ちょうど良いお題をいただいたので、コチラでも書いてみます。
特定技能の施行から、早一年が経とうとしています。
この一年で、特定技能が実際にはどんなものなのか、
その触りが少し見えてきました。
(本当は、1年、2年、もしくは5年後までいかないと何とも言えません)
一年前の今頃は、みんな特定技能の情報を取りに、躍起になっていた頃かと。苦笑
確か、分野毎の運用要領が年明けから出始めたんじゃなかったかな。
あくまで未確定版でしたが。
さて、このお題、
技能実習は次第に終わっていくのか。
労働者を受け入れたいなら特定技能へとシフトさせられていくのか。
私なりに根っこの部分で、変わらない現実から、書いてみます。
ちなみに、こういったお題を上げると、
必ずと言っていいほど、監理団体や業界の利権がどうたらとか、
残念な次元で主張したがる輩がいますが、
新たな特定技能の利権を守りたいとか、そういうレベルでお話ししていないので、
ご了承願います。
さて、
答えは私も同じ、技能実習はなくなりません。
特定技能へとシフトしていくこともありません。
(技能実習を卒業して、特定技能へと移行していくというシフトはあります)
大事なのは、この意見になる視点や理由、根拠にあると思っています。
(いつも手前みそみたいでスミマセン)
まず、一丁目一番地で目を向けるべきは、
自分の都合じゃありません。
わざわざ家族や地元を離れて、
言葉の通じない日本へ働きに来てくれる外国人労働者の方々の
背景や事情に目を向けなければ、本末転倒です。
魚心あれば水心。
受入側に来て欲しいと願う許容範囲内の受入需要があっての話は当然ですが、
いつも忘れがちなのは、
相手にも選ぶ権利があるってこと。
情報格差を逆手にとって、騙(だま)くらかして招聘したり、
手数料ばかり取るアホは淘汰されていきます。
彼らもアホじゃないし、SNSなど全盛の今、
情報はいくらでもタダで手に入ります。
で、
誰でもわかるのは、技能実習には入り口のハードルはなく、
特定技能にはN4または分野毎の試験があるってこと。
シンプルに、この1点だけで、
出稼ぎが主な外国人労働者が選ぶ理由は明白です。
なんせ彼らは失礼ながら、若く学もないので、
すぐに、楽に、たくさん稼げる所へ行きたいからです。
ここには、当然、入り口のハードルも含まれます。
現実を考えてみてください。
画像のような子供たち。
決して裕福とは思えない。
将来、無限に羽ばたけると思えるほどの、
夢を見られる環境で生活しているとは思えない。
苦労して育ててくれたお父さん、お母さんに、
楽をさせてあげたいからと、
今度は自分が助ける番だと、
そう端的に思うようになります。
昔と比べて、情報化が進み、
そんな彼らにも選択肢が出てきたり、
様々な情報に触れる機会がある=自分の頭で色々考えられることが増えるように、
少しずつ少しずつなってきています。
それでも、わかるのは、
特定技能で行くには、日本語を身につけなくてはならない。
その為には先にお金がかかる。
試験も同じ。
そういうストレスを好んで臨むことができる環境にない。
特定技能を全否定しているワケではない。
技能実習では行けない職種も、特定技能ならば行ける部分もある。
技能実習上りはもちろん、
留学生の卒業後の就職先の選択肢が広がった意味ももちろんある。
そして、我々が多く関わっている外国人労働者の支援を受ける対象は、
ほぼ、こういう方々がほとんど。
ココではヤレ大卒での英語教師とか、SEとか、
そういう方々を主として意見してはいない。
日本に出稼ぎにくる魅力は、年々薄れている。
コレはれっきとした現実。
それでも、受け入れ人数は増え続けている。
ナゼか。
ひとえに、タイムラグがあるから。
かつての日本の遺産のたまものだから。
パッと見でも、画像のような彼らと日本の子供たちは、
同じ子供であれ、裕福そうに見えるから。
