外国人労働者の生産性の向上はどうやって成し遂げれば良いのか

受入企業向け

世間様は『働き方改革』一色に染まっている。
いや、そういう風潮に向かわざるを得なくさせている。

同一労働同一賃金からみても、
『生産性の向上』という方向へしか、
向かいようがなくさせられている。

背景的には、いくつかマクロ的な理由をあげられるものの、
長くなるのでココでは触れないが、
結論として、人件費は高騰の一途をたどっているし、
この傾向も変わりはない。

であれば、
企業が存続するためには、高くなり続ける人件費に対して、
いかにしてケアしていくのか。

利益最大化を続ける宿命にある企業では、
販管費の構成率が高まり続ける人件費を、
どうやってケアしていくべきか、
答えを見いだせないまま、
日々の事業に取り組んでいる経営者も決して少なくはないように思われます。

これに対して、コンサルビジネスが増えてきているのではないかと。

つまり、アナタの頭じゃ考えられないコトを、
見つけ出せない第2、第3の選択肢を、
経営者の代わりに見つけ出してあげるから、
お代をいただきますよー的なビジネス。

コレ、広い意味では、私たちの業界にも当てはまってきます。

人材確保の為に、外国人労働者を招聘してくるコトなど、
どこの経営者にもできるコトではありません。
外国人労働者を安心して定着化させることなど、
ましてその適正な支援に励むことなど、
一般的な経営者にはできない方もたくさんいらっしゃいます。
(ナニジン問わずに)

加えて、借り入れが残っている先などは特に、
今取り組んでいる事業について、
高まる人件費を理由に、やっぱ止~めた!とはなかなか言えないモノです。

更には、今までついてきてくれた従業員の生活を考えれば、
余計に辞めるという選択肢は取れないコトでしょう。

なにより、今日の今日まで社長でございと生きてきた生活から、
一転、サラリーマンに戻れる人は、
それほど多くはいらっしゃいません。

更には、会社を潰した元経営者なんて、
どれだけ人手不足であっても、
採用担当側では、あんまり気分よく採用できる相手でもないでしょうから。

また、そんな簡単に諦めがつく人だったら、
会社経営になど乗り出さないでしょうね。
若気の至りであればともかくも。

そんなこんなで、人件費増加からは逃げられず、
かといって会社を閉めることもできず、
溜まりに溜まった鬱憤(うっぷん)を、どうやって晴らすベキか。

結果的には、
世間様で言われる『生産性の向上』にしか行き着かないのです。

もしくは、昔お伝えしていたように、
今の時代に即した魅力的な別事業を起こして、
新たな利益原資の獲得を目指すか。

もっと言えば、既存事業の商品単価を値上げする事で、
増大する人権関連費を吸収するか。

しかし、
この『生産性の向上』って、
一般的にはあまりにも『ふわっと』していて、
つまりは、実際に、何をどうすれば良いんだと。

そこで思考が止まってしまうのはもったいない。

ドリルダウンしていきましょう。

『生産性の向上』とは、
一人頭でみて(経済的に)、
短い時間で(効率的に)、
最大限の成果を(効果的に)、
今まで以上に上げられるようにすることに他なりません。

そして、
生産性を向上させるにあたっては、
誰のおかげで、ナゼ、どれだけの生産性が向上したか、
ここをキチンと評価して報いることで、
この機能を働かせられる仕組みを社内に構築する必要があると。

こういう意味で良いのではないでしょうか。

コチラご覧くださっている方々は、
大中小零細と、様々な方がいらっしゃるようですが、
大企業ないし、中企業ではすでに社内に人事評価制度を構築されていて、
評価が賃金までキチンと連動している方もいらっしゃるのかもしれませんが、
中小の方の方が当然多く、こんな点まで書いてみた次第です。

ぶっちゃけ言ってみれば、
同一労働同一賃金なんてのは、
大企業の現場で働く直雇用者と、
大して変わりもしない、いやそれ以上の業務をこなす派遣社員の給与が、
あまりに違い過ぎるのは、ずっちーじゃん!ってことを、
是正すれば良いんでしょ的な考えの方がほとんどでしょう。

そもそもこの業界的に言えば、
日本人同等以上の雇用条件を立証できれば、
他の日本人従業員の給与体系などは、
まったく気にもしないし、
むしろそんなとこまで余計なお世話な口出しをしていたら、
受入側に怒られちゃうくらいに思っている方ばかりでしょう。

そう、すでに技能実習で言えば、
入り口の時点で、日本人同等以上である立証は求められ、
それをクリアしている時点で、
監理団体が監理責任を負っている同一労働同一賃金は、
ケアされていると言えなくもない。

むしろ、受入側がキチンとできているかどうかなんて、
知ったこっちゃない…?

