技能実習生の受け入れをはじめ、
海外から自社の都合で外国人労働者の受け入れを画策する方々へ
特に「初めて」トライしようとする方へ
想像以上に、めっちゃお金がかかります。
その理由を列挙してみますね。
まず、候補者を探し出すため、
求人票をつくります。
コレは、後々様々な関係法律と、
送り出し国側の相場なども考慮して、
給与額面や、控除項目とその額面を定めていくことになります。
乱暴に、外国人労働者ならば最賃からでも期待という人が並んで待ってくれるのだろうと、
安直な考えがよくありますが、求める人材を採用できないケースも多いことを理解しておくべきでしょう。
(きれいごと抜きに、最賃での採用が可能な場合もありますが、全てが当てはまるわけでは決してありません、
むしろ、国を問わない全体トレンド的には、集まりもしなくなってきているといえます)
この時点で、適切な雇用条件を提示できない会社は、
この先どんな手続きを画策しても、無意味です。
なぜならば、候補者が集まらないから。
また、不適切=相場よりも下回った採用条件で集まって採用しても、
受入までこぎつけた後、失踪リスクが高く意味ないですから。
この点、自前で色々調べてみればと思いますが、
無難なフツーの考え方は、無事に同業他社で同様の在留資格で、
受け入れてwin-winを成立させられている方に聞いたり頼ったりすべきでしょう。
そんな会社を近場で見つけられるか、見つけても中身まで他社の為に話してくれるか、
色々考えると結局、利害関係を構築できそうだと下心もある業者に聞くことになるのでしょうか。
例えば、在留資格にもよりますが、
日本語能力はどの程度を求めるのかによっては、
別で日本語要件を条件に課すべきなのかもしれませんし、
その場合、課していない人材と比べて当然給与面では厚遇しないと候補者は集まりません。
コレが外国人労働者にとってストレスフルであれば、
その内容に応じた高額提示が必然的に求められます。
また、視覚化しにくい性格面などもストレスフルです。
給与額面など客観的なスクリーニングは容易いのですが、
性格とか、協調性とか、適性とか、目に見えない部分の方が、
どちらかといえば大事ですね。
超高レベル人材であっても、ウソをついたり詐欺や泥棒する人はいらないでしょ。
自然とたくさん集まって、えり好みができる状況を作り出せるならばともかく、
いくら一人一人面談してみても、
ストライクゾーンにあてはまらない候補者ばかりとなってしまう高望み条件であれば、
もしかしたら、そもそもこの世の中にはいないのかもしれません。
これまたナンセンス。
よって、自社内で受入後にきちんと教育を施して、
せっかく苦労して採用までこぎつけた人材を、
自社にとって必要不可欠な人材へと育てられる力とのバランスが問われるポイントです。
(ついでに申し上げれば、苦労して育てた外国人労働者の定着化を可能とする求心力が、
そもそも必要となります。)
従来の国内求人とは考慮すべき点が山ほどあって、
今までの自身の経験則や想定は大きく超えていく落とし穴が満載ですので、
このリスクからまず、必要十分にケアできないところがほとんどでしょう。
その場合、結局、信頼できる業者を探して、
大なり小なりのコストが必要となります。
この点、最初は業者を使って色々勝手を学び、
後々に在留資格によっては自社独自で手続きできるよう、
段階を考えてもいいのかもしれません。
あ、具体的に一つ上げると、
航空券代や国内移動費などを出してあげるかどうかもポイントの一つですね。
無論、日本での住まいや生活備品なども。
しかし、コレ、税法上では個人の所得とも言われかねず、
これまた法令違反にこだわり続ける方にすれば、
どうしたものかと頭を悩ます問題ですが。
次に、雇用条件=募集条件が整理できたところで、
どうやって候補者を探し出すか、集めるか。
自前で自社にとって必要な人材がいるところを探し出し、
そこへ直接当事者として求人票を投げるのも手ですが、
場所や国によっては、その行為自体もその国にとっては法令違反となる場合もあります。
当事者である受入側が直接求人募集する行為自体が…です。
また、苦労して見つけ出してきても、
その国のルールとして、送り出し機関といわれる認可エージェンシーを通さねば、
出国させないという、海外出稼ぎ労働者保護並びに管理のために、
その国がなんらかの統制をかけていることがほとんどです。
まぁ、ある意味、言われてみれば当然のことなのかもしれません。
そして、特に送り出し国は当地行政レベルも昔の日本のように、
あからさまに利権が絡んでいることが当然なので、
こういう部分からもコストはかかります。
民間?の悪質ブローカーと違って、
特に権力機関が金を払わねば許可出さないと言われたら、
支払わざるを得ませんから。
