大中小問わず、様々な方々が虎視眈々と狙っている、
特定技能市場。
早くも大企業の新サービス内容が、
概要ながら発表されています。
パ〇ナ 『外国籍人材定着支援サービス』 概要
https://www.pasonagroup.co.jp/news/index112.html?itemid=2662&dispmid=798
外国人材採用支援サービス『○○ Worker』 概要
https://usen-next.co.jp/newsrelease/2019/03/nextinnovation-stay-worker.html
サービス内容は以下の通り。
(ほぼ各リンク先などから抜粋です。)
さすが、受入側の心をくすぐるワードが羅列されていますね。
皮肉でネジレている私は一つ一つツッコんでみます。
ケチをつけるようでスミマセン💦
・導入カウンセリング
企業の現状・課題の把握と分析等をもとに最適なサービスを提案
→例えば、どんなことでしょうね。
この給与条件じゃ希望者は来ないとか、
会社に求心力が足りないから定着化は難しいとか、
率直には言えないでしょうけど、
そういうコトのキャッチボールが可能な企業しか相手にしないのでしょうか。
つまり、大企業同士の取引しか考えていないのかなぁ?
・出入国関連対応業務
在留資格書類の作成、代理申請、代理受領等 ※行政書士への取次ぎ業務
→取次申請経験豊富な方へ直接依頼すれば、
受入企業側が嫌がる中間マージンは取られずに済むのですが、
やはり大企業ブランドに対して、
具体的な根拠なく一方的な信者は少なくないのでしょうね。
・生活サポート
引越し手配、航空券手配、住居物件手配、転入等の行政手続き、銀行口座開設、
印鑑作成、携帯電話や電気・ガスなどの各種ライフライン開設、
日本での生活マナーに関するオリエンテーション等
→コレって、一つ一つは決して難しいことではないし、
誰でもできる=自社でもできることで、担当者が面倒を嫌がり、
責任転嫁するためくらいしか、外部委託する意味が分かりません。
日本語に不慣れな外国人ほど、暖かく迎え入れるためにも、
同僚が付き添って一貫してお世話をしてあげるほうが、
定着化につながると思うのですが。
*オリエンテーションだって、自社で考えて独自のノウハウを積み上げるほうが、
よほど受け入れる側の姿勢が相手に伝わることでしょう。
通訳だけは特に最初だけに入れたほうが良いのかもしれませんが、
これらもやろうと思えば、色々探せば捕まえられないことはありませんしね。
・ビジネスマナー Eラーニング講座
日本特有のビジネスコミュニケーションを学ぶEラーニングプログラム
→こういう部分はパッケージ化されていることも少なくないので、
アウトソースしてみるのは手かもしれませんが、
厳しい言い方をすれば、前述同様に、自社で必要なことを調べて考えてまとめて、
能動的主体的に取り組む方が、姿勢そのものが相手に伝わり、
安心して居心地よくなります。
なにより、受け入れる外国人一人ひとりから、
自社として何を必要としているのか、どういうケアが必要なのかが、
自社ノウハウとして経験値を積みあげていけることが何より貴重です。
めんどくさがって外部委託ばかりしていると、
トラブルがあるたびに、ノウハウのある外注先へ仲裁依頼することになりコストがかさむ一方です。
そんな会社に定着すると思いますか?
自分が相手の立場であったならば、どう思いますか?
