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殺伐としたコロナ禍だからこそ、外国人労働者を守ろう。

私、まだ少しだけ、現場のお手伝いをしている時があります。
今回はちょうど良いケーススタディになるのかもと、
たまには書いてみます。

ある会社にいる技能実習生から、
メッセンジャーでいきなりポンっとメッセージが届きました。

画像にある通りです。

この受入企業と私は、正直なところ、
日本語能力は、ほぼ気にしてはいません。

ただ、その中でも、この子はピカイチで、
ひらがなですが、日本語でメッセージを送ってきます。

しかも、こんな長いメッセージを送ってきたのは初めてです。

また、この子はフィリピンにて、
英語も通じるので、
私は常に、英単語を並べてメッセージを返しています。

なお、こういうメッセージが届くにあたっては、
いわゆる背景や諸事情が複数こと細かくあるものなんですが、
そこを一つ一つ説明していると長くなるので、
ポイントだけ、文中に記します。

まず、実は以前にも「やめたい」というよりは、
「不公平」だって相談がありました。

その時には、社長さんと私と別件もあって、
寮にまで出向いた際、簡単に事情を説明して確認すると、
「大丈夫です!ガンバリマス!」って言ってくれてました。

その後、彼の顔が曇っているとして、
受入先の社長さんからも「声をかけて様子を見てやってほしい」と
言われる機会がありました。

様子を見た際、確かに彼の顔は曇っていて、
それでも、声をかけ、話をすると、「大丈夫です」っていってました。

その際、コロナによる生産調整や、
先輩技能実習生の帰国を控えたための配置転換もあり、
(社内での実習配置場所が3箇所あったため)
今まで二人で配置されていたのに、
一人になってしまったことが大きく影響していると思われたため、
とりあえず、様子を見ましょうとしていました。

簡単に言うと、そういった過程を踏まえての今回のメッセージなワケです。

正直なところ、

『やめよう と おもいます。』

この一言に、カチンとくる方は多いと思われます。

ただし、外国人の彼らには、事前相談などはできませんし、ありません。
社長の指示に従えないなら、
自分が我慢しきれないならば、
辞めるしか選択肢はないんです。

*ベトナムと違って、フィリピンの場合、
 彼らにはろくに借金などないので、
 辞めようと思えばいくらでも簡単に辞めます。
 神様がそう思召したとさえ思っていることがあります。
 また、次の機会を探せばよい、働ける国はいくらでもある。
 そう安直に考えている節(ふし)も思われます。

このあたり、レベルの低い社長さんは、
カチンと頭にきて、ヤル気のないヤツは早いとこ辞めろ!って言い放ち、ホカっておきますが、
よくよく承知している社長さんの場合、上手に立ち回ります。
そもそも、最賃からちょい多く支払っているような、
日本人同党の、入ってすぐの子に対して、
こういう事態ですぐに癇癪起こしていたら、
誰一人として定着しない会社になることを、
よくよくわかっているからです。

*ちなみにこの子は2月初旬のコロナ直前入国だったため、配属後一年未満です。

そして、
前述の背景のように、
実は、この子は優秀なほうだったので、
先輩でも限られた実習生しか任されない部署への配属があり、
そこはこのコロナ禍でも生産調整が薄く、
休業が少ない部署でした。

そう、他の先輩も後輩も、務まらない部署な分、
他部署では仕事が薄くなり、生産調整のための休業が週に1,2程度あったのです。

当然、実習生の中では、彼だけが休業がなくなったので、
それが11月に入ってより顕著になり、
なおかつ、一緒に組んでいたもう一人の先輩実習生も、
別の部署へ行き、一人ぼっちで、休業なくコロナ前のフル稼働。

しかも自分以外は、休んでも今はまだ保証が100%なので、
同じ給料が出ているばかり。
それなら、休めるほうがいいに決まってる。

そう、要は、この子は、
やめたい…んじゃなくて、
不公平だ!って訴えたかったんです。

また、実はメッセージが届いた翌日には、
帰国する先輩を送り、その足で、私も出張に向かう予定でした。
3泊4日のGotoで、この連休もあって、
ゆっくり話せるのは、一週間弱後になってしまいます。

