先日、葉梨法務大臣の就任に際しての訓示がアナウンスされました。
大臣就任に当たっての葉梨法務大臣訓示
令和4年8月12日(金)
https://www.moj.go.jp/hisho/kouhou/hisho06_00787.html
私なりにポイントを列記し、
メモってみます。
法務省畑の方みたいですね。
40年の歴史を振り返って、定点観測してきた感想が、
『法務省が大きく変わってきた』ということ。
—
かつて基本法の体系を墨守し、執行面においても前例を踏襲するという印象のあった法務省は、
この20年間、大きな変貌を遂げました。
すなわち、本格的な人口減少時代に突入し、
我が国の国力低下が危惧される中、国際化に対応し、
時代に即応した法務・司法制度や誰一人取り残されない社会の実現は、喫緊の課題となっています。
—
法務省という社会の根幹をなす「ルール」を司る省において、
技能実習や特定技能の法改正への大きな方向性が、
ココでも感じ取ることができます。
—
現在法務省が進めようとしている、
共生社会の実現、
困難を抱える方々への取組の推進、
時代に即した法務・司法制度の実現、
国際化・国際貢献の推進という4つの柱…
—
更に、
『岸田総理から指示された6点の課題』の中でも、
「国民から信頼される司法制度改革の推進」
「個別法での人権救済による差別や虐待の解消」
「『世界一安全な国、日本』をつくるための再犯防止をはじめとした総合的な施策の推進」
「円滑な外国人材受け入れの運用整備と今後の制度の検討」
「ポストコロナの観光立国創造のための入国管理の実現」
と5つも当該業界には大きく影響してきます。
総理の賛否両論はいったん横に置いといて、
一国のトップの指示、
更にはルールを司る省のトップの訓示については、
決して無視できない、重く大きな流れが見えてくることでしょう。
加えて取り上げたいのが、コチラ。
『「執行」と「企画」の両部門が共存している』
というワード。
「執行」とは、権力をふるうという意味です。
≒法令違反者は摘発し、行政処分するということ。
そのための調査、捜査の権限を行使するということ。
正に役所にしかデキナイ行為です。
加えて注視したいのは、
「企画」というワードをチョイスしていること。
「皆様とともに知恵を出しながら…」
お分かりですかね。
ルールは大臣が作るんじゃなくて、
官僚が作ってます。
つまり、官僚の方々は、知恵を絞り、工夫を凝らし、
現場の現実により良い意味で反映されるような、
そういうルールとなる法分を作らねばならないって意味だと解釈しています。
以下をご覧になれば、「執行」と「企画」…その片鱗も感じられるのではなかろうかと。
—
これまでの累次の法改正やこれから行わなければならない改革を考えるとき、
執行部門、すなわち現場の強化は喫緊の課題です。
現場が制度改正などについて行けず、消化不良を起こす事態は絶対に起こしてはなりません。
—
すなわち、
現場=世間(一般民間人)と接する一職員の人格、スキルなどの大きな成長を加速させねば…と想定されます。
その先には、摘発部隊を、いかにして適正に増やせるかどうかって意味でもあろうかと。
既に10年以上前から消化不良は起き続けてます。
特に技能実習においての新法施行後などは、
消化不良だらけ。
これらの点もまた、頭の良い官僚の出番であり、
絶対に起こしてはならないという大臣の訓示に対して、
どこまで実現させていけるものかどうか、
期待したいところでもあります。
また、こういう表現も出てましたね。
—
「チーム法務省」としての各出先機関の連携
—
一人はもちろん、一組織だけではとても全体最適は図れないからこそ、
他の管轄先とも十二分にコミュニケーションをとって、連携し、
まさにチームを作って取り組んでいかないと、間に合わないって危機意識の表れだと理解したい。
ソレもコレも、『現場力の強化のため』に、
チームを作って強くなろうと言ってます。
そう、
—
現場は、「新しい制度にどう対応していったら良いのか。」といった悩みを、部局を問わず抱えています。
—
役人の方々もまた、ドンドン変わる制度に、アップデートがままならない。
有能な方がであっても、追いつかないほどに多岐にわたり、
なおかつ連携が網羅的かつもれなくダブりなくでき上っているワケでもない。
入管へ問い合わせても、労基へ問い合わせても、
特に新たな制度についての相談は、どうしても相談する意味がないほどに、
電話口の方も、その部署の責任者の方も、
他部署の内情や現実までわからなかったり、
そういうときの受け答え方もまた、身についていなかったりなんだろうなと。
そう、法務省内でさえ、連携がうまく機能していないなら、
他の関係省庁とのスムーズな連携などは、
残念ながら、まだまだ時間がかかりそうです。
最後に、
—
これらの課題に対処するためには、
私も含めた一人一人の職員が、誇りと使命感を持って、
職責を全うしていくことが求められます。
そのためにも、先にも述べたように、
特に幹部職員が、風通しの良い良好な職場環境作りに取り組んでいくことが大切です。
その上で、私たちは心を一つにして、
一つ一つの課題に真摯に取り組んで行こうではありませんか。
—
使い古され、どこでも誰でも言ってるような文面ですが。
結局のところ、
全ては一人一人の人材のさらなる成長、あくなき成長でしか、
解決していけないって事です。
法務省に言われるまでもなく、
役所、役人に頼ることなく、
成熟した日本人の劣化した部分を見せるのではなく、
むしろもっと成長している姿を、背中を、
我々自身が一人一人、関係各者に見せていくことで、
言語化し、きちんと伝えていくことで、
世の中はもっともっと良くなっていくと思われます。
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