低賃金(最低賃金)で良いのでは。
そんなに給料は支払えない。
特に中小企業では、ついついそう考えてしまいがちです。
直接、外国人労働者へ支払う給与以外にも、
受入前にかかることスト、
受入後にかかるコスト、
それぞれ別に、決して小さくはないコストの支払いもあるので、
余計にそう思ってしまいます。
でもね。
だからといって、逃れられる問題ではありません。
実は、これからお話することは、
外国人労働者のみならず、日本人、いやナニジンを問わず、
労働者に対しての賃金設定は、
今までと比べてみても、大きく概念が変わっていく転換期だと思います。
大きな違いは、
前時代:会社が労働者を選べた。
つまり、自社にとって都合よく働ける人だけを選んで、
採用、雇用していれば良かった時代。
選べるのは当たり前。
採用して欲しければ、労働者側が自社の慣習やハウスルールに、
合わせて来いという、上から目線。
それらが当たり前だったので、上からという意識すらない。
極論、社長の印象だけで、給与の額面が決定していた時代。
現代(近未来):会社ではなく、労働者が会社を選ぶ。
つまり、労働者に選ばれない会社は、
淘汰されていく時代。
労働者が安定して生活していけないような給料設定しかできない会社は、
くしの歯が抜けるようにして、働いてくれる人がいなくなり、
そもそも事業自体が成立できなくなり、
遅かれ早かれ潰れていく時代。
さらには、最低賃金は、上がりこそすれ、
下がることは決してなく、
特に外国人労働者で言えば、
他の先進国での賃金が、時給換算でも1,500円とか2,000円など、
ザラにあり、
日本が他国と比べて、賃金レベルでは全くもって先進国ではないという現実。
ナゼ、外国人労働者が日本を選んできてくれているのか。
近視眼な外国人労働者にすれば、
他国での就労のチャンスに恵まれなかっただけ。
かつての黄金の国ジパングの、
良いイメージのタイムラグ資産に、
ただただ乗っかっているだけ。
夢は冷めつつある。
この前提を踏まえて、
賃金設定を考えると、
どうあがいても、賃金は上がり続ける。
これが変化、この過渡期。
どうせ変わらぬその流れであるならば、
淘汰を待つような死に体ではなく、
自ら望んで積極的に流れに乗って乗りこなすべく姿勢や考え方が大事。
具体的に言おう。
アナタの会社では、ナニジン問わず、
月給30万円の条件提示をつくるべし
ということ。
誤解しないで欲しいのは、
何も外国人労働者に30万円支払うべきだと言っているのではありません。
アナタの会社に、月給30万の社員はいますか?
それはナゼ月給30万なのですか?
新たに入社する労働者は、月給30万円を狙うには、
どれだけ何をできるようになれば、
会社として月給30万円を支払うだけの価値があると、
アナタの会社では言えるのですか?
ということ。
そして、
その条件を満たす人財であるならば、
正に月給30万円で雇えばいい。
その条件を満たせない人財であると判断されるのであれば、
どういう点が満たないと、応募者へ説明してあげればよい。
勘違いしないでいただきたいのは、
労働者側が会社を選ぶ時代になったと言っても、
『会社側は労働者を選べなくてはならない』ということ。
ちゃんと定期的に出社、勤労できない人でも、
どんな仕事であれ、役に立たない人でも、
同僚と最低限の協調性のない人でも、
泥棒でも人殺しでも、
誰でも良いなんて会社は、どこにもありません。
まして、免許や資格が必要だったり、
力仕事など男性的な仕事や、
きめ細かい気遣いや柔らかい物腰などをめられるような女性的な仕事であったり、
その業界や職種によっては、
当然ながら、老若男女、人なら誰でも良いなんて仕事ばかりじゃない。
そう。
会社側も労働者側も、選べなければどうしようもないということ。
そして、
選ぶのはお互い様だとするならば、
最低限、生活費の心配を常にしながらビクビク仕事に望むのであれば、
それは、良い仕事ができる環境とは到底言えない。
そして、
人それぞれに、安心して生活して行けるための生活費の額面は
違う。
自分の趣味などの時間を優先したい人は、
月給18万でも、仕事への時間を最低限にしたい人は満足かもしれない。
家族が多く、親の介護、子供の養育費がかかる。
大変病弱な家族がいて、養うのにコストがかかる。
何かしらそれぞれの目的があって、おカネをたくさん稼ぎたい。
人は本当にそれぞれに、固有の背景や諸事情を抱えている。
であるならば、
選ばれ、選ぶ側の会社側も、
高額給与の設定と、
低賃金での設定と、
二通りあったっていい、いやあるのが自然。
例えば、
月給18万円の仕事は、こういうルーティン業務です。
これ以上の仕事は求めません。
その代わり、3年間は給与の見直しもしません。
提示で終わり、残業はありません。
例えば、
月給30万円の仕事は、コレだけの結果責任を常に負います。
業務の範囲は、コレコレに関する全てです。
経費はこういうルールで使用可です。
毎月、別に定める評価書に準じて、
見直しの機会があります。
契約は、3カ月ごとに見直します。
無論、諸条件を大幅に超える場合は、増額もあります。
明確に、言語化して、
だからアナタの給料は、18万円であり、30万円なのだと、
募集時点で、説明してあげれば良い。
それでこそ、労働者も選べる。
好条件だけを求め続ける労働者は、
永遠に職探しを続けることでしょう。
きちんと部をわきまえて理解している労働者であれば、
自分がどう成れば給与が上がるのか、
理解できるので、向かうべき方向性に邁進することでしょう。
業界や職種のやりがいや魅力などは、
また別物になりますが、
誰もに共通する賃金の設定は、
今後、こうあるべく自然と変わっていくと思われます。
大きなポイントは、
アナタの会社に、
月給30万円の人財に居てもらえるだけの仕事を
創れるのかどうか。
創れない会社は、それこそ、
アレもヤダ、これもできないと言い続け、
ない物ねだりの末…
月給30万とはテキトーに言ってますが、
コレが、50万設定、100万設定などまであれば、
もちろん、なおヨシです。
労働者側に、アナタの会社で働けたなら、
こういう未来が待っていると、
明示してあげられたなら、
それだけでも、労働者に選ばれる会社に成れると思います。
18万の仕事が、給与設定が良いとか悪いとかではないということ。
労働者も、自らが選択した雇用条件であればこそ、
納得して働けるので、
もちろん、定着化にもつながります。
アナタの会社では、
初任給、月給30万円の募集内容を提示できますか?
結果、めんどくさい外国人労働者の採用など、
考えなくても良くなるかもしれませんよ。苦笑
————————————————————–
適正な外国人人財活用についてご関心のある方は、
以下、無料メルマガのご案内からどうぞ。
対象:受入企業側、業者側(国内、国外問わず)、士業など業界関係者
————————————————————–
コメント