先日、久しぶりにこの視点でつぶやいてみたら、
真正面からコメントを頂戴しましたので、
たまには、私の考えを丁寧にお応えさせていただこうと思いました。
丁寧に…=どうやっても長くなります。
キチンとご確認、ご理解願えたら嬉しいけど…願望で終わらぬよう頑張ってみます。汗
特に、毎年毎年、「技能実習制度は奴隷制度だから廃止せよ!」と、
シュプレヒコールを声高に上げる、
特にまだ若い情弱(失礼)な方々に、ご参考になればと。
こんなコメントを頂戴したので、
コレを一つの視点としてもお応えしてみます。
まずは、話の流れを…(詳しくは↑のリンク先をご覧ください)
(私)
久しぶりに…
労働者として転職を認められて働きたいならば特定技能で。
カワイソウだから…で通るのは、本当に間違っていると常々思う。
車は凶器ではない、運転する人の過失か狂気なだけ。
事故の被害者家族でも、国は車を廃止せよと叫ぶ人は、世界各国でも見たことがない。
https://nordot.app/880054788567351296?c=840433919169265664
↓
(Bさん)
車は制度ではないので、技能実習廃止と比較して世界でも例がないとするのは適切ではないかと思います。例えるなら技能実習に問題があるので外国人労働者は全面廃止とするのならおかしいですが、特定の制度で繰り返し問題が起きているので制度廃止だと叫ぶのは間違ってはいないかと思います。
技能実習の問題が制度にあるのか別に要因があるのかを検証しなければ、制度を変えても問題解決はできないでしょうが、制度廃止を訴える方の「制度目的と実体の乖離」「来日前の多額の借金」「転職の権利の制限」について真正面から回答しなければ廃止の主張を止めることはできないかと思います。
↓
(私)
こういう方がいらっしゃって、水掛け論になるから、こういう投稿は控えてたんです😅
個人的には、もっと抽象度の高い視座で考えてるつもりで、ソコでの重箱の隅はナンセンスだと思ってます。
なので、この議論にはこれ以上お付き合いできかねますので、何卒、ご容赦くださいませ🙇🙇🙇
↓
(Bさん)
折角技能実習についてTwitterで意見発信をされたので、なぜ水掛け論でナンセンスだと考えるのか高い視座でお答えいただければ様々な立場の方にも議論のきっかけになるかと思いましたが、お答えいただけないとのことでちょっと残念です。
…てお話について。
「建設的な議論」にはならず、
「水掛け論」になるのは承知のうえで、
お応えしてみます。
・「車は制度ではないので、技能実習廃止と比較して世界でも例がないとするのは適切ではない」
→ココで伝えたい「車」とは道交法のコトを示しています。
もうこの時点で、重箱の隅になり、議論にならないと思ってしまうんです😢
伝えたいのはソコじゃない…
今度は制度と法は違うとか指摘されるのかな…。
ルールはルール、法律自体が異なる種類なのは承知していて、
一般的に親しみのあるわかりやすい比較対象として引き合いに出しているだけで、
ココでは、種類の違いを伝えたいワケではなく、
そもそもがルールってさ…ってお伝えしたかったことを、何とかご理解願えると大変ありがたいです。
・「例えるなら技能実習に問題があるので外国人労働者は全面廃止とするのならおかしいですが、特定の制度で繰り返し問題が起きているので制度廃止だと叫ぶのは間違ってはいないかと思います」
→技能実習制度で繰り返し問題が起きているのは、おっしゃる通りです。
そしてそれは、技人国でもEPAでも留学生でも、どんな在留資格でも、問題は繰り返し起こっています。
また、別に技能実習や外国人に限らずとも、
日本人にも人権侵害、賃金不払い、虚偽、労働関連法違反などなど、
たくさん起こっています。
「繰り返し問題が起こっている特定の制度は廃止すべき」であれば、
世の中のルールのほとんどは、廃止すべきなのでしょう。
例えば、安衛法違反なんて問題は繰り返し繰り返し起こっている問題です。
その数も、技能実習の違反とは比較にすらならないほどです。
廃止すべきなのでしょうか?
