピン出稼ぎ労働業界の専門用語がわかる通訳をつけて面談に東京か大阪まで出向かねばならないステップがある。この予定を決めるに遅いと一カ月。

・インタビューが終わってからさらに1カ月かからない程度で、やっとMWOの認定書面が受入先へ届く。それを本国の提携した送り出し機関へ送って、DMWへの登録などの手続き=登録完了にまで早くて1カ月。

※まして年末に近づくにつれ動きが鈍り止まるのがフィリピン…。

・・・

これらの過程というかステップが瞬時に頭をよぎり、無理!って答えが出るのがフツーの業界人。

やってる人には当たり前。
やってない人には、よくわからん…苦笑

要は、特定技能フィリピン人の受入をしたい先は、

企業単独受入×送り出し機関ナシパターンは成立しないってコト。
第三者に委託することなどできないってコト。
(フィリピンでは登録支援機関は好ましくないブローカーという認識です)

フィリピンを取り扱う職業紹介事業者や登録支援機関は、
提携する送り出し機関のパートナーがいない限り、
全体的に機能はしないってコト。

これらを理解しておかねば、そもそも事業なんてできるワケがない。

同も特定技能では、送り出し機関を軽視している感が強い。
フィリピンのように、登録支援機関の方がブローカーと見られていることにも気づきもしない。

 
先日、触れたように、国によって送り出し機関の介在を強制する国としない国がある。
それでも、このフィリピンとまではいわずとも、
日本国内で何かあった際、送り出し本国にいるご家族との連絡はどうつけるのか。

もっとわかりやすい事例で言えば、
特定技能外国人が不慮の事故で亡くなった時、どうするのか。
(大使館に相談するしかないけど、その間の労力やコストは出口が見えない)

非業界人は、言い出したらキリがないから、万が一のifケースなど気にしていられないと突き進む。
結果、手痛い失敗や損害被害を出して初めて、その意味が分かる。
いや、なんて国だとクダまいて二度とフィリピンとはヤラナイとお尻をまくる方も少なくないかもしれない。
(どちらが悪いのかすらわかってない方々の事ね)

結果、悲しい残念な外国人が量産される結末が増えてしまう。

もうね、事前に必要十分に学べない人は、業界へ首を突っ込んでこないで欲しいとさえ思う。

でもそれもまた、既得権益、参入障壁などと見られるし、
何よりそんな権限は下々の現場の方々にあるはずもない。

 
あー、久々にグジグジ吐き出してみた。

願わくば、金儲けじゃなく、くだらないメンツじゃなく、
関係当事者全てのwin4allをトッププライオリティにおける業界人ばかりになっていくと良いのにと、
改めて思った次第。

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自分で言うのもなんですが、オモロイことやってるので、業界人は登録しとくと良いと思います。
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