インドネシアでの特定技能の覚書が締結されました。
同時に、他国に先んじて、
インドネシアは、国として一元管理がなされるようです。
現実的な詳細は、未だわかりませんが、
国が全て対応してくれるのであれば、
送り出し機関も要りませんね。
特定技能は企業単独型での受け入れがOKであるので、
送り出し国側が、企業単独でのリクルートメントをOKとするならば、
企業と労働者と、直接やり取りすれば良いだけになります。
それは、
世間的に、とても好ましいと言われることでしょう。
なんなら、日本国内の求職求人市場も、
ハローワークだけで済むようにしてもらえれば、
中間搾取と言われる人買い業者、悪質ブローカーは、
不要になります。
…アレ、じゃあ、ナゼ有料職業紹介業者が、
この日本でも棲息しているの?
ハローワークで求人だすしかできなくしちゃえばいいじゃん。
法で根元から規制して罰則作れば良いじゃん。
外国人就労支援業界でも、
日本側業者も、送り出し側業者も、
全部廃止させて、当事者同士だけで直接雇用すればいいじゃん。
インドネシアが、どこまでどう絵を描いているのかわかりませんが、
少なくとも日本は、選択肢を用意しています。
企業と労働者が直接やり取りするのは当然OKですよ、
でも、心もとなかったら、許可された業者であれば、
助けてもらうことも可ですよ…と。
人権保護や、送り出し国と日本との国際問題も含め、
人は残念ながら低きに流れる性悪説的な面も持ち合わせているので、
どうしても法律ががんじがらめになってきます。
税理士、社労士に依頼する市場があるように、
外国人就労支援士(私が勝手に言ってるだけ。笑)の市場も
間違いなくありそうな気がします。
有料ともなると、受益者負担の原則から、
受入側と労働者側に、かかるコストが請求されます。
そうして、経済社会は弱者から吸い上げられるように、
労働者側へと負担割合の天秤は偏りがちになります。
コレも歴史的には周知の事実なので、
国側も、これまた法で最低限を縛ろうとします。
法には抜け穴があるので、
結局、イタチの追いかけっこ。
結果、市場として神の見えざる手が働き始めるまでは、
野放図となりますが、
次第に相場観が形成されていき、市場で認知を得てくると、
後はどれだけ裏に潜ってうまいこと稼げるかどうかの輩と、
真っ当に取り組むグループとの線引きが進みます。
えっと、話を戻します。汗
肝心なことは、受入側にも労働者側にも、
『選択肢』は多い方が良いのではということです。
このインドネシアを例に言うならば、
情報の一元化は国として当然、管理すべきことでしょう。
外国へ行って、殺人事件などトラブルを起こした人間を、
また他国へ送り出すなんてしていたら、
間違いなく国際問題になりますし、
そうでない場合も様々、一元管理すべき理由はたくさんあります。
国として、日本の受入企業からの求人をまとめて、
掲示してあげるのも良いでしょう。
求職者=労働者にとって、選べるのは、
とても良いことです。
でも、自分で就職先を選んで、探して、見つけて、
エントリーするまでは良いのかもしれませんが、
企業側と労働者側と、雇用の合意に至るかどうかまでを、
当事者同士だけで、できるものなのでしょうか。
かかる書類は山ほどあるけど、
これらを全て企業側で揃え、労働者側へ送り、
十分な理解を確認することなく、
労働者側が何でもかんでもサインして、
日本へ送り返せるのでしょうか。
そもそもインドネシア国内でも各種手続きがあると思いますが、
それらは労働者当事者が一人一人、ちゃんとできるものなのでしょうか。
ジャカルタの当局窓口には、
はたして何百人、いや何千人が並び続けるのでしょうか。
オンラインでとありましたが、
全てオンラインでできるのでしょうか。
まぁ言い出すとキリがありませんが、
何もかもの手続きを問題なく整えて、
受入企業の元へ馳せ参じることが、
労働者自身、一人一人、自分でできるとは到底思えません。
それでも自分でできる人、やりたい人は、
出来る選択肢があるのは素晴らしいことです。
でも、出来ない人は、支払える範囲で
業者に依頼して、手続きを進めてもらってもかまわないという選択肢は、
あったほうが良いんじゃないかなぁと思います。