私が言うとバイアスがかかっているように感じるのでしょうけれど、
別に技能実習制度だけの肩だけ持とうというお話ではありません。
その本質、深さ、真因はどこにあるのかを考えるうえで、
たまたまいくつか別の引き合いを例示した方が、
底流に流れる共通点がつかみやすいから、良かれとこういう説明の仕方をしています。
そんで、こういうと、今度はまた違う理由を上げてきそうですが、
全て、それらは「本質的な真因から派生して表面化するいくつかのポイント」でしかないので、
こういう「深さ(抽象度の高い視座)」で理解すべきではないかと考えています、私は。
・「技能実習の問題が制度にあるのか別に要因があるのかを検証しなければ、制度を変えても問題解決はできない」
→個人的には、「問題の本質」は「人」にあって、「制度」にあるのではないため、
どれだけ制度を変えても、本質的には問題解決できないと思っています。
そして、それは特定技能、道交法、入管法、労働関連法…全て同じです。
万引き、傷害事件、殺人事件…なくなりませんね、
もはや刑事罰の全ての法を廃止すべきなのでしょうか。
「廃止して本当に問題解決できるならば」私もその方が良いです。
ただ、また新たな制度が生まれます。
特定技能が良い例ですね。
原因、真因を深く考えると、「人」に問題があると、どんな法でも同じことがいえると思います。
技能実習法でも同じことじゃないですかね?
どんな「制度」もまた、「完璧な制度」なんてないので、
常に、より適切適正に変化(アップデート)していくものです…他の法律も見ればお分かりの様に。
コレらを「抽象度の高い視座」と表現しました。
俯瞰的(多面的複眼的総合的な視点)という言い方でも構いません。
本質とも言い換えられるかもしれません。
そんで…
・「制度廃止を訴える方の「制度目的と実体の乖離」「来日前の多額の借金」「転職の権利の制限」について真正面から回答しなければ廃止の主張を止めることはできない」
→まずもって、「廃止の主張を止める」なんて上から目線な行為をするつもりは、少なくとも私にはありません。
誰にも「主張」はあるでしょうし、物事を十二分に多面的本質的に理解が十分ではない段階の人はたくさんいます。
(いつものコトですが、私が上でアナタが下で…とか言いたいワケじゃないです)
だからと言って、主張しちゃいけないなんてあるわけない。
主張を止めたいんじゃなくて、別の視点や理由があるから、
今まで廃止されずに、ブラッシュアップの路線で進んでいるのが現実なんじゃないかなと、
私もまた、主張(意見)を述べているだけのことです。
さて、お題を頂戴できたので、一つ一つ書いてみますね。
「制度目的と実体の乖離」…
制度の建前が時代的にもそぐわないのは、有識者の方々もご指摘されている通りです。
そもそも論として、
ココを軽視し実質的な労働者として受入ビジネスに励んているのがケシカランってのが、
ケチをつけたい方々がツッコミたいところなのでしょう。
ただ、結果的に、人材育成、国際貢献、国際交流事業としてアチコチで実現できているのも、
また現実なんですよね。
いずれにせよ、より現実に即した目的表現へと変化していくべきなのだろうと思います。
目的自体が大きく変わるコトを「廃止」となるのか、「新制度」となるのかは、
役所側が決める仕事であり、ぜひより良い方向へと導いていただきたいと強く願います。
「来日前の多額の借金」…
コレはわかりやすく言えば、フィリピンから以外は、国が受入を止めればよいのではないですかね?
ベトナム、ミャンマーなどは、その国が出稼ぎ労働者から手数料を得て良いとしています。
主権国家にルール変更させられる強制力など日本が持つはずもないので、
結果として、「来日前の多額の借金」をさせる国からの受入はしなければ良いのではないでしょうか。
こういったルール自体、それぞれに国が定めるものであり、
その国毎に尊重されるべき理由や背景、判断があります。
下々の我々は、法の下に選択をするのみです。
多額の借金と言えば、留学生も同様ですが、留学生制度は廃止しなくても良いのでしょうか?
