多様性の許容、尊重という優しい社会は、
高度情報化社会と相まって、
ルールの細分化を進めている。
そうなると、ついて行けない中小、特に零細では、
法令違反のオンパレードとなる。
数多のルールを守るために取り組まねばならないことが膨大となり、
リソースのない小さな会社は、
労基などが入れば、
労働者がかじった法知識で訴えれば、
ことごとく法令違反が見つかる。
事業場9割で法違反 技能実習実施者へ監督 島根労働局
https://www.rodo.co.jp/news/143586/
訴えるのは簡単。
訴えたら労基は正当な訴えかどうかの確認に追われるのは、
ごくごく自然な流れ。
田舎へ行けば行くほど、
人としての柔らかさも確率的に増えていきますが、
同時に、役人としては、
上から求められる結果を出さねばならない。
かといって経営者ともめごとも起こしたくない役人は、
実害のない指導レベルで、法令違反があり、
指導したとせねばならない。
島根労働局(宮口真二局長)は、
「外国人技能実習生を受け入れている事業場」に対して
令和3年に行った監督指導結果を明らかにした。
「外国人技能実習生を受け入れている事業場」は、
監理団体も監理指導に当たっているハズ。
一般的な事業場よりも、確率は低くなるハズ。
ナゼ、こうなっているのか。
「年次有給休暇」が24.4%(前年比18.0ポイント増)で最も高く…
ココも個人的には疑問を感じる。
昭和の考え方かもしれませんが、
そもそも有給休暇の取得は、
リフレッシュ的なケアとしての取得もありますけど、
ケガ、病気、不幸などの突発的に仕事を休まねばならない時に、
急遽、労働者の都合で休むこととなっても、
その給与支払いに悪影響を及ぼさずに済むようにと、
一定期間は法で定めておこう…なんて意味だと思っています。
5日は取らせる義務化は、
リフレッシュ的な意味で何ら致し方のない理由がなくとも、
休みたいときに休めるようにとのことですが、
さすがに盆暮れ正月に全員が一気に長期間休まれると、
会社自体が回らなくなったら本末転倒なので、
時期決定権、時期交渉権的なモノが会社側にあると。
労働者の自由で言うなら、
休む権利もあれば、休まない権利もある。
小さな会社では、互いに距離が近い分、
人として助け合って支え合って成り立っている以上、
無理やり5日を取らせるのもいかがなものかとも感じる。
数年スパンでがむしゃらに仕事に取り組む時期って、
人にはあっても良いものとさえ思う。
時間給で稼ぐ人にも、必死に働いて割増の所得を得る権利だって、
あったり、保証されたりしても良いと思う。
とはいえ、法は法。
好き嫌いなく、納得いってなかろうが何だろうが、
取らせねばならない。
でも、たとえ法だとはいえ、
小さな会社では、成り立たなかったら、
そもそも会社を営む意味がなくなる。
計画的に取らせられる時期もあれば、
取らせられない時期もある。
外国人労働者で言えば、
10日でも15日でも、なるべく溜めておいて、
できれば数年に一度の一時帰国に使いたいと思うのもわかる。
はたして、どちらがあるべき姿か。
労使に合意があり、無理なく成立するならば、
杓子定規に縛るのはむしろ逆効果にしかならない。
それでも、時代の流れとともに、
弱者に優しいと見えるルール化へと整備していく選択をしている。
そう流れを仕向けただけの残念な人たちが残念な実績を積んできているから。
つまりは、
大会社で細かな部分までルール化されている通りに、
画一的に生きていきなさい、働きなさい、
そう強制してきているのが、今の法の流れ。
機械のように働き、機械のように定期的にメンテナンスし、
機械のように生活しなさいと。
個人的には、優しくない社会が結果的に求められているようにも感じてしまう。
大会社以外は、法令違反で残念な会社とレッテルを張られ、
淘汰への道を進む。
地方では、追いつかないので、
結果、労働者は働き口を見つけられない。
都会へと出ていくしか、生きて生きようがない。
年寄りは住み慣れた土地を離れがたいので、
結果、年寄りしかいない過疎化が進む。
人がいなくなれば、スーパーも病院も移動手段も、
基本的な生活インフラが撤退していく。
ルールを丁寧に丁寧に千も万も作るのも、
運用要領を600ページどころか、6,000ページ、60,000ページにしても構わないが、
読めと言われて読めるものではないし、
全て頭に叩き込んでから事業に臨めと言われて、
できる人は、ほぼいない。
それこそ3年がかりで学校レベルで身に着けてる間に、
法自体もごそっと変わってる。
色んな意味で、整いきらない過渡期にいると、
改めて思った次第。
それでも、業界人は、学び続けているし、
ルールもまた、移り変わりと変化と新法と、増え続けていく。
※取り締まる役人側も大変なストレスだし、増えこそすれ減ることはない。
人を守るためにあるルールのはずが、
人を苦しめているのもまた、皮肉なものです。
有識者の皆さん、
頭の良い官僚エリートの皆さん、
どうか、ストレスのないスムーズな法整備をお願いします。
労働者の保護のみならず、がむしゃらに働ける権利と自由もぜひ。
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自分で言うのもなんですが、業界人は登録しとくと良いと思います。
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