特定技能受け入れについて、どうしようもない現状

問題解決

最近のご相談に、当然のことながら、
特定技能での受け入れについて、
当方にまで様々、寄せられます。

無責任にも私の返答は、
わかりません…としか返せません。

いや、決してそう言うわけではないのですが、
あまりにもケーススタディばかりで、
その場合は、こうだという返答ができない場合が多いってことです。

ありがたいことに、
特に勝手がお分かりの方にすれば、
私が言っていることもご理解くださっているので、
納得いただけるのですが、

ゴールを、受入側、労働者側、双方にwin-winの関係が実現するまでをゴールと設定していると、
そもそも現状ではそこまで辿り着けるか、定かではないからです。

元技能実習生といっても、
色々なパターンがあります。

元受入先へ、元技能実習生が戻る場合であっても、
日本国内にて、一時帰国することもなく、
そのまま、ビザ切替をする場合。

1カ月以上、母国へ里帰りしてから、
復職したい場合。

いや、それ以前に、特定技能ビザを取得するために、
交通整理すべき内容の山々。

企業単独型か、
登録支援機関を利用するパターンか。

だとしても、どの業務を部分委託するのか、
それとも全部委託するのか。

申請は誰にしてもらうのか。

その外国人労働者の母国側での調整は、
何か必要なのかどうか。

イチバン、ストレスのないパターンであっても、
まだまだ勝手がわからない場合が多い。

在留資格として、転職もできるとある以上、
転職相談をされた場合、どう対応すべきか。

給与はいくらぐらいが設定として大丈夫なのか。
(いや、就業規則の賃金規定にならって決めているにせよ)

住まいはどうすべきか。
電気ガス水道、ネット他、誰がそれらの契約をフォローすべきか。

これらを基に、
元技能実習生であっても、元サヤ希望なのか、
入管の履歴は残っているのか、
評価調書は準備できるのか、
無ければ理由書はどう書けば大丈夫そうなのか。

別の仕事で行きたいからと言って、
分野毎の試験が母国で受験できるのか。
受験できたとしても試験対策はどうすべきなのか。
そんなの待っていられる企業なんて受入先であるものなのか。

…もうキリがないので、上げきれませんが、
相当なケースバイケースがあって、
安直にビジネスなど軌道に乗りようもない。

そもそも、
入管でさえ、管轄先の担当者ごとに、
在留資格を下ろしていいものかどうかの明確な基準が、
あるようでまだまだないのが現実。

世間様は、国が発表した予定通りに、
特定技能での受け入れが進んでないじゃないかなど、
現場の現実を知らない人たちは、
鬼の首を取ったかのように、騒ぎ立てている人もいるくらい。

それでも数百人の許可が下りているのは、
入管もよくやっている方なのでしょうね。

提出すべき書類もわかりにくいし、
ケースバイケースで提出すべき書類も違うし、
分野毎の協議会なども加盟をせねばならないし、
しっちゃかめっちゃかです。

何が言いたいかといえば、
在留資格が無事に降りてくるストライクゾーンが、
まだまだ定まってないので、
懸命に取り組んでも事業として成立するかどうかはわからないってこと。

また、日本側の在留資格が通ったとしても、
送り出し国側の手続きが問題ないと言い切れるのかどうか。

せっかく取得したCOEも、出国までに3カ月以上もかかれば、
また取り直しです。

結果、今ある取引先で、たまたま特定技能であっても、
引き続きいて欲しいAさんがいて、
そのAさんも、継続してその受入先で働き続けたいとなったうえで、
在留期限がいつまでに切れちゃうから、
今から準備して手続きに入らねば、
間に合わなくなるとして、
このタイミングで、取り組まねばならなくなる案件が発生した場合に限って、
自身の勉強方々、特定技能申請に取り組んでみようという現実に迫られない限り、

好き好んで、特定技能ビジネスに参入したいとは思えません。

頑張って頑張って、苦労しても、在留資格が下りなかったり、
送り出し国側から出国できなかったり、
なにより本人が好き勝手言いだしてまとまらなかったり、
様々な問題があって、
とてもとてもwin-winのゴールへと導けるケースは、
なかなかに難しい。

たぶん、当事者が、当事者同士で、色々協力し合って、
乗り越えていくのが、
お試しだろうが、トライしてみるのが、
イチバン、割り切って手続きに励むことができるのでしょう。

私たちの仕事は、なにも、ビザ取りでけじゃありません。
この点、ビザ取りだけの行政書士さんのお仕事はまだ楽です。

在留資格を取ることだけにフォーカスして、
取った後に、送り出し国側で出国できなくなったとか、
海事配属に至っても、3カ月、いや半年足らずで、
辞職していくとしても、
まったく関係ないでしょうから。

実際にみなさん、こういうストレスで力尽きていく方も多いと思われます。

その場合は、大赤字だといったい、どうされてるんでしょうね。
事業失敗として、ちゃんと事業をたたんでいるのでしょうか。
それとも、騙し騙し片道切符で突き進んでいるのでしょうか。

特定技能がビジネスとなっていくまでは、
まだまだ時間がかかりそうです。

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