加えて、個々の諸事情で、借金してくる方々もいますが、
個別の事情=多様性の尊重をすることなく、
一律、多額の借金保持者をシャットアウトすれば良いのでしょうか。
借金=全面悪という、ココでも短絡的な考え方は、視野狭窄と思ってしまいます。
えっと、後は
「転職の権利の制限」…
転職はできた方が良いですね。
なので、特定技能ができてる今は、
特定技能を選択すればよい。
それだけのコトです。
その前提の上で、議論?にお付き合いしてお答えすると、
技能実習は、今でも「転籍」はできます。
マトモなレールと思いきやルールを守らぬ虚偽や虐待的受入であったならば、
救済されるためにも、転籍は現時点でも十分可能です。
「制限」とありますが、OJT的な位置づけが技能実習です。
ソレが許可されて来日しているのであって、
この点の自由を求める行為そのものが、間違っています。
繰り返しますが、転職を前提として来日するのであれば、
転職が担保されている在留資格での来日をすべきです。
もしくは、その転職が自由な自国内で活躍する選択をすべきです。
ココもまた、制度の問題ではなく、関わる人の問題だと思われます。
なぜ水掛け論になると言うのか?
→前述のように記載すると、今度はその重箱の隅をつついてくるし、
別の表面的な面を荒探しして、指摘が始まります。
確かに、様々な視点で検証をすべきなのですが、
これまたキリがないので、
一つ一つの論点を丁寧に深掘りして「その視点」での結論を出していくことで改善が進むと思っています。
特にTwitterでは140文字の中では、とっ散らかるしかないので、
議論がなかなか深まりません。
また私も誰でも同じだと思うのですが、
自分の主張を否定されると(否定してるつもりではないんですが)、
どうしても気分は悪いし、認めたくない反発心が頭をもたげ、
自分の意見に従わせよう、正しいんだって言いたくなり、
次の別の理由を探して、新たに被せていきたくなります。
コレを水掛け論っていう言い方をしています。
かくいう私も、自分では気づいていない視点や問題点は、
別の立場、別の人から指摘や問題提起されないと、
気づけないし、認識できないので貴重な機会にもなるワケですが、
少なくとも、先に申し上げた「抽象度の高い視座」での議論にならないと、
派生した表面のお話ばかりになり、キリがないから、
水掛け論はご遠慮願いたいと申している次第です。
なぜ、抽象度の高い視座だと言ったのか?
→まずもって、こういう言い方は高慢ちきに見え、
お相手の方にとっては侮辱されたと感じさせてしまいますよね。
その点は、平に謝ります、ゴメンナサイ。
ただ、上述のことは、とてもTwitterの一言では伝えきれないし、
読む人が読めば、この意味をご理解いただけるのではと、私は思っています。
高い視座=特に俯瞰的な視点というのは、
訓練しないと身に着けられないとどこかで聞いた覚えがあります。
(ご理解できない方は、既読スルー願います)
議論のキッカケになるのは好ましいことだと思っています。
こういうコトをダラダラと書いてしまったのも、
このお相手の方が、とても頭の良い方、私などよりもよほど勉強されていらっしゃる方だと、
わかっているからこそ、書いてみたものです。
ただ、その割に、どうも一つ一つの言葉尻の些事に固執されている気がしてなりません。
もっともっと大きな視点、深く根本的な論点で、
ズームインズームアウトしながら、全体像を考えつつ、
ご覧いただけると、ご容赦願えるのではなかろうかと願っています。
私は、
現行の技能実習制度が廃止になろうが姿を変えて存続しようが、
それは時代の流れなので、逆らうつもりも抗うつもりも毛頭ありません。
前述が、傍から見て、業界擁護、ポジショントークと思う方は、
それはアナタの見解なので、全面否定はしません。
私も過ちを犯す人間なので、『完璧な人間』ではありませんから。
今回のこの投稿は、
私はアナタ自身を否定しているのではなく、
アナタの見解に対して、別角度からの見解を提示して私の意見を述べているだけのコトであって、
ソコにアナタを貶めようという意図はないことを、改めて書いておきます。
(伝わって欲しいところです、ココのところは)
私は、どうしても、
単純に制度否定、批判さえしてれば問題解決する…
という短絡的、単眼的、近視眼的、安直、投げっぱな考え方には、
賛同できません。
私は目の前のカワイソウな外国人が生まれていることについて問題提起しているんだ…
