特定技能と技能実習生との違い、結局どっちで受け入れすべき?

問題解決

法の条文や、行政書士サイトに多いビザ解説など、いくら読んでも、
実際には、じゃあ、どうしたらいいのとなる方ばかり。

実際に、受入先によって判断基準が違い、選択肢が増えている分、
選択要因は多岐に渡り、混乱を増すばかり。

今更聞きにくいことでもあり、
いつでもややこしいので、常に混乱している方が多いと思われます。

それでも、なるたけわかりやすく整理してみますね。

簡単に受入先にとっての要点だけ、チェックリスト的に以下に記してみます。

なお、これは、ある意味、
監理団体(技能実習)と登録支援機関(特定技能)の違いとも言えます。

■技能実習制度(技能実習生)

・大企業などを除き、ほとんどが団体監理型として、
 監理団体の許可を取って事業に取り組んでいる協同組合に依頼する。

・入口から出口まで、監理団体が二人三脚してくれる。

・受入募集については、現実的には貧困層が多く、
 在庫(失礼)はまだ今のところ豊富。

・初めて受入にトライしてみる場合は、まずこの選択肢をお勧めします。

□特定技能

・企業単独型で受入可能も、よほど受入経験が豊富で、
 海外の現実にも精通しているところでないと、非現実的。

・登録支援機関が受入後についてはフォローしてくれるも、
 外食、宿泊、介護などは、在庫(失礼)がほぼなく、
 受入実現可能性が非現実的。
 また、募集から業者依頼する場合、有料職業紹介料も必要。
 無論、その許可を受けている業者でないと対応は難しい。

・おそらくまだまだ当面は、技能実習で受入していた先が、
 3年を経過して、この人財であれば、特定技能に切り替えて、
 継続して受入したいとする人財がメインになるものと思われます。

・技能実習の延長線上に許可される現実が今のところ答え。
 技能実習の3年対象職種以外では、外食しか許可されていない現実も。
 *宿泊は7月に門戸開放予定。

オマケ
◆留学生

・国内にて留学中に、特定技能試験を受けることは可能かもしれませんが、
 そもそもが留学=就学目的での在留のため、色々企業側の思うように事は運ばないのが現実かなと。

・都内を中心として、高額賃金を支給可能であれば、
 転職リスクを必要十分にケアできるのであれば、
 特定技能の線もないことはありません。

・国内4年制大学を卒業した留学生であれば、
 技人国という就労ビザでの受け入れも要件緩和にはなっていますが、
 こちらもまた、年収300万以上をはじめ、様々な足かせがついて回ります。
 就職フェアなど各地で開催されることもありますが、
 受入側が許容できる諸条件に当てはまらない場合が多いのが現実かと。

そう、結論的には、
技能実習生としての受け入れをお勧めするわけです。

なお、コレは、私が技能実習に取り組んでいるから業界保護など、
低次元なレベルでのお話ではなく、
どこまでも労働力確保と安定雇用を図る受入事業主先にとって、
最大公約数的に、外国人労働者受け入れに取り組む場合、
どう歩むべきかについての、現実的な結論です。

なお、共通して言えるのは、
法が杓子定規に、不公平と言えるほどに、
特定の分野、業界、職種に限定されているのが現実です。

どんな業態でも受け入れできるとは限りません。

さらに、外国人労働者の受け入れについては、
以前に増して、日本人同等以上の賃金である旨を立証していかねば、
いくらその他の諸条件がマッチしても、受入は不可能です。

就業規則の賃金規定に定められている通りであることと、
外国人労働者にしてもらいたい業務に就く、
日本人従業員の給与実態との付け合わせ確認が必須です。

他にも細々した点はとても書きおおせませんが、
おおよそこれらのポイントをケアできる先以外では、
外国人労働者の受入について、検討すらままならないのではないかと。

そういった先では、
いかにして日本人労働者を集められるか。
転じて、いかにして既存スタッフの離職を防ぐべきか。
どこまでも労働屋の確保を求めるのであれば、
そう対応するのが本筋であると言わざるを得ません。

厳しい現実を突きつけるようですが、
ナニジンを問わず、日本は最賃1,000円以上を目指して突き進んでいる流れは、
止まるはずもありません。

つまり、労働力に頼り続けるならば、
高賃金を支払える企業以外、
くしの歯のごとく、倒産への背中を押し続けられるということです。

色々言いたいことはたくさんあると思われますが、
誰が何を言おうとも、この流れは現実です。

すでに外国人労働者を受け入れている先であっても、
まったくもって、同様のハードルを敷かれています。

逆を返せば、高賃金を許容できる先以外では、
ナニジンを問わず、生き残れない。

さらに、高賃金さえ支給できれば働いてくれる人が集められるかといえば、
決してそうでもなく、賃金以外でも魅力を感じない会社には、
労働者は集まりません。
例え集まっても、定着しないということです。

前々から言い続けているとおり。
いよいよホンモノの企業しか、ホンモノの経営者がいる企業しか、
生き残れなくなってきました。

どこかで、外国人労働者は、
単なる応急処置、バンソーコーでしかないとお伝えしていますが、
このバンソーコーで一息できている間に、
この点において、企業防衛を確立できない先は、
お財布が許すバンソーコーは近々売り切れになりますので、
ご注意ください。

全ては、時代を読む力があるかないかです。

これから外国人労働者の受入=バンソーコーをとお考えの先にとっては、
大変厳しいながらも、コレが現実かと。

経営者のみならず、一労働者の方々も、
時代の荒波に溺れないよう、お気を付けください。

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