外国人労働者の『無期限在留』が『限定分野』で許容される流れについて、一つ思うコト

受入企業向け

先日、特定技能13分野について、
無期限在留の方向で検討されているという報道が流れました。

早くもSNSでは様々な憶測や意見が飛び交ってます。

 
現場を知る思慮深い方々は、
いよいよ、二極化が始まるとお話しています。

つまり、
従来…特定技能や介護など、はたまた技能実習3号すらなかった頃と比べ…
技能実習3年の先に、次から次へと、「次の選択肢」が出始めた頃と比べ…

A:
従来の3年出稼ぎを繰り返す受入先
×
期間限定での出稼ぎを望む外国人労働者
 

B:
長期間就労を期待し、教育、育成、定着化を求める受入先
×
期間限定ではなくなんなら家族まで招聘して日本に住みたいとまで思ってくれる永住の道を望む外国人労働者
 

この『B』という選択肢が生じるコトでの2極化という意味です。
(3号…いや特定技能の声が聞こえてきた頃から、既に始まっているコトですけどね)

 
Aについて。 
おそらく、受入側、外国人労働者側、共に総数で言えば、
やはりAが多いのが現実でしょう。

どこまで機械化、ロボット化、IT活用が進んでも、
まだまだ数年、いや10年単位で「単純労働力(語弊を承知でわかりやすく乱暴に言えば)」需要は一定数以上はなくならない。
=中小企業が多い日本で、「ソコ」に高賃金化は難しい。
経済社会の本質、現実として、誰でもできる仕事には、高い付加価値を認めない。

(余談)
不謹慎ながら、誰でもできる仕事≒3K仕事≒誰もやりたがらない仕事→「希少価値」にまでフェーズが進むと、
単純労働にこそ、高付加価値が認められ、求められ、許容されていく。
つまり、エッセンシャルワーカーという言葉のように、「なくてはならないもの」として一定以上の評価まで進む可能性もある。
ココまで需給バランスが傾くと、逆転して、下手すると「経営者よりも高賃金…」になったらオモロイのになあと。

同時に、これまた現実で、
外国人労働者はすべからく、若者にありがちな特徴として、
勉強なんか、好き好んでしたがらない。苦笑
そして、母国、故郷へ帰りたい。
自身の経済事情が地元で変えられるものならば、
何も好き好んで外国まで長く数年を働きに出たいものではない。

結果、「数」がこの業界を印象付けるとするならば、
『期間限定労働力移動』が半数以上を占めて、
見方によっては「人身売買」など揶揄される現状は、まだまだ当面続くのではと思われます。

 
一方、Bについて。 

特に介護業界(分野)に代表して見られる動きですが、
3年でのコスパは極論求め切れず、
どの施設も目指すは永年雇用(10年以上の長期雇用)と思われます。
(建設業界もまた同様にて、一歩進んでいる感すらうかがえます)

コレを成立させる場合は、Aとは比較にならない、手間暇、戦略、コスト、知恵や工夫が求められる。

まず入り口の時点で、この希望に見合った人材を探すことには、
さすがに時間も労力も=コストもかかる。
また、受入側もA以上に「採ってはいけない人材」を弾くハードルは高くなる。
=自社として欲しい人材のストライクゾーンを明確に言語化し、
なおかつ、そのスクリーニング(募集含めて)を実現できる送り出し機関と提携しないことには、
スタート地点にさえ立てない。
≒大手は自社独自のレールをリソースを費やしてでも構築している現実も前々からある。
≒中小は正に組合としてリソースを効率化して取り組む手になるが、船頭多くして…と経営者連中を収拾つけられるリーダーがいなくては、実現どころの騒ぎではなく、空中分解先のほうがむしろ多いのも現実。

この選択肢Bの実現・浸透には、どうあっても長い時間がかかるように思う。

水面下では、それぞれに動いている先もありますが、
まだまだ明らかに突出して成功例を公表するだけの、
自社ないし自社グループの既得権益的ノウハウを太っ腹に世に明らかにしてくれる先は、
みたことがない。