・なんでも相談窓口
生活や仕事、健康、メンタルヘルス等に関するあらゆる悩みを、
24時間・365日いつでも専門家に相談できる5カ国語対応のホットライン(日/英/中/韓/葡)
→無理くり手厚いサービスと見せていますね。
外国人労働者側にすれば、この業者の人へ頼めば、
何でも解決してくれると言われ、会社の苦情などさんざん訴えられたり、
そもそもが転職相談までされていたならば、
得をするのは、業者側と外国人労働者側でしかありません。
業者側は、アナタの知らないところで、転職先を探し、
また同じ人財で何粒も利ザヤを稼ぐことでしょう。
より待遇の良い、より高い費用を支払ってくれる受入先へ。
・育成計画作成
長期的な定着・育成に向けた計画策定、定期カウンセリング
→これまた、本来であれば、自社でやるべきことですね。
これらを自社でやらないから、定着化しないんです。
業者側の二毛作、三毛作を促進させるばかりです。
・日本語研修
外国籍人材のレベルに合ったコースを選択可能
→この業者へ依頼するのか、自社でもやるのか。
外務省の日本語教育ページに、無料教材もありますし、
オンラインサービスも無料であります。
一緒に見て教えてあげることも良い交流が図れます。
毎回付き合う必要もありませんし、
選任がつきっきりじゃなく、付き合う日本人はローテでも面白そうですね。
・異文化研修
外国籍人材と受入企業の双方に向けた、協働のための異文化理解を深める研修
→愚直に、定期的に、入れ代わり立ち代わりで、
テーマを様々決めて、小一時間でもお話する機会を作るだけで、
十分な異文化理解にもなります。
研修なんて身構える必要もなかろうかと。
・日本ビジネスマナー研修
日本企業のビジネスネスマナーを理解・実践するためロールプレイングを交えて学ぶ
→ぶっちゃけ、習うより慣れろではないでしょうか。
中小の考え方かもしれませんが、特定技能はあくまでも
高度人財といえるほどの人財ではありません。
求めすぎても、人によっては嫌がるばかりでは?
・コミュニティ形成
孤独感を感じないよう日本企業で働く外国籍人材同士のネットワーキングの場を提供
→これこそ、転職など目移りネットワークにしかなりません。
外国人労働者はイチイチお膳立てしなくとも、勝手にマイノリティコミュニティへと
繋がっていきます。
これはコチラ側でネットワーキングの場を提供しようがしまいが、
別で自由に仲間を探し繋がっていきます。
孤独を感じないようにするためならば、仲間として色々誘ってあげてください。
飲みゅにケーションが好きな人もいれば、
何で仕事が終わってまで付き合わねばならないんだという人もいて、
様々です。
料金 提供メニューにより異なる
(6か月間のフルモデルプランの場合、1名あたり30万円・税別/6カ月)
→単純。全て支払う意味があるかどうか。
ただし、前述を見る限り、Aさん、Bさん、Cさんのリクルーティングから
依頼する場合は、コレとは別途有料職業紹介料が必要となりそうです。
特長
・外国籍人材の受入から生活支援、定着に向けた社内意識改革や職場環境整備までをワンストップで提供
→めんどくさがりが外部委託して責任を放棄すれば、
それは定着化へは繋がらず、コストが膨らむばかりです。
・導入コンサルティングを実施し、各社の課題解決に最適なサービスにカスタマイズ
→簡単に言えば、上記で必要なメニューだけどうぞってことなのでしょうかね。
・海外で35年の実績を持つパ〇ナグループの豊富なノウハウを提供
→外国人労働者招聘とソフトランディングと定着化の実績が35年ではありません。
また、会社として35年の実績がたとえあったとしても、
その現場での経験値やノウハウの継承は、とても難しいので、
どこまでも担当者のレベルによるものと思われます。
キレイ事は誰でもいくらでも並べられますが、
求められることは、企業のみならず、
外国人労働者個人個人に都度都度求められるケアです。
一律的な仕組みだけで、一人一人の気持ちに寄り添えるはずがありません。
=担当者個々の力量、寄り添う気持ちによります。
長くなりますが、
もう一社ついでに見てみましょう。
簡潔に行きます。
【対象】
75万社にのぼる当社グループ顧客のうち、外国人材の採用を行う首都圏の企業・団体を中心に順次展開予定
