特定技能並びに技能実習生での宿泊の受入の現実

問題解決

特定技能に宿泊という業種があります。

そして、宿泊は、技能実習制度の3年移行対象職種にも
追加の是非の意見収集について、パブコメで公表されています。

つまり、ほぼ確定という動きです。

あまりこの業界とこの職種に詳しくない方向けに、
私が知る限りにおいて、
今回、その背景をお伝えしてみようと思います。

まず、ホテルにおいて、技能実習制度事業では、
昔から一年職種にて受入は盛んに行われていました。

最近は直接知る限りではありませんが、
少なくとも一年位前には、
ホテル側から直接受入している旨を聞き及んだことがあります。

そこでは、中国の日本語を教育している施設とタッグを組んで、
送り出しをしてもらって、
宿泊専門で受け入れに励んでいらしたと思います。

つまり、一職種専門の監理団体ですね。

どこかでいつか、新制度でも監理団体許可を取っていたように思います。

しかし、一年での受け入れのためには、
相当なコストがかかると思われ、
ニッチであるがゆえに、受け入れホテル側の許容経費を考えれば、
裏で色々行われているようにも思われ、
必要以上に触手を伸ばすことはしていませんでした。

どちらかといえば、この業界では、
インターンシップやワーホリでの受け入れが盛んに行われています。

しかし、
この宿泊が三年職種になるということは、
おそらく、また中国からの送り出し機関を探し求める監理団体が増えそうな気配を感じます。

なぜならば、インバウンド対応が、
ほぼほぼ中国語か英語に限られてくるからです。

ホテル側の考えでは、
どうやっても、どうせ受け入れをするならば、
中国語対応が可能であったり、
英語対応が可能であったりと、
当然のごとく、求めてくるに違いありません。

であるならば、
昔からこの監理団体とお付き合いしているホテルは、
ほとんどがこの技能実習生の受入に集約していくようにも考えられます。

つまり、1年じゃなく3年いてくれる。
ワーホリのように半年足らずで辞めない。
また、インターンシップのように、ビザが下りるかどうかに振り回されない。

しかしながら、
1年対応をしている監理団体がどうしているのかはわかりませんが、
法に記載されているとおりに、品行方正に受入を進める場合、
どう考えても、コスト的に許容できる範囲を超えてくるように思えてなりません。

いや、今の時代、時給で1500円支払っているのであれば、
1500円×173時間=259,000円、社保などの企業負担分を追加して、
許容できるのであれば、おそらくは。
(初期コストや監理費など含んでの金額が1500円で収まったとしての話です。)

でも、これもまた、受入可能なホテルは限られてくるのではなかろうかと。

そう、介護と同じ。

いや、介護以上に、日本語能力は求められることでしょう。

そして、他職種同様に、
『宿泊』とされている以上、
ひたすらにバックヤードで、盛り付け要員としての実習受け入れは、
コンプライアンス上、不適切です。

ベッドメイクはビルクリーニング側の実習です。
業者へアウトソースしているホテルも少なくなく、
フロント業務をやらせられるだけのレベルの実習生など、
ほぼ皆無でしょう。

いわゆるコスパが事実上、合うのかどうか。

これらを踏まえて、
介護が良い例ですが、
N4どころかN3レベルでも追いつかない宿泊の仕事において、
日本語能力をそれほど求められなくても、
宿泊以上に稼げる仕事が多いこの業界において、
はたして、宿泊を選んでくれる外国人は、どれだけいるのでしょうか。
それも中国に限定していえば余計に。

ちなみに、英語はフィリピンがある程度はデフォルトですが、
これまた同様です。
それに英語は既存スタッフもそれなりに話はできるホテルも
少なくはないでしょうし。

そうやって、
日本語をそれほど必要としない裏方の仕事ばかりやらせる。
ナイトフロントなどの要員として当て込む。
そんな使い方、受入の仕方をするホテルも増えそうな気がします。

しかも、まだ必須作業や関連・周辺作業などは明示公開されていません。

一応はパブコメで7月の予定となっていますが、
いつ解禁されるかは何とも。

それでも、中国の送り出し機関に、また注目が集まり、
どこか対応してくれるところはないものかと、
水面下で探している方も少なくないのではないでしょうか。

介護同様に事実上、新たな市場が開けることに変わりはないのですから。
それらが、どのホテルでも実現できるかどうかは別にして。

なにも、否定的なことばかり言いたいのではありません。

むしろ、これらの『絶望』を踏まえて、乗り越えていく手法について、
きちんと直視しながら、知恵をひねることが必要だと申し上げたいばかりです。

安易な受入は、当然ながら、全関係者を不幸に陥れる可能性が高くなります。
win4allならぬlose4allって事態ですね。

介護で言えば、中国も最初こそ盛り上がりましたが、
現実がわかっていくにつれて、最初はトライしていた送り出し機関も、
次はあまり積極的にやろうとはしないという話も聞こえてきています。

学習能力のある送り出し機関であれば、
宿泊も同様に先が見えてくれば、あまり積極的には動いてくれないのかもしれません。

日本側も、日本語教育に何十万も事前に支払える先など、
そうそうあるとは思えませんから。

なおかつ、応募者がどれほどいるものか、
まだまだ見えていないコトばかりです。

局地的に言えば、
他に選択肢が見当たらない状況である方々もいらっしゃるのかもしれませんし、
これまた、それぞれの動きにもよろうかと。

クロウト的なことを言えば、
1年職種で受け入れてきた分、
ナゼ3年での受け入れが必要とされているのかについても、
立証が求められていると思われ、
かつてでいういわゆるダイジェスト版の作業内容についても、
少し気にかかる点もあります。

業界団体の利権も絡めば、
その業界団体の検定何級を受けているスタッフでしか、
技能実習指導員になれないなどの縛りをしてくることも考えられます。
(もちろん、そこまでしてこないとも考えられます。)
(でもリネンなどは、認可工場先でしか実質3年受け入れができないように仕組みづくりしていますので、
 どうなるかがまだ下々にはわからないということです。)

これもまた、見越しただけで先走ると一目を見るというリスクが、
考えられるということです。

これらを踏まえて、どう転がっていくものなのか。
おそらく早ければ、今年中に技能実習も、
特定技能も第一号が生まれることでしょう。

推移を見守りたいと思います。

それにしても、実際のところは、
やってみないコトには始まらないのもまた現実だとは思うんですけどね。

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