目先のことしか追わずに済むリーマン職員にとっては、
それでよいのかもしれません。

ですが、それで受入先の事業が不安定になり、
労働局に注意指導されるようにでもなったら、
機構から実地調査もくるし、
貸借や損益が赤くなったら、
次の受入もままならなくなりかねない。

極論、受け入れしてくれている会社を、
いかにしてか、もっと生産性の高い会社へと導けなければ、
手持ちの担当受入先は、少しずつ減っていく宿命にあるってことです。

外国人労働者にしたって、同じ。
特に、特定技能での受け入れの場合、
正に日本人以上にコストをかけながら、
転職されることなく、より高いレベルで業務をこなしてもらわねば、
そもそも受け入れた意味がない。
技能実習生と同じ仕事をやっているだけじゃ、
全く高給な意味がない。

どこまで言っても、働き方改革とか言われるまでもなく、
経営者は、従業員をより上手に鼓舞して、
最大限のパフォーマンスを発揮してもらうしかない。
上がり続ける最賃に応じて、高給を支払い続ける為には。
今の人数ででも、今以上に粗利が残るようなあの手この手を考えて実践し、
利益原資を確保していかねばならない。

長々と話しましたが、何を言いたいかと言えば、
外国人労働者の生産性の向上を…と考えるならば、
何も外国人労働者「だけ」に特化して考えるのでは意味がないというコトです。

外国人労働者の生産性の向上をと考えるのであれば、
ナニジンを問わず、会社全体を考えるべきであり、
「日本人の生産性向上ができている会社ならば、
 外国人労働者の生産性向上も、必然的にできているもの」です。

十分にできていない先は、
(いや、終わりはないのですが…汗)

教育しかないでしょう。

それもスピード感を持った教育。

教育は共育。

一人が二人、二人が四人と自動拡散的に伝播されていくべき共育。

また、自然と前へ上へと成長意欲を掻き立て、
それぞれがやらされてる感ではなく、
自発的に成長して行ける仕組みや環境を作らねばならない。

でも、大上段に「きょういくーーーっ!」て構えて、
いきなりステーキ始めても、店舗閉鎖までの道のりもまた短く終わってしまう。

自然と一人ひとり、皆が、
自発的に能動的に、生産性向上に向けて考え、趣向を凝らして、
取り組めるように持っていかねばならない。

給料上げてやるからガンバレ…なんて安直な言葉で、
人の気持ちはそう簡単にはなびかない。

むしろ、
「楽しくて仕方がないくらい夢中になってしまう…」
そんな状況を作り出すことで、
「自然と」「結果として」、生産性が向上してしまった…
こうもっていくことが大切です。

自身の利益に直結することであるのは確かなので、
まずはどうしていくべきか、話し合うことが大事なのでしょう。

そして、その際、どうあるべきかの理想像、全体像、
それぞれのゴールを設定する、もしくは共に築くのは、
リーダーの仕事です。

リーダーは誰ですか?

自分はリーダーではないから関係ないですか?

アナタは家庭でのリーダーではないのでしょうか。

リーダーでなくとも、リーダーを支えるべきポジションにいるのではないでしょうか。

一つだけ私なりの答えを言えば、
言い続けている通り、
個人個人に丁寧に寄り添い、
耳を傾け、言葉を交わし、
理解を深め、昇華する。
(1+1以上の答えを、1×1が1以上になる答えを育む)

どうやって取り組んでいくべきかは、人それぞれです。
なぜならば、アナタは私じゃないし、
私と同じことを同じようにやったとしても、
同じ結果が得られるとは限らないから。

自分の道は自分でしか探せません。

それでも、他人の道は、何らかのヒントにはなるモノです。

アナタもアナタの道を、ぜひ見つけていただければ幸いです。

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