→首都圏オンリーですね。
【概要】
1.外国人材の採用紹介、採用サービス
・事前対面による人物チェック
→面接(面談?)は大事ですね。
・事前面談でのスキルチェック
→スキルチェック…日本語とか?まさか技術スキルを確かめられる場があるようにも思えませんが、
一度会社まで連れていくのでしょうか。
(派遣でよくやってましたね、面接じゃなくて、面談とか、現場見学とか)
・企業面接同席(面接時のコミュニケーション補助):本人希望もしくは面接企業からの要望により同席
→通訳つけてってことでしょうかね。
監理団体の現地選考と同じ意味でしょうか。
2.外国人受入機関申請代行サービス
→3のビザ申請以外で言うならば、
登録支援機関の四半期ごとの入管報告みたいなことでしょうか。
3.外国人支援実施業務委託サービス
・アフターサポート
・ビザ申請
・留学先学校の手配
・日本住居の手配
・日本での様々な生活サポート
・早期退職時返金制度(30日以内に本人都合で退職した場合、100%返金)
→留学先学校の手配?意味がよくわかりません。汗
早期退職時返金制度…有料職業紹介での返金制度ですね。
裏で人財側にも、30日以内での退職は、
罰金=手配料負担などの違約金縛りなどするのでしょうか。
【料金】
・人材紹介:60,000円*(税別)~
*プランによって料金が異なります。
→前者同様、上記委託内容ごとに、イチバン安い一つが、6万円からということでしょう。
無論、一つ一つ足し合わせていけば、それなりの金額になることでしょう。
【特長】
・外国人のアルバイト雇用から特定技能1号雇用や正社員雇用まで幅広い外国人材の採用紹介
・外国人の採用紹介から特定技能外国人受入申請や外国人支援実施まで外国人受入機関としての必要業務をワンストップで提供
ここもやはり、有料職業紹介事業+登録支援機関事業の合わせ技なのでしょう。
…どうも、お客さん、楽できまっせ~!って感じがしてしまって、
なんかこう、目的が違うような気がしてなりません。
お客さんが楽できるかどうかではなく、
お客さんが求める、良い人財を選び出し、労使合意に導き、
定着化させることが、目的だと思われます。
よって、耳障りの良いことばかりではなく、
耳が痛いことまで言える担当者の方が、
信頼を寄せられると思うのは、
私だけでしょうか。
いや、キャッチーな入口にして、
ホントの入り口では、ギュッと閉めているのであれば、
話はわかるのですが。
双方とも、受入企業側は一度利用させれば何でもやってあげて、
離れられなくさせる。
監理団体業務をしていればよくわかりますが、
自社情報をアレコレと伝えていき、なおかつ、一通りの流れを共に踏んでしまえば、
二度目以降は阿吽の呼吸(コンセンサス)も積み上がり続けるので、
これをまた違う業者で一からやり直すことは、
少なくとも担当者にとっては相当なストレスを感じてしまうので、
絡めば絡むほどに、離れられなくさせていきます。
外国人労働者側は特に全ての情報を把握し、
囲い込みを図る仕組みが透けて見えてきます。
外国人労働者側を特にグリップしおおせているならば、
申請資料や更新資料含め、
業界の仕組み上、簡単に支援業者の浮気はできなくさせますから。
どこまでも個人的な思い込みになりますが、
機能的価値だけをうたい文句にするのではなく、
特にこの業界では、
主観的な想いや信念が売りであり、
それに共感できるかどうか、心の機微に触れられるかどうか、
そういう時代な気がしてならないのですが。
さて、受入側のアナタはどうされますか?
経営者の方は、めんどくさいし、俺様の仕事じゃないと、
部下に丸投げしますか?
担当者の方は、自分の仕事が増えるから、
負うべき責任が増えるからと、
社内で業者依頼すべきだと訴えますか?
個人的には、
逃げずに立ち向かうことで、
日を追うごとにノウハウが積み上がり続けることと反比例して、
どんどん楽になっていき、定着化のグリップが聞きやすくなっていくと思いますが、
どうお考え、ご判断されますか?
注:個別の業者批判の意図は決してありません。
あくまでも事例の一つとして、主観的な考えを述べているにすぎません。
悪しからずご了承願います。
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