最近、ベトナム人の犯罪記事が、
メディアに多く取り上げられている。
それに対して、健全化をうたい、
盛んに警鐘と啓蒙にあたる発信を繰り返しているプロの方々が、
私も含めて、ナゼ、何も反応しないのか。
コメントを残さないのか。
各地にある駆け込み寺などの支援団体の応援なり紹介なり、
あくどい受入先や監理団体をやっつけろ!って、
騒がないのか。
言われてみればかもしれませんけど、
たまに疑問に思いますよね。
その理由を書いてみようと思います。
そう、例えば、こんな記事が、
巷でよく出回ってますよね。
一つ一つ、思いつくところを。
まず、こういう事態か起こるのは、
根本的に、残念な指導員なり同僚がいる会社、
日本人でもナニジンでも一緒にはとても働けない人を雇っている会社、
雇用主として従業員の教育指導もできない経営者がいる会社へ、
技能実習生を送り込むこと自体に問題がある。
そして、これまた残念なことに、
組織やソコで働くイチ個人の金儲けのために、
金を払う人なら誰彼問わず、
ひたすらにあの手この手で送り出す機関であったり、
先のような会社かどうかなどなんらチェック一つせずに、
ただただ儲かるからとして技能実習生を送りこもうとする監理団体の存在がある。
さらに、コレらの背景から、
自分勝手極まりない、
他責思考しかない、
相手の言うことも聞かない、
自分はもちろん周り全てに悪影響しか及ぼさない、
そもそも、最初から来日してくるべきではない、
ある意味、カワイソウな人まで、
同じ技能実習生として紛れ込んでくる。
負のサイクルとして、
残念な会社、残念な経営者、残念な各業者、そして残念な候補者は、
類友としてくっついていく。
ちなみにスクリーニングを機能させていない場合は、
どんなに素晴らしい送り出し機関や監理団体、受入先であっても、
残念な技能実習生が紛れ込んでくる。
ここにおいては、それらを許可する相互の国の責任もついてまわる。
ポイントは、摘発や取り締まりの権限は、
権力として公的機関にしかなく、
いくらマトモに取り組んでいるプロの方々であっても、
他人の諸事情に口も手も突っ込むことはできない。
コレらの根本的な背景と原因に加えて、
このコロナトラブルに見舞われたなら、
どれだけ法的に手厚い保護があっても、
経済社会に生きている私たちには、
先立つ活動原資を確保できなくなれば、
犯罪だろうがなんだろうが、
その人なりに生きて行くために、
周りに迷惑をかける状況に陥ってしまう。
メディアは見てもらえてなんぼ、
注目を集めてなんぼ。
正しいかどうかは、ある意味、どうでも良い。
全方位は考える必要もなく、あるイチ側面からスポットライトを当てて、取り上げるのが現実。
それらの原因まで深堀りして伝えても、
まったく興味関心のわかない内容ならば、
取り上げる意味はない。
結果、背景や諸事情まで見えない一般大衆は、
イチ側面しか見ずに、批判や非難を繰り返す。
もちろん、たとえイチ側面であっても、
深刻で多大な悪影響を及ぼすのであれば、
制度そのものを改善するか、廃止すべき問題。
だが、反面、とても多くの技能実習生本人やその家族が助けられ、
彼らもまた大きく成長している事実。
結果、受入先もまた、実は大きく成長している事実を知っていると、
一概に、だから全面廃止とは思えない。
もちろん、この業界にいる我が身かわいさが含まれているとしても、
厳然たるこの事実にヤリガイ、イキガイを深く濃く体験していればいるほどに、
我が身かわいさだけでの考えとも思っていない。
人は平常時さえ、ただ生きているだけで、
誰かに何らかの迷惑をかけている。
自分は誰にも迷惑かけずに日々暮らしていると思っている方は、
実はとても傲慢だとは気づいていない。
公平、平等もまた、いつでもどこでも誰にでも、
担保、保証されていない現実もまた同じ。
こういう現実をよくよく知っていればこそ、
プロは、ただただカワイソウな技能実習生…
悪質な受入先や業者という批判記事には反応しない。
逆に、自身が関わる先のみならず、
触れ合うご縁の先でのトラブルだけでもと、
起きてからでは遅くリカバーしようもないことを痛くわかっているだけに、
未然に防ごうとアレコレ立ち回っている。
当然、先に上げたような残念な方々とは接点すら持とうとしない。
頼られたなら、助言する程度で留めている。
最終的には、強制力を持って権限を剥奪し、処分できるのは、
権力機関であることを重々承知しているからだ。
また、駆け込み寺に駆け込むのは、
全てとは言わないまでも、
身勝手な技能実習生たちが多いことも、
よくよくわかっている。
さらに、こういった駆け込み寺が、
カワイソウな技能実習生というレッテル(色眼鏡)を前提にしか見ておらず、
全ては受入先や業者がアクドイからだとのステレオタイプの考え方しかできない人が多いことも、
よくよくわかっている。
(もちろん、すべてがそうだとは言わないし、心ある方もたくさんいる)
転職転籍支援も言うほど簡単ではない。
たとえ身勝手ではない技能実習生にせよ、
来日前に、自分で選んで自分でエントリーして、
自らの意思で腹をくくってこの会社でこの仕事をするんだと、来日してきた先と違って、
いくらコロナトラブルであったとしても、
例えば、建設で来日した勉強嫌いの屈強で不器用な男の子が、
普段から日本語能力を求められ、お年寄りの様々な変化に細かく気づくべき介護で働けるとは、思えない。
適性はそれぞれに違って、
また十分に選べるほど、選択肢はないし、
特に業者として、ボランティアで動ける人は多くない。
目の前の抱える技能実習生のケアで手一杯な方がほとんど。
全方位で考えると、到底整う仕事にはならないから。
それでも、共助という意味合いにおいては、
目の前の困っている子がいたならば、
救済できる手立てをアレコレ考え、ダメ元で動いてみて、
全員とまでは言わないまでも、
救われている子たちは多い。
いずれにせよ、
冒頭に書いたように、
メディアの記事に一つ一つ反応していても、
実際に助けられるのは、
関係当事者であり、権力機関でしかないコトをわかっているだけ、
リアクションしようがないのが現実なんだと思う。
特に悪質ブローカーと同じ目で見られたくないという意味合いも強いかな。
救済のためだとしても、自身の活動原資をどこかへ負担願う行為は、
内情を知らない周りには、悪質ブローカーだとみられる場合が多いから。
トラブルに巻き込まれた方々には、
なんとかなってほしいと心から願っているし、
個別に頼られたなら、できることは間違いなくするし、
そもそも一人でも多く、そんな被害者を出さずに済むように動いているのが、
心あるプロだと思います。
少しでも、内実が伝わればなぁと。
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