周りの他の人たちのことはココでは話してない…
だから、その解決には廃止しかなく、
他で喜んで幸せに活躍している他の外国人のことなどどうでもよい…
そんな外国人や受入先のために東奔西走してる人のことなどどうでもよい…
“無意識に”思考を止めたい、逃げたい、低きに流れたい、
そういった考えなのかと感じてしまいます。
人によっては、
私を業界肯定論者として、
ソコに私自身の利益保護の思惑があるんじゃないかとアナタが想像するように、
私もまた、廃止を訴えている人たちには、
廃止論者の利益保護の思惑があるんじゃないかと、
ついつい疑ってしまう方もいます。
(このBさんのコトじゃなくて)
どのみち、急激な方向転換は、
ソコに関わる全ての方々に大きな影響を与えます。
そしてその影響は、ほとんどが悪影響の場合が多い。
廃止でも何でも構いませんが、
やはりソフトランディング的な方向転換が望ましいと思います。
追伸、
「人の命(人権)を軽視する発言で信じられない!」
って乱暴かつ短絡的な批判をする方が多いのが、この問題に対する人権派の方々の思考傾向。
業界人がそんな人ばかりなら、制度そのものはとうの昔に廃止どころか禁止されてます。
ほとんどの業界人は、軽視するどころか、真逆で、
水面下で、キチンと両者の言い分を聞き、公平に筋を通して、丁寧に対応しています。
単に、
「人権保護を盾にすれば、誰が誰に何したっていい…他のルールなんて無視して構わない」
とは考えていないだけです。
メディアに載るほどのトラブルになる前に、ちゃんと収めているのが実態です。
企業側にしか立たないような収め方では、収まらないので、
独断と偏見の色眼鏡で安直に邪推しないでくださいね。
残念ながら、情けない連中もいますけど。
追々伸、
書いたようにキリがないので、ココではご指摘のあった点のみとなります。
全てを私の個人的な意見のみで判断するのも好ましいとは思いません。
短絡的にならぬよう、ご注意ください。
どこまでも個人の見解ですが、
人権派の方の大半は、
当事者双方に寄り添おう、両者の主張をキチンと聞こうという姿勢がない方が多く感じられて、
本気で解決していこうという姿勢には思えない場合が多いのも残念です。
むしろ、本当にカワイソウな外国人弱者で自身の儲けを増やそうとしてる人もいるくらい。
ちなみに、このBさんは別で、特殊な方だと思います…
じゃないと私もこうやって返答する気にもなりませんでした😅
たいていはコチラ側が相互理解したうえで、アウフヘーベンしようと思っても、
どこまでも頑なに一方的でしかなくて、決して交わろうとはしませんからね。
自身の主張のメンツや、勝ち負けとか損得に縛られ過ぎなんじゃないかな。
しかし、何かしらに対して、批判、否定するのが本当に好きなんだろうなあって感じますね。
私などは、クセで、つい、建設的生産的健全的で無理のない解決策を探し始めちゃいますが…。
えっと、最後、
結論として、意見を交わしても生産的、建設的にならないことばかりなので、
お互いに主張したいことを述べて、終わりにしておく方が、
互いにストレスがないと思います。
なので、これまた、そんな方々からの様々なコメントには、
この先のお話にお付き合いする時間は取ろうと思っていません。
あしからず、なにとぞご容赦願います。
ベースの倫理観のプライオリティが違う方、
頭脳の論理的思考回路がそもそも根っこから違う方には、
どれだけ丁寧に説明し、伝えようとも、理解は難しいのかもしれません。
だとすると、交わりアウトヘーベンすることは相当困難なのでしょう😢
————————————————————–
*当方からの様々な企画、案内をお求めくださる方は、コチラ。
(ご登録くださると、解体新書企画の誕生秘話なども届きます)
★解体新書企画の募集は3月いっぱいで締め切りました。
————————————————————–
コメント
ご丁寧に回答いただきありがとうございます。
私の方では高井さん(公開されないのでお名前でいいですね)のご指摘が時々抽象的で高度な表現なので理解できないことも多いのですが、今回はできるだけ重箱の隅にならないように私の考えをお伝えします。
前提として私の方では技能実習については反対派の意見についてきちんと主張される内容を理解して技能実習制度の今後について議論したいと思い投稿しています(結果的にそれが外国人労働者受け入れの促進にプラスだと思っています)。
