介護現場での外国人技能実習並びに特定技能の絶望とは

介護

まぁ、コレはサービス業全般に言えることですが、
残念ながら、整わないんです。

正確に言えば、整わないケースがほとんど。

みんな「絶望」を直視しない。
外国人に頼るしかないから、見たくないというか、
様々な現実を知らないがために、
風が吹けば桶屋が死ぬという展開まで想像だにできないというか。

何年か前、介護の門戸が開くという声が上がり始めた頃から、
ずっと言い続けてきたことを、
今になっても、改めて同じことを伝えたいと思います。

ちょうど介護分野でこの業界についての講師依頼を受けたところなので、
自分なりに今一度振り返ってみようかと。

注:
レアケースとして、今のところ、
入口から整理して受入がスムーズに進んでいるような先も耳に入ってはきますが、
出口?(ひとまず3年修了時)までは先が長いので、
未だに成功実績などないということを承知しておいてください。

えっと、できるだけ伝わるように説明してみます。

題して、『絶望シリーズ3連発!苦笑&涙』

第一の絶望
そもそもコスパが合わない。

施設側が期待したい人件費並びに間接コストでは、
到底収まらない。
想定以上になり、現状の日本人スタッフの給与額面をはるかに超えてくる。
募集コスト分すら考慮に入れて考えられないレベルの方も少なくない。

第二の絶望
外国人側に総じてメリットが小さい。

日本語ハードルをクリアせずとも、介護以上に稼げる先は少なからずある。
外国人だって、選り好みは激しくなる一方なので、
大変でキツくてツライ、嫌な仕事と思われがちな介護(失礼)に、
ストレスフルな職場に就きたがる人財はそもそも少ない。
騙くらかして、呼び寄せたとしても、失踪なのか途中帰国なのか、
定着しないことくらい、わかりますよね。
外国人は辛抱強いから大丈夫と思っていたら大間違いです。

第三の絶望
受け入れできても、受入側で育成とケアができず、不幸しか起きない。

日本人だって育てられない、求心力のない施設では、
外国人を受け入れできたとしても、
育成も出来なければ、生活まで含めたケアができない。
余計に既存スタッフにストレスが増え、
(ストレスとしか感じさせられない)
結果、要介護者に適切なサービスも提供できなくなる。

だから、介護は整わない。
いや、上記3点以外にも、いくらでも問題や課題は溢れています。

これらの現実を踏まえて乗り越えられますか?

やってみなくちゃわからないとして、
ガムシャラに突き進みますか?

一つ一つを掘り下げていくと、
例えば、就業規則の賃金規定からして見直すべきだとなり、
全職員の人件費アップにもなりかねません。

適正で適切なルートを探し出そうと、
良い業者をいくら探しても、所詮は他人事なので、
当事者意識を自施設と同じ以上のレベルで考えて取り組んでくれる先などありはしない。
だから、結局自分たち当事者同士で力を合わせてルート開拓、
ルート整備をすべきことに行き着く。
ここに納得して到達するまでも、相当なコストと時間と労力を注ぎ込む。
そもそも自分自身の目で現地の現実を見てこなければ、
肌で感じてこなければ、地に足ついたレールは引けるはずもない。

ご縁のある国を選んだとしても、
その国のルールも変化するし、
実情も移り変わりゆくので、
もし仕入れ(失礼)ルートのリスクヘッジを考慮するならば、
常に2つか3つのルートを維持確保しておくことまで頭の片隅に置いておくべきだし、
それは国すらまたぐ必要も考えられる。

加えて、3年、5年のスパンで考えてみてください。
いくら未だわずかながらにも日本との経済格差があったとしても、
この先、光の速さで追いつき、追い越されるやもしれない今、
受入したは良いけど、途中で気づいたら、
外国人の方にとっては、日本で出稼ぎして居る意味がなくなっているかもしれない。

そもそもレールを引いても、ルートを開拓しても、
来てくれる人財はいなくなるかもしれない。
(募集しても集められなくなる時代は決して遠くはない)

守らねばならない法律もドンドン増えていく。
法そのものも変化していくので、キャッチアップに余念がない状態を維持していないと、
あっという間に法令違反。

あぁ、本当にキリがない。

そもそも3つの絶望のうち、
実は根本的な問題は、第三の絶望です。

現状でも、自施設内ですら、
新人スタッフ育成、チーム力向上、全体最適などが成立していないところに、
ナニジンが入ってきても定着するはずがない。

求心力のない組織には、
誰一人として、集まらないし、続かない。

中途半端じゃ他との差別化にすらならない。

経営者や採用担当者が、そもそもくたびれて絶望しているから、
前に進む気力もない。

残念なマネーゲーマーは、こういう施設にまで、
イイ子いますぜ、しゃちょー!とばかり、
風俗のキャッチかというような営業をかけてきます。

目先の銭だけもらって、お役所や外国のせいにして、
当の本人はいつの間にやら雲隠れ。

それも別に悪質ブローカーだけじゃなく、
両国の架け橋を!と情熱に燃えた若者が、
知見の無さに、結果、そういう事態を生み出すことになるのは、
残念で仕方がありませんが、現実です。

いやもう、いっそ気持ちいいくらい絶望しかありません。
残念という言葉では済まないほどに、
姥捨て山化まっしぐらです。

真綿で首を絞められているから、
自分自身がヤバイ状況になるまでは、
平和ボケした日本人は、どこまでも他人事。

大衆はすべからく間違っている。

そんな言葉も、つい頭に浮かんでしまいます。

さて、これらを踏まえて、
どうしていくべきだと思いますか?

千里の道も一歩から。

一つ一つ歩んで足元を固めていくことが大事です。

一つ言えるのは、
移り変わりがどれだけ激しくても、
変わらないコトがあります。

人間、理屈だけでは動けない。
打算だけで動いてはいないってこと。
心理学や脳科学が解明してきていることはたくさんあるようです。

加えて、待ったなしの世の中、
加速度も必要です。

どうやって加速させますか?

一人じゃできることなどたかが知れてますので、
英知を結集すべきでしょう。

無理なく、むしろ自発的に取り組みたくなるには、
どうすべきだと思いますか?

急がば回れ、という言葉も思い出します。

色々と書ききれませんが、少なくとも、
これら絶望をまず直視することから、全ては始まります。

さらにいえば、これらの絶望を、自分の目で、自分の耳で、
自分の足で、調べて体験してみるところからがスタートです。

願わくば、地に足ついて、
さらには、その土台が確固たる堅牢な足場となり、
その土台の上に、またちゃんとした建物が立つことを祈ります。

雨風、台風、雷、地震と自然災害は多く降りかかってきますが、
ちゃんとした家は、しなやかさも持ち合わせ、
住んでいる人がちゃんとメンテしていけば、
少なくとも数年で潰れることはありません。

くどくどと何度も言いますが、まず絶望を直視しましょう。
絶望を直視できないと、希望も見いだせません。

明るい希望は、絶望というパンドラの箱の中にしかないのですから。

臭いものにフタをして、先送りするのはもうムリゲーですから。
オワコンですから。

自分だけ良くて、子供たちにツケを回すのは、やめましょうよ、ねぇ。

情けは人の為ならず。

あぁ、止まらない。苦笑

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