そうして、雇用条件も決まり、
候補者も何とか見つけ出し、
国によっては送り出し機関もしょうがないので見つけたところ、
(この送り出し機関によっても、コストとその意味合いも色々違うのですが。)
日本側でも、在留資格申請が必要です。
あ、前出同様に、企業単独型でできない受入れ手法の場合は、
そもそも監理団体などの業者に依頼せねばなりません。
これまた、業者によって、色々コストとその意味合いは違いますので、
選択は当然、めちゃめちゃ重要です。
この場合、ここでもコストがかかりますね。
この在留資格申請ですが、
これもまた、素人には理解に苦しむお役所用語と、
お役所が通せる文言での表記が必要となるので、
これらを学ぶよりは、専門の業者に依頼することにもなります。
まぁ、色々直接入管などへ相談して、
当事者として作成し、申請してみるのも手ですけど。
コレを外部委託するならば、ここでもコストがかかります。
特に入管取次申請は、
申請取次許可のある行政書士の独占業務として国に守られ、
どこまでも法令順守にこだわり続ける場合は、
この業務に取り組める資格者以外の誰かに頼ること自体、
法令違反だといわれかねません。
どうやっても、襟もとをただすならば、お金を別に支払えとなります。
いろんなストレスを乗り越え、
無事に在留資格もおり、
自社に配属が決まったから、やれやれゴールをきれた…
大間違いです。
コレで初めてスタートラインに立てたというコト。
配属が決まってからが本番です。
前述通り、乱暴な言い方をすれば、
外国人労働者が使い物になって、
一定期間以上は定着してくれて、
はじめて当初に画策したコスパが成立します。
また、在留資格によっては、
定期的に、適性な受け入れを維持していると、
入管をはじめとした当局へ報告=証拠提出が必要です。
つまり、入管などいつ実地調査に来ても問題ない体制を
維持し続ける必要があります。
ココもまた、自社で自己申告するよりは、
変わり続ける方をキャッチアップし続け、
法令違反とならぬよう監理指導するプロに支援してもらえる方が、
ある意味、安心です。
無論、自前で必要十分に対応が可能であれば、
社外にコストを垂れ流す必要はありません。
求人については、今までは国内で求人業者に、
募集条件を掲示露出してもらうだけで済んでいましたが、
なんてコストがかかるのか。
また、コスト以上に、
どうしてこんなにも労力を割かねばならないのか。
リスクを抱えなければならないのか。
そういう覚悟が求められます。
また、自社が提示できる魅力も大きく問われていきます。
それは給与額面をはじめとした、
昇給条件の明示、就業規則の透明化、
はたまた事業規模や福利厚生にまで及びます。
これらは、ナニジンを問わず、労働者一人一人に、
その一人一人が歩んでいける収入増加(人生教育)の為のロードマップ、
また、何のため、誰のため、ナゼ労働者がこの会社で働いているのか、
その意味や目的、方針などのやりがいまで、
明示し、労働者にとっての自社で働く意味を伝え続けるコトも必要になります。
労力も時間も、全てをコストとみなした場合、
単なる額面では終わらないのが、外国人労働者採用です。
口を開けて待っていれば、働きたい人が並んでやってきた時代、
後だしじゃんけんすら、好き勝手出来ていた時代、
そんな時代はもはや遠くはるか、平成いや、昭和の時代のことです。
時代認識すらアップデートできない会社では、
変化に対応できず淘汰されていく会社にしかすぎません。
時間の問題ってやつですね。
後数年か、10年もつかどうか。
コレラの経営資源を費やす余力のない先は、
投資してロボット化や、
そもそも労働者に頼らないビジネスモデルへの変換に迫られています。
なんなら、もう自分の力では無理なので、
現状のまま、行けるところまで行くだけという片道切符の経営者(会社)も、
少なくないのでしょう。
後を継がせるなどとんでもない。
自分の代で借り入れ返済が終わるまで、なんとか事業を維持できれば、
それだけでいいと。
返済が途方もない額ならば、いっそいかにして上手に逃げられるかを、
そのタイミングを画策しているのかもしれません。
じゃあといって、体力がまだありそうな大手に転職すれば、
それはそれでまた違う意味でストレスフルです。
ヤリタイ仕事をヤリタイ。
ならば、極論、全社会人個人事業主化でしかありません。
能力のある人が、社会に求められる人が、
自力で立っていることができて、
そうでない人は、ストレスフルでも大樹の陰で
したくない仕事にも従事せねばならない。
本当にホンモノしか生き残れない時代だと痛感しています。
ホンモノにまで成長しないと、生きにくい時代だと。
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