今回高井さんにご回答いただいた3点について現時点で私が廃止論者(主に移住連の意見を基にしています)の主張はこうではないかと理解している内容について簡潔に述べたいと思います。
「制度目的と実体の乖離」
これは技能実習生が実際には労働者であるのに技能実習で労働者ではないという受け入れ制度自体が偽装であるという批判です。
つまり時代にそぐわないとか、制度目的があまり実施されていないという問題ではなく技能実習制度の根本が外国人労働者の受け入れを政府が真正面から取り組まないごまかしの外国人労働者受け入れ制度であるという批判だと思います。
「来日前の多額の借金」
労働者が国を超えて移動するにはコストがかかり、受け入れ企業がすべてを負担すれば受入が促進しないので労働者がある程度負担することもダメではないと思いますが、「多額」の借金で問題を誘発することが批判されています。適正な金額はどのくらいかについては入管は留学生の奨学金返済では「手取りの1割以内」と規定しており、技能実習3年では50万円程度が許される借金ではないかと思います。
また借金問題では明細がはっきりしない借金も問題とされています。留学生については主に学費支弁なので日本人と同様の負担ですし、そもそも現状でも入管は借金での経費支弁は留学では認めていないので、こちらは偽装書類での在留資格申請の問題で技能実習とは同列には扱えないかと思います(留学の問題も深刻ですが)。
「転職の権利の制限」
これは技能実習生が労働者であれば転職の権利の制限は労働法違法になります。
またOJTなどで技能を学ぶという制度目的なので転職が制限されるということであれば3年間同一の職場でなければ学べない技能ということですが、技能実習の現状はそのような技能を学んでいるとは思えないので、制度が労働者の当然の権利を奪っているという主張には反論は難しいかと思います。
例えばEPA受け入れでは国家試験合格という目的のため3年間同じ受け入れで移動できないという制限は外国人支援者からも納得は得られますが、技能実習で同じ受け入れでないと技能を学ぶことができないという主張は外国人支援者からは理解を得ることは難しいかと思います(技能実習関係者でも本心でそう思う人は少ないのではないでしょうか)。
以上、事実関係や明らかな論理の誤りについてはご指摘いただけると助かります。今後も外国人労働者受け入れ継続のために前向きな議論をさせていただければ幸いです。
ご本人に公開のご了承を得ましたので…
そして、私がしたお返事が以下です。
—
ブログにコメントいただき、ありがとうございます。
また、不躾な長文投稿にお付き合いくださいまして、
重ねて感謝申し上げます。
コメントにてお気遣いを頂いてしまいましたが、
平井さんは存じ上げている方ですし、
高井で構いません。汗&苦笑
当初は周りへの悪影響を懸念し、元職員と匿名で取り組んでましたが、
現場もお付き合いの長い方や、
ご理解くださる方だけにしていることもあってか、
隠れて逃げてるつもりもありませんでしたので、
ご存じの通り、途中からいくつかの場面では「元職員こと高井」としています。
(それでも、私自身が売名したいワケでもないので、半歩でも踏み込んでくださった方のみお分かりいただけるようにしてます)
今回の平井さんの趣旨が、
「議論を」とのことでしたし、
それもオープンの場の方が好ましいご様子かなと推察していましたが、
コメントには、「公開されないので」とのことでしたので、
個別が宜しいのかと、メールにてお返事申し上げます。
*ココ、「コメントを書き込んだ時、公開されないと出てきたので、ブログでは公開されないのかと思ったからです」とのこと…そんな設定だったとは… でもどうやって直すんだろ
『ご指摘が時々抽象的で高度な表現なので理解できないことも多いのですが、』
平井さんのご謙遜だと承知しております。
いつもながら、偉そうでスミマセン。涙
これらのテイストがどうも上手に表現できずに力不足を痛感しています。涙
もろもろご容赦くださり、ありがとうございます。
「制度目的と実体の乖離」
『受け入れ制度自体が偽装であるという批判』
『真正面から取り組まないごまかしの外国人労働者受け入れ制度であるという批判』
コメント抜粋だけしてますが、おっしゃる通りです。
この視点はほとんどの方が否定はありませんので、
議論自体あまり意味がないように感じています。
