表面的に見れば、
右から左で搾取しているケシカラン輩としか見えないのでしょうね。
そして、これらブローカーが幾重にも群がっているからこそ、
外国人労働者が借金漬けで可哀そうなことになっていると。
嫌われるのが怖いからか、
叩かれるのが怖いからか、
誰一人ブローカーを肯定しないから、
あえて肯定してみます。
批判される方は、できれば中身をちゃんと読んでから、
お願いしますね。汗
長年の読者の方は、ご承知おきの論調なので、
おさらい的な確認の意味でさらっとお目通しを。
ナゼ、ブローカーが必要なのかについて、
改めてお話します。
もしかしたら、私がここで触れる存在は、
ブローカーとは言わないのかもしれませんが、
雇用主と労働者の間でお金を取る存在をブローカーというならば、
間違いなくブローカーと言えるので。
私がブローカー肯定論を提示する根拠は、ただ一つ。
埋めなければならない情報格差が
当事者同士では埋めきれない現実的乖離があるから、
これらを埋めて、すり合わせるために、
プロの存在が必要だからです。
この点について、大きく二つの存在意義があります。
一つ目は、
マッチングについて。
この視点を改めて取り上げるキッカケにもなったことですが、
優しい多くの日本人は、中間搾取業者の排除を目指して、
企業と労働者を直接つなげるマッチングサイト(アプリ)を構築しようと
試みます。
かくいう私も、5,6年前にトライしようとしました。
今のタイミングでならば、以前よりは追い風であると思います。
しかし、それでさえも、
受入側、労働者側、双方が双方にとって必要な知見を身につけるために、
それ相応の努力や勉強をしなければならないのですが、
自らが手痛い失敗をせねば、
その必要性に気づけず、必死にもなれないので、
なかなか成立しないということ。
さらに、例え成立したとしても、
どんどん移り変わりゆく法、しかも二国間でケアが必要な各種法を、
マッチングだけで必要十分にケアできるものではないということ。
その手間暇が、質量ともにとんでもないボリュームだということ。
両国の法を無視して、当事者同士だからと好き勝手にマッチング成立して、
国をまたいで安易に移動ができれば良いのですが、
現実はそういうわけにはいきません。
もう一つは、
日本へ来日してからの支援が必要ということ。
これは外国人労働者のみならず、受入側へも支援が必要です。
残念ながら、その国のその外国人の感情や価値観や考え方や姿勢など、
全てにおいて受入側の指導者や同僚との間にギャップが大きく、
事前に日本語のみならず、日本で暮らす、日本で働くという、
様々な免疫教育が必要ですし、
それらを施していても、様々なトラブルが発生します。
これらも情報格差が大きいと、解決のしようがありません。
双方にとって、良かれとスタートしたことが、
互いにマイナスしか生まないことになります。
昔の結婚式ではありませんが、
少なくとも当面、二人三脚で寄りそってくれる
仲人的な善意の第三者の存在が必要です。
しかもそれは、
ちゃんと受入企業側と外国人労働者側双方にグリップが効き、
諸問題を互いに納得できる形で解決に導けるだけの実力のある第三者でなくては、
なりません。
でないと、意味がありません。
書ききれないほどのポイントはたくさんありますが、
大きく分けて、この2点。
特定技能で言えば、
職業紹介部分と、登録支援機関部分です。
ちなみに、昨日、一昨日と書き連ねたように、
一貫して入口から出口まで寄り添い、
トラブルを共に乗り越えてきてこそ、
人間関係(信頼関係)が築けるので、
役割分担で、切り分けて対応しているところには無理な相談ですね。
そして、これらって、
実は相当な知識や経験と、
時間とコストと労力を費やさねば、
第三者の求められる効果は発揮できません。
これら全て、ブローカーのお仕事です。
有資格者や許可団体にしか許されないお仕事である場合がほとんどです。
あ、ブローカーって、
私の定義で言えば、間でどういう理由であれお金を搾取する人すべてですから、
国も管轄機関も有資格者も許可団体も、全てブローカーです。
あと、特に労働者側から直接間接を問わず搾取することを
特筆して悪質ブローカーというのでしょうけど、
企業側から搾取すること自体も、
巡り巡って労働者側へ配分される賃金が減るということなので、
同じことと考えるべきですね。