よく、労働者側に多額の借金を背負わせることを、
絶対悪とばかりに騒ぐ人がいます。
確かに、返済しきれない、返済原資を生み出せない借金は、
すべきじゃないし、させてもいけないと思います。
でも、逆に返済できるなら、
少なくともそこに当事者本人が納得できるだけの満足があるならば、
それは当事者責任において、借金を止める理由も強制力も、
周りにはありません。
よく出稼ぎなので、いくら稼げるから、
いくらくらいまでなら良いんじゃないかと、
計算する人もいますが、
これらの計算も、また人それぞれです。
人によって、出稼ぎに行けるなら、
最低100万円以上稼げればOKという人もいれば、
絶対に300万以上は稼いで帰らないとならないという人も
いるかもしれません。
また、日本へ行き、生活の負担なく、
持ち出しも結果なく、日本で働きながら、
日本を満喫できること自体に、
満足をおける人もいるかもしれません。
もう少し言えば、
日本語を教えるのが上手で、生徒さんにはN1やN2がゴロゴロいて、
こういう先生にちゃんと日本語を教えてもらい、
せめてN2取ってから日本へ行きたいとか、
優良な企業からの求人しか受け付けない送り出しで、
今までの口コミでも評判で、
応募者が指名で未だに殺到している受入先へ働きに行きたいとか、
日本へ行ってからのフォローアップがちゃんとしているところから
日本へ行きたいとか、
人によって、求める部分が違う場合があったり、
そこを売りにしてPRしているところもあります。
30万しかかからないけど、
ちゃんとした先生がいるかどうかも分からない、
どんな仕事するかもよくわからない、
手取り10万もないところへ出稼ぎに行くより、
120万かかっても、ちゃんとした会社へ行けて、
日本語講習にせよ、各種手続きにせよ、
優秀なスタッフから丁寧に教育指導、助言してもらえて、
仕事内容についても十分な確認が取れていて、
結果、手取りが15万以上のところへ出稼ぎに行ける。
どちらが良いですかと。
人は、自分の意志で選んだことに対しては、
自然と能動的になれるものです。
借金でも何事も、させられたのではなく、
自らが選んで、そうしたという経緯がとても重要なのです。
受入側にしても同じです。
例えば、面接後の教育など区分けしてあげても良いと思います。
Aコース:通常講習コース
Bコース:N4にて送り出すコミットをして教えるコース
特に日本語能力を重視している先ならば、
例えBコースが1万円や2万円高くても、
Bコースを選ぶでしょうし、
こういうコースもなく、Aコースしかないところと比べたら、
Bコースもある方を選ぶことでしょう。
そして、
自ら選んだBコースが他のコースと比べ高くとも、
納得です。
同時に、Aコースを選んだ方も、
N4まで届かないレベルで送り出してくることを、
納得して受け入れることができます。
また、コレは、受益者負担として、
労働者側に求めることも当然ありだと思われます。
日本語が上手になって利益を得るのは、
間違いなく労働者でもあるのですから。
選べないことが問題であって、
選んだなら、それは自己責任ってことです。
これが変わらぬ原理原則であって、
この通りに事が運べばよいのですが、
残念ながら、騙す人がいます。
せっかく真摯に取り組んでいても、
こういう輩が一人でも混じると、全ては台無しです。
全てに信用も信頼もなくなり、
どうしようもありません。
日本へ行けば、500万、1千万稼げると話を盛って、
あの手この手でお金を支払わせた後に、
色々言いくるめて送り出した後に、
日本で、聞いていたことと違う…
そりゃ失踪せざるをえませんよね。
だから、個人的には、『心』が大事であって、
この根っこを大事にキープしながら、
知らなかったから…じゃ済まない現実があるから、
まともな先輩に色々話を聞いたり相談したりして、
そのうえで、こういう『選択肢』についても、
考えてもらえたら良いのになと。
あ、法は良い悪い関係なく、守らなくっちゃなりませんからね。
法によっては、選択肢そのものを定められないこともありますから。
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