急遽、メッセージを受入先の社長に送信し、
かくかくしかじかのやり取りを済ませ、
夜分スミマセンと、送り出し先にも状況報告し、
翌朝を迎えます。

早朝、受入先の社長から連絡があり、
急遽、今日明日は彼を休みにさせる。

寮へ帰国者の迎えに来る少し前に、早く来れないか。
話をしてくれないかとの相談が。

喜んでと、向かい、
その社長も朝一で仕事の調整を済ませ、
すでに寮にいるとのこと。

時間は小一時間でケツカッチンです。

細かく書くとさらに長くなるので端折りますが、

・他の実習生に任せられる実習ではなく、アナタにだから社長は期待して任せていること。
・生産調整の助成金は年明けには終わるか、減額される可能性が高いこと。
 =アナタの部署は減額は関係なく年明けもずっと仕事が続く見込みであり、減額はないということ。
・実は社長はアナタの取り組みに一定の評価をしているも、一年は頑張って続いたなら色々考えていたこと。
 それを皆と同じ、週イチ休みにするなら、その評価はなくなり皆と同じになること。
(実際に、先輩の技能実習生には別手当が出ているが、それはまだ言わない。)
・皆と同じを望むなら、それでもかまわないこと。
・もしつらいなら、有給消化含め、現状でも休めないワケではないこと。
 毎度急に今日休みますとか、明日休みますは会社も無理だけど、
 一週間前くらいに、一日休みもらえますか?と相談してくれれば、問題ないこと。

また、
平等、公平など完全はありえない。
誰でも生きていくうえで、こういう問題は長い人生、ときどき、何度も起こる。
人には2種類の人間がいる。
こういう問題に直面した時に、
嫌だ嫌だ、逃げる、辞める、ただただ逃げ続ける人生を送る人と、
ちゃんと向き合い、周りと話をして、解決していこう、乗り越えていこうと進む人。

自分を、家族を幸せにできるのは、どちらの人間だと思うのかと。

そんなこんなのお話を、
3人だけで話しました。

結果、彼は彼なりに受け止めようとして、
即答はできなかったけど、そこまで迷いもなく、

「わかりました。
 皆と同じじゃなくて、今のままでお願いします。
 ガンバリマス!」

って、言ってくれました。

フツーの日本人から見れば、厳しい言い方をすれば、
甘えん坊でしかありません。

わざわざ、翌日すぐに、社長は来てくれる、私も駆けつける(苦笑)、
そうやって自分のことをちゃんと見て、心配して、考えてくれている、
そう思えるだけで、彼らはまた頑張ることができます。
なによりも、安心できます。

そうして、後顧の憂いなく、出張にで向けた私は、
ある意味、ラッキーでした。笑

あ、当然ですが、
お手伝い先の監理団体の担当者へも今回の件の報告を入れておき、
送り出し機関へも事後報告を入れています。
(昔からの流れもあって、どうしても私に連絡くださいますので。)

言っては何ですが、
別にコロナ禍だからってワケじゃなく、
いつなんどきでも同じことなんですね。

私は面白がって、win4allなんて言葉を使っていますが、
会社にとって、監理団体にとって、送り出し機関にとって、
彼ら技能実習生にとって、
3年間の契約を無理なく全うすることが、全員の笑顔に結びつきます。

そのためにこそ、
ある意味、監理責任を負っているといっても過言ではありません。

また、厳しい言い方をすれば、
本来は、こういう諸問題も、自社内のことなので、
受入先が自分たちで解決すべきことです。

ですが、
部外者で時折、彼らの方を持つほどの立ち位置にいられる、
受入先ではない部外者の人間こそが、
公平に双方の落ち着く先へと上手に誘導してあげる必要があります。

また、それこそ受入先の甘えも含め、
受入先が抱えきれないトラブルの最終責任は、監理団体にもあります。

諸事情含め、このコロナ禍にて、解雇に至る場合もあるやもしれませんが、
たとえ現実がどう転ぼうとも、
最後まで受入責任を果たす覚悟がない限り、
受入はしてはいけませんね。

だって、それだけ面倒を見るのが大変だとわかっていて、
それでも受入招聘を決めたのは、受入先ですから。
それをお手伝いする事業に取り組んでいるのは、
監理団体ですから。

いつものごとく、特定技能の受入先や登録支援機関も同様です。

というか、別に、外国人労働者だけじゃなくて、
日本人でもナニジンでも同じですけどね。

あ、自分の身勝手で失踪したり、転籍、転職する子は、
ぶっちゃけ好きにすればよいとさえ思うことがあります。

そして、そうさせてしまった自分の至らなさを、強く反省すべきだと思います。

ちゃんと一人一人グリップできていれば、
彼らはそんな外部の誘惑に振り回されずに済むからです。

先に述べたwin4allを成立させられない自分の未熟さを問うべきです。

世間がメディアが騒いでいるように、SNSのせいだったなら、
そのSNSにさえ負ける監理や付き合いしかできていなかっただけですから。

一人で何百人も見ている先には、決してできない芸当なのでしょうね。
でも、そういう先に限って、100人という数字でしか見ていなくて、
一人一人の人間として、ちゃんと丁寧に向き合えていない限り、
トラブルはなくならないし、
いやトラブルは発生するんだけど、適正適切な解決へはたどり着けないんじゃないかなと思います。

まぁ、儲かれば、最低限の歩留まりは致し方ないと割り切っているのかもしれませんけど。

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