あぁ、極論、日本語教師もブローカーです。
だって、受益者負担として、労働者側からか企業側からか、
コストを徴収して、給与としてご飯食べているのですから。
就労出口が決まっていない方へ教える日本語であっても、
それらは単に趣味の領域ではない場合、
広い意味で同じことですね。
(就労出口が定まっていない=日本語習得が自身の将来に
どれだけ役立つかわからないのに、おカネを取って教えるというのは、
余力のある方々を相手にしている場合は別にして、
ある意味、その人にとって良いことかどうかさえ、疑問に思えてしまいます。)
そう、言い出せば、誰も彼もこの業界で喧々諤々言い合っている、
私たちは、当事者を除き、殆どがブローカーだと言えます。
もう一つ、無料であればそれもアリですが、
人は霞を食っては生きていけません。
お金を介在させることの良い点は、そこに責任がついて回ります。
なので、お金を介在させること自体については
決して悪いことではないと思います。
むやみにお金稼ぎ=悪だと結び付ける方は、少し残念な方ですね。
プライドをもって日々の業務に取り組んでいる方に限って、
ブローカーは排除せよと声高に訴える方がいます。
業界全体が悪いと、実習生保護にて企業側などから
支払うべき賃金を支払わせることを業務としている人もいます。
すべて、自分たちもブローカーなのだと、
理解していただきたいものです。
点と点がいつまでたってもめぐり合わないことや、
解決できずに、ただただ立ち止まり続けることは、
誰にとっても宜しいことではありません。
むしろもったいない。
利益の視点から言えば、
コストを支払った分、支払い実現しなかった未来が切り開け、
結果、新たな利益を生み出し始めるならば、
いかに早くその明るい未来を実現させるべきです。
それで、受入側にとっても、労働者側にとっても、
笑顔で感謝が紡がれるならば、余計に。
最近、常々思うのですが、
税理士や社労士って、企業に寄り添い続けながらも、
ブローカーとは言われないのはなぜでしょうか。
しょせん、人の捉え方やイメージの問題であって、
私には、やっぱりブローカーはすべからく排除すべき問題ではないと思います。
ひたすらに訴えている方々は、
おそらく著しく想像力にかけるか、
現実をあまりに知らない、もしくは一部しか見えていない方なのでしょう。
当然、大衆には、一部しか見えていないし、
人は自分が信じたいものを信じる傾向が強くあります。
私はたまたまこの業界にどっぷりなので、
大衆の方々よりは、見えているだけなのでしょうけど、
だからといって、大衆の批判通り、
ブローカー=中間搾取業者は、すべからく排除すべきだとは思えません。
確かに響きも聞こえも良いですよね。
労働者側と企業側で、当事者同士でスッキリやり取りいただければ
それにこしたことはありません。
実際に実現可能ならばと、今でもたまに考えを巡らせることさえあります。
しかし、その度に、
今までぶち当たってきた、様々な障壁が次から次へと思い浮かびます。
それでも、時代は移り変わっていますので、
今まででは不可能だと思っていたことが、色々と乗り越えられるケースが、
増えてきています。
私も凡人の一人ですので、
今までの経験から、できないと思い込んでいるのかもしれません。
ですが、私の今の考えでは、
ブローカー排除を叫ぶよりは、
本質的かつ現実的に必要不可欠な様々な行為をどう対応すべきか。
また、これらが適切に対応できる人を増やすためには、どうすべきか。
こういう考え方や取り組む姿勢にコミットできる方を、
どうすればもっと増やせるのか。
ここに重点を置いて、取り組むほうが、
現実的に、不幸の量産を減らせるものと考え、活動しています。
もちろん、個々に考えや判断があるので、
強制も何もないですが、
せめて、同じ方向を向く仲間同士で、
切磋琢磨が加速度的に進めばなぁと願っています。
もう一つの言い方は、
悪質かどうかの違いです。
ぶっちゃけ悪質ブローカーの相手をしているほど、
みんなヒマじゃないので、
そういう輩はフェイドアウトして
相手にしないのがイチバンだと思うんですけどね。
そう、『悪質ブローカー』は排除すべきであり、
『良質ブローカー?』は育てて育むべきだと思います。
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