技能実習にせよ特定技能にせよ、制度実態が一般の方々にわかりにくい理由

余談

未だに私のところに、時折、唐突に、
「教えてください」的なご質問やご相談が届きます。

基本的に有料の方々に時間を割いて対応していますが、
何の関係のない方にも、多少なりとも時間を見つけて、
お返事を返すようにはしています。

たまにはと、そのやり取りを書いてみます。

*ちなみにこの方、どこのどなたか、どのポジションなのか、
そもそもが業界人なのか、何一つわかりません。苦笑

はじめまして
お聞きしたいのですが

ベトナム人の建設業の受け入れの企業のイニシャルコストとランニングコスト
技能実習生、特定技能でそれぞれどのくらいかかるのでしょうか?

また、入国前のベトナム人はよく日本に来る前に借金をしてくるといいますがそれは、受け入れ企業が払うべきイニシャルコストを実習生が負担してるからなのでしょうか?

ご意見お願いします。

元職員
元職員

こんにちは。
ご相談の件ですが、一概に簡潔にお伝えできるものではありません。
前者はケースバイケース。
後者は見方により異なります。

お返事ありがとうございます。
前者のケースバイケースとは企業負担額と労働者負担額の割合は法的な定めは無いという事でしょうか?

後者についてこの様なケースが聞いた事あるなど実態について1例などありましまたらご教授頂けければ幸いです。

中々、どこに聞いたらいいか分からずご意見頂けますと幸いです。

元職員
元職員

前者について
世界基準として進んでいるのは、サプライチェーンに行き渡る労働者負担ゼロの世界。
ただし、ベトナムについては、国として送り出し機関が労働者から費用徴収することを許可している。
同時に借金という足かせもないままに就労入国前の教育を施しても、施された側は平気で止めたとなり、教育コストは成立しなくなる現実。
これらの肌感覚は現場で目の当たりに経験しないと腹落ちして理解できない。

元職員
元職員

後者について
企業側が基本的に負担しています。
ただし、ベトナムの場合は、先の通り、送り出し機関がその費用を元に様々なブラッシュアップを加速させています。

貴重なご意見ありがとうございます。

後者について
「企業側が基本的に負担しています。
ただし、ベトナムの場合は、先の通り、送り出し機関がその費用を元に様々なブラッシュアップを加速させています。」
についてですが

ベトナム送り出し機関が実習生に費用徴収の中に
企業側が負担すべき費用は含まれないのでしょうか?

技能実習生 ベトナムにいる特定技能生を受け入れる場合、
ベトナム送り出し機関に費用を納めなければならないと聞きます。

実際ベトナム送り出し機関側は2者分(ベトナム実習生/日本企業)の紹介料を得ているという事でしょうか?

元職員
元職員

「ベトナム送り出し機関が実習生に費用徴収の中に
企業側が負担すべき費用は含まれないのでしょうか?」
→含まれるともいえますし、含まれないともいえます。

「実際ベトナム送り出し機関側は2者分(ベトナム実習生/日本企業)の紹介料を得ているという事でしょうか?」
→実際には、そうとも言えます。

当初申し上げましたように、
一概には伝えきれません。

関係当事者が多数いることが、
問題を複雑にし、わかりにくくしています。
現場を知らねば、
全体最適のバランス成立にたどり着きにくいのが、
そもそも問題ですね。

労働者側の視点、
送り出し機関側の視点、
監理団体の視点、
受入先の視点、
更には、
ベトナム側の法の視点、
日本側の法の視点、
日本側では、労働関連法に入管法、技能実習法、組合法、税法、年金なども複雑に全て紐づいて絡んできます。

『正義』同様に、
一方からの見方では絶対に正しい。
でも別方向から見たら害悪とも言える。

少なからず法社会に生きる私たちは、
法と多様性を尊重する中で、
どこでバランスを取って現実を進めるべきなのか。
人それぞれの幅や解釈の中で、
全ては関係当事者がそれぞれに自己責任の下に判断して、
それらの当事者間での全体最適を成立させていくこととなります。

 

・・・

コレラのやり取りからも、
一般の非業界人の方には、
見えない、見通せない部分が、山ほどあります。
同時に、
ソコまで考えが及ばない業界人もいます。
(私の考えが、広範囲で全網羅して行き渡り、十二分に及んでいるかどうかは棚上げして😅)

どの業界でも同じことなのかもしれません。

ですが、この業界の領域が多岐に渡り、
深く関連して、根深いものがあるということと、
立場によってかかるバイアスが違うことから、
俯瞰的な全体最適を求める場合、
どうしてもそれぞれのポジションからの
部分最適の最高理想形(ある意味、自分だけの身勝手な理想形)は、
成立しない構造になっています。

=誰一人置き去りにしないためには、
そもそもがステージに上がるべきではない人が出てくるということと、
それを客観的ハードル(ルール)で排除しきれるものではないということです。

こんなん、誰一人として、
ベストバランスの最高到達点なんて、
成しえない。

強いて現実的に言うならば、
関係当事者が許容、承諾、満足する前提においての、
当事者間ならではの到達点こそ、現実的な理想となります。

いわゆるパラメータ(変数)がいくつもあり、
たとえどれほどの歴戦練磨の業界人であっても、
たとえどんなに金持ちであっても、
どれほどの権力者であっても、
どんだけ頭の良い官僚であっても、
なかなかに難儀で罪作りな業界と言えなくもない。

それでも、私たちは、
笑顔と感謝が自然とあふれ出す社会を目指して、
鋭意、アレコレと取り組んでいく次第。

不謹慎ながら、
難解なゲームだからこそ、ヤリガイも面白さもあり、
飽きもせず、懲りもせずに、楽しめるんじゃないかなと。

どこまで品上がれるかを目指し、
追い求め、一つ一つ実現して、積み上げていく。
そして、品下がる人の性質とも、
またケアし、支え、知恵と工夫とコミュニケーション能力を駆使して、
軌道修正をかけていく。

そんな業界であり、業界人が少なからずいることも、
世間様に少しでも伝わるといいなと思います。

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自分で言うのもなんですが、業界人は登録しとくと良いと思います。
SNSやLINEなどもいいんですが、やっぱり個別に届き、残り、ふとした時に探しやすいメール媒体が好きなんです、私。
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