清潔でモノがあふれ、豊かな国に、見えるから。
でもこれからは、各国それぞれにドンドン発展していく。
田舎にもそれらの恩恵は少しずついきわたっていく。
彼らの地元にも、雇用先が生まれていく。
給料も少しずつ増えていく。
かつての中国や今のベトナムを見れば火を見るよりも明らか。
技能実習だの、特定技能だのと、
日本へいつまで来てくれるのかは、わからない。
一方、
別に希望的観測でもなんでもないが、
日本のみならず、世界的に二極化が進む。
高レベルな生産品は、もしかしたら送り出し各国では生産されないかもしれない。
送り出し各国で安い労働力での生産ではなく、
AIやロボット、IotやICTなどの技術革新にて、
もしかしたら、今の先進国でしか作れないモノが、
送り出し国での生産よりも安く良いモノが先進国から流れ、
権利保護も進んでいるので、後進国では、
事業展開が限られてくるのかもしれない。
国をまたぐグローバル企業がどんどん増えている中、
国として利権調整も進んでいくものの、
本質的な付加価値の源泉は、グローバル企業にあるので、
どこまでどう世の中が変わっていくのかは読み切れない。
当然、企業も二極化が進んでいく。
日本を含め、労働者への利益分配は増えていく分、
能力の低い労働者は職にすらありつけず、
本格的に生活保護=ベーシックインカムでの生活者も増えていくのかもしれない。
世界は今後、どう動いていくのかはわからない。
でも、私たちの生活は、どんどん変わっていく。
世界にはいろんな人たちがいるので、
日本へ来てくれる理由も様々。
特定技能の良いところは、
がんじがらめの技能実習と違って、
良い意味で受け止めたい、ユルユルな新たなミドルレンジ。
対象がある程度は絞られはしても、
技能実習ほど、誰でもOKではないにせよ、
選択肢として、設けられたのは良いコトだと思う。
もしかすると、技能実習や留学生のために、
もっといたい人は、このルールに従ってくれれば、
またもう少しは居てもいいよ、
というか、良かったら居てください的な選択肢。
そう思うと、留学生は趣旨が違って学業を本文とする方々にもっと特化させていくにせよ、
技能実習という特定技能の潜在候補者量産制度をなくしていくとは思えない。
=なくしたら、日本へ出稼ぎには来てくれなくなるかもしれない。
(特定技能は、技能実習のように至れり尽くせり制度にはなれない)
良い悪いの意味ではなく、
広い意味での全体像を考えてみると、
技能実習がなくなるとは、到底思えないのが私の考えです。
他にも理由はたくさんあります。
ちなみに、少なくとも、私の周りにいらっしゃる
私とは考え方がすべからく同じではない方々でさえも、
結論は同じ、技能実習希望者層は特定技能へとシフトしてはいきません。
後は、法律がどう移り変わっていくのか。
送り出し国の諸事情が大きく変わっていくのか。
日本側の受入事業者側のマインドが変わっていくのか。
神のみぞ知る…ってコトでしょう。
であれば、我々のような庶民は、
どういう時代になっても、人に求められる付加価値を、
AIなどの技術革新から取って替わられることのない付加価値を提供できる、
笑顔でありがとうと人に言われる仕事、
アナタにしかできない価値を求められ、提供できるホンモノになっていくだけです。
技能実習とか特定技能とかそれすら些細なコトなんです。
両方学んで、向き合う人にとって、最良の選択肢を提示し、
実現していくことのできる人財になりましょう。
メンドクサイことを、面倒くさがらず、
細かく丁寧に、一人ひとりをお世話していきましょう。
それ以上でもそれ以下でもありません。
————————————————————–
適正な外国人人財活用についてご関心のある方は、
以下、無料メルマガのご案内からどうぞ。
対象:受入企業側、業者側(国内、国外問わず)、士業など業界関係者
————————————————————–