ただ、コレに置き換えられる現実的な手段を見つけられないので、
いい意味で許容して取り組み続けないと、
もっと大きな現実が瓦解しかねないという危機感的な面もあると、
良識な業界人たちは受け止めているように思われます。
だからこそ、良い結果へ導けるよう踏ん張って取り組もうとしている。
制度肯定論者的には、制度批判=その制度で飯を食っててむしろ制度趣旨を実現させてる自身を批判されてると感じる方々も多いので、
互いに論点がズレたまま、水かけあってる感じがしてなりません、個人的には。
なので、ソコへあんまし絡んでいこうとは思えないんです、私。涙
ただ、だからと言って立ち止まっているわけにもいかないので、
NAGOMiさんの提言にもありましたように、
法務省大臣の「大胆に変えるべきは変えるタイミング」的な発言もありましたように、
来年辺りにはもっと現実的に齟齬のない趣旨へと、
制度自体の廃止でも新設でも変更でも何でも、
良い方向に変わっていくんだと思いたいし、
頭の良い官僚の方々には、その責任においても、
ぜひもう一段階マシな制度設計をして欲しいと願ってます。
なお、役人頼みも個人的にはイヤなので、
結果、自分で変えていこうと。
ブログに書いた通り、どれだけ制度が良くなっても、
実際に運用する「人」が悪かったら、どうしようもないので。
逆を言えば、どんな制度であっても、
関わる「人」が良かったら、問題は起きませんので。
そして、役人には大局しか動かせず、個別具体的には寄り添えないから。
「来日前の多額の借金」
『「多額」の借金で問題を誘発することが批判』
この点、いただいたコメントを拝読しましたが、
議論の発展のしようがわかりませんでした。
「転職の権利の制限」
『制度が労働者の当然の権利を奪っているという主張には反論は難しい』
はい、コチラも抜粋のみですが、おっしゃる通りです。
視点を限定的にすれば、部分最適を図るべきです。
ただ、技能実習の技能検定も国家試験です。
決してEPAにケチをつけたいのではなく、
試験であるコトが転職・転籍・転校を妨げる理由にはならないと思います。
(留学でも同じって意味です)
国家試験合格を目指すにあたり、理屈上、別の施設(会社)、学校でも試験合格は叶います。
合わない施設、ひどい施設で純然たる労働者同然の扱いを受けているEPA先もありうるのであれば、
留学した学校でひたすらにアルバイトをするしかないのであれば、
それを根拠に「制度全てを廃止」とすれば、
EPAも留学も、制度廃止が望ましい…ブログでお伝えした通りではなかろうかと。
どこかでお話してますが、
「部分最適」は「全体最適」が成立してこそ、図るべきものだと考えています。
ココでは部分最適を考えるからこそ、
そこから全体最適を考えるキッカケになればと。
全ては、当然、理屈上50%以上は「ないよりはマシ」のルール(制度)であれば、
改良すべきは改良するのが正しく、
根っこに現実が追いつかないなら、ソコから正すべきです。
技能実習で言えば、
根っこは間違ってなくて、それが生み出される現実が間違っていて、
どれだけ高邁な趣旨であっても、現実がついてこれないならば、
現実優先で趣旨自体もレベルを落とす≒現実にそぐうものへと変える必要があると思います。
50%以上は必要なルールならば、
廃止という選択肢を取る場合=新たなルール設定が必須となります。
ちなみに、趣旨自体が高尚すぎるとしても、
掲げておくこと自体に意味があるルールもまたあります。
(恒久平和を目指すとか、多様性の尊重とか、SDGsとか、正に人権尊重とか)
技能実習がそのレベルにあるルールなのかはまた別のお話ですけど。苦笑
以上、個人的な見解ではありますが、平井さんのご参考になりましたら幸いです。
—
コメントに返信いただきありがとうございます。
いただいたコメントへの私の考えをお伝えします。
「制度目的と実体の乖離」
この点については否定はなく議論自体にあまり意味はないとのことですが、高井様のまとめにあった「技能実習で言えば、根っこは間違ってなくて、それが生み出される現実が間違っていて、どれだけ高邁な趣旨であっても、現実がついてこれないならば、」という点について廃止論者は「本来は労働者として受け入れるべき人を技能実習という形で労働者ではない形で受け入れる制度は根っこの部分が間違っている」と考えており、そこが議論すべき論点かと思います。