しかし、
家族帯同=1エンジンで生活を支えられる経済力=家族まで支える支援項目11番目が明記される確率は極めて高い(特定技能2号に与えられる権利であったならば)。
ソコまでできる会社もまた、現実的には限られるのでしょうし、
登録支援機関にしても、対応できる先はもちろん限られることでしょうね。

 
そして、
実はこの「A」と「B」の狭間で揺れ動く様々なケースも考えられる。
・3年出稼ぎできていたが、自身の諸事情が変わったり、過ごす中で様々感化されて、
Bコースへと選択を変える外国人の若者も出てくる。
・3年出稼ぎを回すことで受け入れを進めていた中で、
この人財だったならば、ずっと残って欲しいと思い、
新たにBコースの選択肢を社内で設定する受入先も出てくる。

また、マイナス的?な見方からは、
・3年はヨソで働き、日本語も日本の生活にも慣れた人材を集め、
より良い好条件を提示することで、さらに有能な人材を引き抜こうとする受入先や、
・3年はココで働いたけど、自分にはもっと高い報酬を得られる能力があると、
より良い雇用主を求めて転職を繰り返す人材が、必ず発生してくる。
(もっと気分の悪い表現もできますが、ココではこのくらいで。苦笑)

 
まだまだ混とんとして過渡期が続くこの業界。
受入側も監理団体/登録支援機関側も、はたまた送り出し機関側も、
Aコース、Bコースそれぞれにどの程度の比重で、
どういった方向を目指すかによって、
より多様化していく相手にも応じつつ、
組むべきパートナーもまた、互いに選んでいく時代へと改めて入っていく。

やれ日本語教育が素晴らしいとか、
受入先が最初から好まない人材は面接前に事前排除できるのが信頼とか、
そういうステージから、更にもう一歩踏み込んだ選択肢が増えたというコト。

例えば、前述の永住希望人材を集められたり、
共に受入先毎に人事評価制度を構築したり、賃金規定の相談に乗ったり、
Bコースまでも包括ケアできる高度な業者が、
受入側からも、より一層の信頼と評価を獲得し、
時代をリードしていける存在となれるのではないでしょうか。

アナタは、アナタの団体は、
どこまで考察し視野に入れて、目の前の業務に、取り組んでいますか?

 
追伸
実は私が言いたかったことは、まったく別で、以下に書いてみます。
愚痴というかボヤキというか…苦笑

ナゼ、分野など一定職種限定なのかってこと。
いや、社会を構成するうえで、なんらかの線引きをしなくては、
ソフトランディング=「段階的」には実現できないのは、わかっています。
だからこそ、愚痴なんですが、吐き出したい。苦笑

特技的に言うならば、14分野だけが大事な事業なのかってコト。
昔から不満に思っているコトですが、
技能実習の3年以降対象職種以外の事業は、労働者が集められなければ社会的に不要な事業なのかってコト。

つまり、ココまで来て職種や分野、業界などでの就労制限って、ぶっちゃけどうなの?ってこと。

極論、人数で制限すれば良いのに。 
人権保護、労働関連法、入管法などのコンプラ度合いで、
受入可能な会社を認めれば良いのにって思う。

企業だってバカじゃない。
外国人には到底無理な仕事に、無理やり外国人を招聘雇用しようなんて思わない。
法的に、一度招聘したら、費用負担まで含め、
帰国させるまでの責任を受入先へ求めたならば、
受入先だって慎重に選ぶだろうし、
外国人労働者だって安全安心に来日できる。

永住の道まで見えてくるとすれば、
職種で区別、いや差別するのは、あまりに不公平な社会だと思う。

既に適応している対象職種の方々には、もはや関係ないことですけどね。
受入にも経験が必要だけに、余計に時間的経験的ハンデはとてつもなく大きいからこそ、余計にそう思う。

 
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