特定技能の受け入れ制度の良い点として、
企業が単独で受け入れが可能と、法でも定めている点は、
大きな特徴でもあります。
同時に、悪質なブローカーを排除することを掲げていることも相まって、
企業が直接リクルーティングすれば、
コストもかからないしと考える方も少なくないコトでしょう。
これらを実現させるためには、
企業自ら、どこに応募者がいて、
どうアプローチすれば良いのかについて、
壁にぶち当たることになります。
この場合、
二つに分けて考えねば成立かなくなるので、
日本国内での募集方法と、
海外での募集方法と分けて考えてみます。
まず日本国内。
真っ先に上がるのは、日本語学校や大学、専門学校などの
留学生。
日本国内には約750校もの日本語学校があるようです。
そこから、進学して、それぞれの道へ進むか、
母国へ帰国するかのどちらか。
ちなみに、あまりにブローカーな労働力確保目的の日本語学校設立が
増え過ぎたので、
入管は出席率や習得率的なハードルを引き直すべく、
先日ニュースになったのは記憶も残っていようかと。
さて、留学生も、就労目的の子は少なくないので、
特定技能狙いになりますよね。
技人国よりも相対的にハードルも低そうですし。
(4大卒条件なども満たす必要もないので。)
じゃあ、どうすべ。
単純に、その学校へ青田刈りに行くことでしょう。
何でしたら、オタクの学生、ウチでアルバイトで働いてもらえないかと。
これは今でも常套手段でしょうね。
そして、たいがいは、食品製造など製造会社で
日本語をあまり使うことなく、勤まるところ。
はたまた、日本語の習得にもつながる、
飲食店など。
メディアにもたまに出ますが、
食料品製造など留学生のアルバイトが使えなくなったら、
会社はもう回らないとか。
居酒屋、ファミレス、ファーストフード、コンビニ、などなど、
これらもまた、同様に留学生抜きでは考えられない業態です。
でも、特定技能枠を創設したからか、
留学生自体が厳しくなっているので、
いつまで続くのかわからないくらい。
おそらく日本語学校は職業能力訓練校みたいになっていくのかもしれません。
そうしないと生き残っていけないし、
学生も集められないし、
というか、許可率含め、まだまだなかなか先が読みにくいのかもしれません。
まぁまぁ、こういう留学生がいる学校と手を組み、
何とかウチで働いて欲しいとアプローチするしかないですよね。
となると、激烈な競争です。
当然、給料の違いで差が出るでしょうし、
どこぞの国のように、学校側へ謝礼を個別にお渡しするから、
ウチへ斡旋してくれなどなるやもしれません。
海外から招聘してくる場合と違い、
コストはかからないし、直接日本でも会えるし、
願ったり叶ったりで、良質な人財を採用するには相当大変なことでしょう。
中身がちゃんとしてなかったら、額面と企業ブランドでかっさらわれるだけで、
自社には一人の応募もないという会社も出ているのでしょうね。
もう一つのねらい目は、
各分野毎の日本国内での試験会場でのアピール合戦。
ピンポイントで、その分野で働きたい人が受けに来る試験ですから、
当然のごとく群がります。
目の速い業者が多そうですが、
今後、企業自体が直接ビラ配りに動く風景も増えることでしょう。
労働者側は選ぼうとするので、これまた募集に対して採用に至るかどうかは何とも。
…田舎であれば、
周りにそんな日本語学校もロクになく、
あっても常に地元の優良企業に根こそぎ持ってかれて、
横から手を出すことすらままならない。
また地方だけに、額面で見れば、
都会の方が給与条件が良く、
試験合格者は誰もが都会へ行きたがるでしょうし。
日本国内での募集については、こんな感じでしょうか。
もう一つは、海外組。
海外でも海外での試験会場でビラ巻きなど頑張ってみるのも良いですが、
日本ではないので、日本語は通じません。
いや、対象者はN4相当なのかもしれませんけど、
N4相当=しゃべれるワケじゃないですしね。
そして、それ以外、
どうやって海外でダイレクトにリクルーティングできるでしょうか。。。
後は、昔からリリースされてはいつの間にかなくなっていく、
人財登録アプリみたいなマッチングサイト。
これが爆発的にはやらない理由は今は述べませんが、
今後、どこかで流行ったりするのかもしれませんね。
ちなみに、リストを登録するだけではビジネスになりませんから、
こういうサービス提供先では、
間違いなく派遣や職業紹介事業に取り組んでいます。
…
お分かりでしょうかね。
受入企業側が直接自分で人財候補者を募集することが、
どれだけ難しそうなのか。
仲介業者無しで、どこまで何ができるものなのか。
おそらく、一部の大手を除き、
ほとんどの一般的な企業では、ろくに募集すらできないものと思われます。
ハローワークも頑張るようですが、
しょせん民間にはかなわないでしょう。
企業側がいくら頑張ってみても、
外国人側の問題だってありますしね。
そして、募集できて、労使とも合意に至り、
採用までこぎつけられたとします。
その後、どうすれば入国配属、
また、ビザなどの諸手続きを進めますか。
これも当事者である受入企業側でもできますよ。
ほとんどの会社がしないだけで。
行政書士などへ依頼するのは、
仲介業者ではないということでしょうか。
以前は、当方にまで、現地で日本語学校を経営する方々から、
諸々ご相談をいただいていました。
彼らがすべからく口に出すのは、
仲介業者を介さずに、直接受入企業側へ送り出すことができるから、
搾取されずに済むと思って、出口を探したいんだけど、
どこかないですか~?って感じ。
イヤ、アナタも搾取する側なんでしょうと。
今まで送り出し機関にお願いするうえで、
搾取される額ばかりのしていたから、
自分がもっと儲かりそうだから頑張ろうかという感じの方がほとんど。
なんか違うんだけどなぁ。
中間業者が減れば、その分、当人に回る分配も増えるから?
それって、本人に回してあげるべきなのでは?
いや、また話がそれました。
国内、国外問わず、
外国人労働者の直接の募集については、
自社単独での実現は、
そう簡単なことではありません。
それでも、色々取り組んでみるのは良いことです。
その困難さがよくわかりますでしょうから。
否定的なことばかり言いたいワケじゃないんですけどね。
募集を考えるの大事ですが、
個人的には、自社の雇用条件、また待遇、他、
外国人労働者が心配するようなことについてのケアなど、
事前に準備すべくことが盛りだくさんなようにも
思います。
わかりやすく言えば、額面一つとっても、
特定技能の候補者にウチは月に12万です、いかがですか?なんて
いくら声かけても集まらないでしょ。
絵に描いた餅に終わらなければいいのになぁと思うばかりです。
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