また「ちなみに、趣旨自体が高尚すぎるとしても、掲げておくこと自体に意味があるルールもまたあります。」という意見には技能実習は目標が高すぎるのではなく、そもそも目標が制度に関わる方にとっては目標になりえない(全く違うジャンルの話になっている)ことが問題で、やはり困難でも実態に合った目標設定は絶対に必要だと思います。
「来日前の多額の借金」
これについては議論のしようがないとのことでしたが、「結果として、「来日前の多額の借金」をさせる国からの受入はしなければ良いのではないでしょうか。」に対して許容される借金の額と留学との借金の質の違いを提示しました。
相手国のことだから日本側に責任がないという姿勢から、日本側にも受け入れている責任があり何か管理する方法はないかと考えを変える議論があるといいかと思います。
「転職の権利の制限」
「決してEPAにケチをつけたいのではなく、試験であるコトが転職・転籍・転校を妨げる理由にはならないと思います。(留学でも同じって意味です)」とのことですが、EPAで言えば試験だからではなく、国家試験のハードルと必要な能力(介護で言えば3年の実務という要素もあります)、それらを勘案して3年間は転籍を不可とすることに一定の合理性はあるが、技能実習の習得すべき技術に3年間転籍不可とするだけの合理性があるのかが疑問ということです。
私はODA予算による受入研修を実施する機関にいたこともありますが最長1年の「研修」期間に対して習得する技術に対して研修計画が適切でなければ「半年」に修正するよう指摘される現場にもいましたので、習得する技術と3年間の技能実習がバランスが取れているとは思えないです。
以上、こちらも個人的な見解ですが、ご覧になる方の参考になれば幸いです。
テーマを絞って整理してのやり取りは、水掛け論になりにくく、オモロイっすね。
どうしても時間はかかりますけど…それもまた冷静になれて良いのかも。
昔懐かしのディベートみたいです。苦笑
でも、何かこう、平たく言うと言葉遊びの域を出ないような気がして…
議論も大切なんですが、
いつだって止まることなく動き続けている現場のほうがやっぱ大事。
その現場をいかにしてより良くしていけるのかを考え、
具体的な取り組みに落とし込んでアレコレとトライしていくほうが、
私は好きなんだと思います。
「制度目的と実体の乖離」
『(制度の)根っこの部分が間違っている」と考えており、そこが議論すべき論点』とのこと。
『目標が制度に関わる方にとっては目標になりえない(全く違うジャンルの話になっている)ことが問題で、やはり困難でも実態に合った目標設定は絶対に必要だと思います。』
はい、役所の方に、現実にそぐわないと変えていただきましょう。
ただ、役所頼みで変わるのを待つまでもなく、
ちゃんとマトモに取り組んでいる方々は、
実利として、制度の根っこの部分(人材育成、国際貢献、国際協力)を実現させていますので、
お役所の対応待ちとなっています。
アホなヤカラは、バンバン摘発願いたいものです。
私には、そんな頭の能力もありませんので、
役人や政治家になって世の中を変えるという道よりは、
その方々を世論で変えていくという道よりは、
現場に寄り添う道を選んでいます。
制度が完璧であるかどうかをソコまでこだわって問題視してなくて、
不完全な制度下であっても、
現場でどれだけ笑顔と感謝が自然と溢れ出す社会を実現いけるかに注力していきたいんです。
「来日前の多額の借金」
『許容される借金の額と留学との借金の質の違いを提示しました。』
学費支弁と経費支弁の違いにて、
経費支弁は許さず、学費支弁は許容されるべきとのお考えってことでしょうか。
それこそ、起きる様々なトラブルが借金に起因しているのなら、
こと海外からの就労・留学においては、
借金の質の違いは些事になってしまうのかもしれません。
学費支弁でも経費支弁でも、
ちゃんと投資としている方々はいますし、
何の疑いもリスクも想定することなく借金して出稼ぎにくる方もいますし、
それらの違いはどのように区別すべきでしょうか。
また『何か管理する方法はないかと考えを変える議論があるといい』。
制度廃止論と同様の考え方で、借金という根っこを否定すべきであれば、
借金をしてくる入国はすべて拒絶すべきとの結論が出ているのかもしれません。
(個人的には何でも廃止の選択は好ましくはないと思っています)
世界的にはRBAなど雇用に至るまでの費用を労働者に負担させないコトを常識として、
大企業を中心にサプライチェーンの末端までを網羅して、
