特定技能も各分野、各国で、少しずつ進展があり、
申請も増え続け、許可も少しずつ下りてきている様子。
心ある行政書士の先生方の絶え間ぬ努力によって、
少しずつ、特定技能のビザの取り方も現実が何となく見えてきているのかもしれません。
複雑怪奇なルールに、全てをケアしようと血眼になって、
プロとしての意地を見せて取り組む方々、
本当に頭が下がります。汗
…でもね。
皮肉でもなんでもなく、その苦労が報われればと願ってやまない現実があります。
それは、
前々からずっと言い続けていること。
受入事業者側では、本当にその外国人労働者が欲しかったのかどうか。
その人財は、はたしてその事業所で、
期待通りに活躍できるのかどうか。
もちろん、留学生がアルバイトをしていて、
その勤務先と相思相愛であり、
特定技能の許可が出たら、ウチで雇ってあげるからと、
コストや住まい、通勤、もろもろのストレスを互いに乗り越え、
定着化への道を切り開けている先もあろうかと思われます。
でも、おそらく、ほとんどのケースでは、
こんなはずじゃなかった…
思ったよりもコストがかかる…
こんなにもメンドクサイの?
と、相当なストレスを抱えていることと思われます。
もしかしたら、道半ばで、
進めば進むほど、ふたを開けていけば開けるほど、
こんなんじゃコスパが合わないとして、
断念した先も少なくないのではと。
そうして、たどり着いた先には、
受入先がめっちゃ苦労したにもかかわらず、
外国人労働者は、グリップが効いていなければ余計に、
他へと転職していきます。
もっと良い条件があるから、そちらへ行きます。
もしくは、やっぱり母国のほうが良いよね。
はたまた、グリップできていたとしても、
アルバイトの時とは違う待遇と職務に、
一年も持たない。
アルバイト時よりはもちろん高月給なため、
受入側もアルバイトにできること以上を求めるのは当然です。
なんてったって、日本人同等以上の給料ですから。
特定技能に騒いでいる方々は、
出口をどこに見据えているのでしょうか。
有資格者をどこかしらから見つけてくるまで?
ビザを無事取得するまで?
配属すれば、後はOK?
登録支援機関は、受入事業所側を支援するのではなく、
外国人労働者側を支援するんだと、
法律は言っていますが、
現実は、受入側こそ支援せねば、
外国人労働者も支援できるはずがない。
結果、外国人労働者はこんなはずじゃなかったとなった場合、
新たな転職先を探せず、
その外国人労働者は自ら探してきた先へと移っていくのか、
やっぱりやめたと、帰国していくのか。
なんかこう、受入側と人財側とのマッチングについて、
どうも表面的な整え方しかできていない先が多いように感じてなりません。
外国人側の希望、理想、現実の、何をご存知なのか?
受入側は、多少はコストが高くても、
今の時代致し方ないとして、
受け入れにトライするお気持ちはわかりますし、
できるだけ安く、面倒なく、
受入したい本音もよくわかります。
だけど、受入側の許容範囲はまだ話し合いの末、
ストライクゾーンを定めることは可能なうちですが、
外国人労働者側、特定技能者側の要望の許容範囲って、
一人一人、お分かりなのでしょうかね。
彼らがどこまでを求めていて、
どこ以下であれば、いる意味がないとしているのか、
きちんとあらゆる方面から、理解したうえで、
マッチングしているのでしょうか。
ここをキチンと最初からすり合わせしておいて、
そのうえで、ソフトランディングに腐心する。
この介添えがないと、おそらく特定技能受け入れは、
非現実的です。
だから、私は、個人的に言えば、
お試し期間、3年(1年)はある、
技能実習制度を活用したうえで、
受入側もこの人財であれば、いくらまでならコスパが成立するから、
特定技能であっても、受入したい。
人財側も、3年かけて、会社や上司の人とナリを、
そして、自分が出来そうな仕事かどうか、
適性が合うのかどうかを理解し、
母国に残してきた家族との兼ね合いも含め、
この会社でもっと働きたい、
昇給する給与に応じた業務のレベルアップにも、
果敢にトライしてみたい。
(ちょっとだけトライしてみて、どうやら双方共にできそうだとか国が取れている)
そんな流れであった場合のみ、
特定技能にチャレンジしてみる。
無論、いくらきちんとグリップできているからと言って、
永劫に働いてくれるとは夢にも思わず、
1年、2年、また5年は働いてくれればラッキーとした、
ボーナストラック的な認識で、受入してみて様子を見る。
こういうパターンでない限り、
現実的にソフトランディングはとても困難だと思います。
めんどくさくてやり方がよくわからないから、
そこばかりに目が行きがちですが、
本来は、もっともっと大事なことが、
足元に横たわっている。
ココをキチンと必要十分に整理整頓できなければ、
マッチングできなければ、
特定技能は問題しか起きないでしょう。
せっかく努力して取得したビザも、
一カ月もしないうちに、
先生、仕事先替えましたー
なんてなった日には、
(言ってくれるだけまだマシ)
受入先までマッチングしていたならば、
めっちゃ残念ですよね。
根本的、本質的なことは、
いつの時代であっても、新しいビザであっても、
現実は、何も変わりません。
いい会社であれば、定着の可能性は広がるし、
どんなに素晴らしい出来の人財であっても、
その事業所の体質や、仕事の適性が本人になければ、
人財側は定着できません。
諸条件だけをビジネスライクに見たら、
高い方に行くのが決まっています。
いったい、どうしましょうね?
こういう部分が解決できて、
はじめて、受入側もコストをかけて支援してもらう意味があります。
ビザを取る意味があります。
約束や保証はされずとも、ココが具体的に見えていなければ、
どれだけ面倒でコストフルな手続きも、全く意味がないんです。
鶏が先か卵が先か。
難しいところですが、
最初から立派に成長する鶏だと分かる卵なんてありません。
そんなんあったら、取り合いです。
そうでなくても、取り合いしてるのに。苦笑
この出口がわかって取り組んでいる先は、
いったいどれだけあるのでしょうね。
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