一年を振り返り、来年への思いを新たにして、
良い年を越す準備をしているところですが、
いつもながら色々考えさせられます。
先日、ある送り出し側の方から、こんなご相談をいただきました。
—
特定技能者の受け入れを希望している企業を紹介するから、
コンサル料をください。
一人頭いくらです。
もちろん、成立したらで構いません。
こんな提案をいただいたんだけど、
どう思いますか?
—
オーダーが取れない送り出し機関には、
それはそれは魅力的に映ることでしょう。
…
端的に言えば、
『やめておいた方が良いのでは…』
という結論になりました。
問題の根幹は、
『送り出し側からお金を取る仕組み』
です。
送り出し機関から利益を取ろうとするスキームはうまく回らない…
コレ、技能実習制度で言えば、
単にベトナムのキックバックと実質同じ話ですが、
どう思われますか?
特定技能も悪質ブローカーを排除したいから、
企業単独型を認めているくらいです。
入管も好ましいとは思わないでしょう。
ただし、今はまだメディアの目に触れるほど、
実際には被害者がたくさん出ていません。
結果、死に追いやられたかわいそうな事件も起きてはいません。
(報道されていないだけな場合もあるかもしれませんが)
コレ、個人的には、
来年には、ボツボツ問題が表面化していくように感じています。
2019年末の現時点でさえ、こんな被害が出ているようです。
すでにインドネシアでは業者へお金お支払わないと日本へ行けないとして、
支払ってる被害者はたくさんいるようです。
フィリピンも同じ。
いや、どの国にもいそうです。
日本国内であっても、
特定技能の在庫ストック(失礼)は何万人もいるからと、
すぐ来るからと、
早々に業者へお金を支払ってしまった受入希望先もあるようで、
契約解除だ、返金しろ!と喚いても叫んでも返ってこない。
もめくりかえっているところもあるみたいです。
コチラは少々情けない気もしますけど。
更には、2020年には、
借金漬けで何とか特定技能で日本へは来れたものの、
後先考えずに借金を膨らませていたため、
結局、もっと高い賃金を目指して、転職を繰り返す。
それもままならなければ、失踪して、イリーガルで危険な仕事に就くようになる。
表に出てやり玉に挙げられるのは、
冒頭のケースでは送り出し機関です。
悪質ブローカーは頭が良いので、
決して表には登場しません。
表に登場しないと稼げないのは、悪質でも三流のやり方です。笑
あ、そうそう、
悪質にももう一種類あって、こっちがタチが悪い。
本気で良いスキームだと思い、
本気で世の為人の為だと思い、
本気でこの事業にかけていると燃えている方。
こういう方は、そもそも自分の行為が
なぜ悪質だといわれなければならないかが理解できない。
そして、えてして、すでに腹をくくって、こういうスキームでゴーした後から、
これはマズイやり方だよね…と指摘されて、
ひっこめようがない状態。
だから、自身でも悪質だという現実を認められない状態に陥ります。
ホント、いつも話がそれていく…涙
つまり、
人ひとりひとりと面と向かって指導したりお世話をしている送り出し機関は、
えてして営業面が、からきし弱い。
こういうスキルが弱いと、
頑張る教え子や困っている子を見て、
ついつい、話に乗っかってしまい、
結果、残念でつらい目を見るのは、手塩にかけた教え子たち。
つまりは、良い人だけでは経営は成り立たない。
じゃあといって、数字ばかり追いかけていたら、
それはそれで、銭ゲバでしかない。
そう、そういう優しい日本人って、
お金の話をするだけで怪しい奴とさえ思う人もいるかもしれませんからね。汗&苦笑
送り出し機関からお金を取るくらいなら、
堂々と受入希望先から取るスキームを考えましょう。
それもできないくらいの営業力ならば、
業界参入をやめることをお勧めします。
想いが強ければなおさらです。
それか、もっとちゃんと、
有料職業紹介事業として励むか、
登録支援機関事業として励むことをお勧めします。
ナゼここを堂々としないのか。
めんどくさくて仕事にならないと思っているからでしょ?
だからといって、そこに懸命に動いている連中をアゴで都合よく使って、
それでちゃんと機能すると思うのは、ナゼでしょうか。
その時点で、単なるマネーゲームに落ちていて、
間違っているとは思わないのでしょうか。
(最初から単なるマネーゲーマーはそもそも別です)
イチイチ言われないとわからないのでしょうね。
最弱者から、最弱者にとっての大金を巻き上げる、えげつない手法であり、
後にうまいこと回らなくなっていくのに、
自分はその頃には手を離れ責任も負うことはもちろん無いという、
何ともズル賢くイヤラシイ手法だと。
そして、続かない手法だと。
わかっていて、さらに短期的にでもうまく小遣い稼ぎができればラッキー的な、
ライトな感じで取り組んでいるのも、タチが悪い。
この業界の残念なところですが、
転ばぬ先の杖は、転んで実際に痛い目を見ないと、その杖の大切さを理解できない。
それどころか、杖を用意している間に飢え死にしてしまうから、
気にすることなく前に出てくる。
悪質を狙う輩が、なんてやりやすい市場なのかと。涙
だから僕らは情報武装(防衛)していく必要があります。
ちゃんと落ち着いて深く考える必要があります。
本業は人財共育であり、丁寧なマッチングであり、
よりスムーズでストレスのない世界です。
もっとすべきこと、フォーカスすることが山ほどあります。
だから、
安易に取り組まないコトです。
2020年は、メディアの端にも取り上げられる諸問題が少しずつ表面化していくことでしょう。
転落した特定技能の外国人、ナゼこうなったのか?
などは、必ずどこかで話題になっていきます。
残念ながら、現段階では、被害者の発生は止めようがありません。
止められるとしたら、
それは、もう少し先の話で、
ちゃんとしたレールが敷かれて、
ストライクゾーンが様々見えてきて、
そこまでいくうえで、屍を踏み越えてたどり着いた先に、
実現できるかどうかです。
生みの苦しみ的な問題です。
狭間で振り回されないようにするためには、
誰も懇切丁寧に寄り添って助けてくれないので、
自分で自分を守るしかないですし、
守れる力があればあるほど、
関わる仲間も守っていけます。
別にそこまで恩着せがましく活動をしているつもりもないのですが、
それ以前に、そもそも志が同じ方向を向けていない人たちとの接点を取りたくない。
もっとマトモな方々とだけ、より良い世界へと早く歩んでいきたいだけです。
特定活動の事業に様々励んでいらっしゃる方々は、
ぜひ色々お気をつけて、良い2020年を迎えられたらと願ってやみません。
お気をつけください。
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