取り組みが始まっていますので、ソチラの浸透に期待しましょう。
私は、法に関係なく人の選択の問題なので、
それぞれの選択が結果的に最善となるよう、
人を啓発していく動きにフォーカスしています。
「転職の権利の制限」
『技能実習の習得すべき技術に3年間転籍不可とするだけの合理性があるのかが疑問』
『習得する技術と3年間の技能実習がバランスが取れているとは思えない』
この点も、役所が定めるべき問題です。
現実にそぐわないので、今後、どう変わっていくのか。
人によっては、特定技能ができたこともあり、
法的に1年の試用期間が認められているコトも含め、
技能実習は1年で良いのではないかとの意見もありました。
どのみち、建付けの問題です。
他にもっと良い手段がないので、
日本では法治国家や民主主義の制度を採用していますが、
それらにも限界があります。
法は、右から見たら右が是、左から見たら左が是なのに…となるだけ。
さらにそのバランス感覚の細かな点は、
100%でしかありえないのか、
95%が良いのか、
いやいや、50%であるべきなのか、
それこそ人それぞれに違うのが現実です。
(死刑制度の是非など100かゼロかもありますね)
「多様性の尊重(一人も置き去りにしない)」の成立を目指せば、
究極は一人ひとりにカスタマイズされた法(制度)が必要です。
でもそれだと他の人と比べて公平、平等が失われる。
どこでバランスを取っているのかは、
時代の価値観がタイムラグをもってその幅を反映していきます。
その反映が、民主主義的だとすれば、
多数の指示のある意見が、現実的には、是となります。
(ポピュリズムですね)
大衆は常に間違っている…から言えば、
ポピュリズムにおいて、
常に適している状態などありえないのかもしれません。
たまに言ってますが、「絶望」を直視したうえで、
踏まえて「希望」を切り拓いていくしかありません。
議論も大切で、ゼロで盲目ではいけないと思いますが、
それらもまたキリがないので、
それこそ、法に依存することなく、
動いている現実のほうを自分たちで変えていく方が大事だと、
私はソチラを優先しています。
まだまだ、いくらでも自分たちで業界を、世の中を変えて行けますから。
法や体制を批判し世論を動かし世の中を変えていくためにリソースを費やすより、
現法制下でも目の前の一人ひとりにより良い現実を実現していく方に、
私はリソースを費やしたい。
様々でてくるポイントに対する見方、考え方の違いは、
ソコから生まれてくるのだと思われます。
今回はお付き合いいただきありがとうございます。
ある程度顔が見える関係で相手にも配慮しながら議論を進めることで、相手を一方的に批判するような一方通行ではない意見交換ができたように思います。
最後に個人的な感想(要望)を言わせていただければ、技能実習制度について
「技能実習制度だけに問題があるのではなくほかの制度にも問題は多い」
「制度は政治家や官僚が決めるので、民間は決められた制度の中で取り組むしかない」
などの消極的な肯定論ではなく、
「このような理由で技能実習制度は廃止するべきではない」
「目指すべき技能実習制度の理想的な形」
などの積極的な肯定論を技能実習制度を熟知した高井さんのような方からお聞きしたいなと思いました。
私の発言は技能実習制度に真摯に取り組んでいる方からは失礼なコメントになることもあるかとは思いますが、今後もよろしくお願いいたします。
こちらこそ、真摯にお付き合い下さいまして、ありがとうございます。
「このような理由で技能実習制度は廃止するべきではない」
「目指すべき技能実習制度の理想的な形」
…完璧な制度ではないコト、
問題山積なのは痛いほど承知していますので、
特に現状がとても「理想的な形」とは業界人も誰も言えないと思います。
同時に、この先も、より良くはなっても、完璧な形にはなりえないとも思っています。
ただただ、現行下でベストを尽くす。
可能な限り、ブラッシュアップを尽くす。
制度の不具合は現場で対応する。
これに尽きると思っています。
顔を向ける方向を、より高見にもっていき、
ソレを互いに合意、共有できると、
前向きな議論になるコトを、改めて確認できました。
(ただし、登山ルートが違うだけと済むのは、おそらく平井さんがお相手だったからです)
こんな私ではありますが、
宜しければ、こちらこそ、
引き続き、宜しくお願いいたします。
ありがとうございました。