よくある事例を取り上げてみます。
これだけ人手不足と騒がれていて、
TVや新聞で少子高齢化の関連記事が取り上げられない日はない。
仕入れ(失礼)が日本人でできないならば、
それでも労働者が不足しているならば、
業として他で周りが成立しているならば、
やらない理由はない。
そんなこんなで…
組合立ち上げた。
監理団体の許可も無事おりた。
送り出し国も送り出し機関もなんとなく紹介された先に決めた。
『今の付き合い先の対応が気にくわないから
アナタが技能実習生を扱うなら乗り換えるよ…』
そう言って実際のスケジュールまで伝えてくれている受入希望先の会社がある。
ヨシヨシ、さぁ、ヤルゾ!
…で、何からやればいいの?
設立や許可は、言われた通りに手続きを踏んだらできたけど、
今度は自分が相手(受入先)をリードして
もろもろの手続きを進めていかなければならない。
ところでいつ頃会社に実習生は来てくれるのかな?
面接はいつ行けば良いの?
接待はあるの?
書類はいつ何を用意すれば良いの?
全てよどみなく答えられなくてはならない。
後になって、
スミマセン、この書類が抜けてました〜
スミマセン、コレお金かかるので請求させてください〜
スミマセン、予定がズレて配属までにまだ数ヶ月かかります、
いつになるかはまだわかりません〜
…
オマエはそれでもプロか?
事業やってるって言えるのか?
コッチは安くないカネ払ってんだ!
…当たり前の反応ですよね。
だから、別で既存事業を抱えて、
新たに別事業としてこの外国人労働者の受け入れ制度各種に挑戦する経営者には、
そもそもの信頼関係を仇で返す結果になりかねない。
だからこそ、
この最初の段階で、先々に渡って問題はないかどうか。
特に漏れはないのかどうかを再三に渡ってチェックし何度も見直して、
おっかなびっくり、リードしていきます。
しかし、
徒手空拳で行き当たりばったりで、やってみれば良くわかります。
今までの事業実績の経験など、まったく通用しない業界であることが。
どれだけ既存経験でカバーしきれないトラブルが多いことかは、
自身でその場に直面してみないと分かんないでしょ。
少なくとも、外国人を相手に、外国の様々なルールすら知らず、
物事がスムーズに予定通り進むわけがない。
ただでさえ、日本国内で入管が絡むと、
それだけでも予定通りにはいかないことが多いことすら、
理解も出来なければ余計に。
さらに、諸条件を網羅して整えてきたのに、
手続きの途中で、日本側もしくは外国側のルールが変わり、
後になって、アレもコレも必要となった、かかるコストが増えた、
など、誰のせいでもないのに、結果として、自組織へのキャッシュインが遅くなったり、
消えたりする場合もままありうる業界です。
(コレを俗に『後出しジャンケン』と言います)
在留資格、ビザの種類にもよりますが、
フツーの日本人は、申請すれば許可が通ると頭から思い込んでいる方も、
未だに少なくないのではないでしょうか。
許可が下りなかったら、それまでの苦労は水の泡となり果てるコト、
たぶん、その場に直面せねば、理解できにくいことなのでしょうけど。
利益って、積み上がると思います?
儲かるとすれば、
よほどの理解のある受入企業が、複数いて、
それをアナタが準備を整える間、何カ月も、
下手をすれば一年以上も待っていてくれて、
なおかつ、後出しジャンケンまで許容してくれるのであれば、
一人頭の利益が、固定費や今までの投資してきたコストを回収できるだけの利益額を
積み上げられるのであれば、
現場で対応する職員に手厚く給与を支払い、
丁寧に対応してくれる職員の定着化と、日々の教育を施し続けるゆとりがあれば、
100人をたった数カ月で配属まで回して、
固定費垂れ流しを一日でも早く穴埋めできるだけのボリュームをケアできるならば、
儲かるのかもしれません。
…そんな、アナタの事業の為に、
色々気遣いして待っていてくれたり、
失敗を都度都度許容して、暖かく見守り続けてくれる受入先など、
自社に損害を与えても笑顔でいられる会社って、
あると思います?
そう、もはや、
儲けようと思ってやっても、儲けられないってことです。
そういう業界だと。
他で補填できる利益が十分あるような、
人材も資金も時間もすべてにおいて、
ゆとりのあるところが、取り組むには、
ちょうど良いというくらい。
でも、意外と本業で利益を出していて、
片手間で、この組合事業に取り組む経営者の方も少なくないですよね。
あぁ、間違えないでくださいね。
今、既存で取り組み中の監理団体などの組織が、
全部悪どく儲かっているわけではないし、
悪どくないところは全て儲かっていないわけじゃないと思います。
安定的に軌道に乗るまでには、
相当に足が長くかかるってこと。
特に、投資したそこそこの額の回収まで目論んでいるのであれば。
会社として、組合として、いくら非営利事業だとはいえ、
職員への給与は出して当たり前ですし、
賞与だって出せます。
組合の理事にも報酬は支払えることでしょう。
そういう点では、営利、非営利問わず、
利益は出さねば、人件費が支払えません。
人件費を支払えなければ、適正監理など夢のまた夢。
えっと、話を元に戻すと、
どの段階で、何をどこまでケアして立ち回るべきかについては、
とてもじゃないですが、初心者が対応できる範囲ではありません。
信用を無くすくらいなら、やらないほうがマシと思うのは、
私だけでしょうか。
まして、ゆとりのある中でのトライであればまだしも、
出来るだけ早くキャッシュフローを正常化させ、
損益分岐を超え、あわよくば投資資金を回収でき、
利益をうならせることを考えている経営者の場合、
ぶっちゃけ、儲からないと思いますよ。
また、リスクヘッジとして、
私みたいなのが、いくらコンサルを活用したほうが良いと言っても、
踏ん切りはつけられないし、
そもそも見る目もない方は多く、
結局のところ、自分で痛い目を見なければ、
いつまでたってもわからないのでしょうから。
上手く付き合って、ノウハウを盗めるだけ盗んだら、
ありがとうございました~って、卒業すれば良いだけなので、
投資効率は悪くないと思うのですけど、
特にクリティカルな損失を回避できるメリットを計算できない人は
本当に多いと感じます。
クドクドいうのも、別に当事者責任として、
仕掛けた方だけが受益者負担と自己責任を負うだけならばまだしも、
巻き込まれる受入希望先や、送り出し機関や外国人労働者そのものが、
人生を台無しにされるくらいまで振り回される可能性が大だから。
要は関係ない人まで巻き込んで、迷惑を撒き散らすなってこと。
だんだん言い続けるのも面倒くさくなって、
言葉が乱暴になってごめんなさい。汗
でも、そういうことです。
大して儲からないけど、世のため人の為になるならば…
それくらいの気持ちで取り組むほうが、
下手な焦りもなく、悪質ブローカーに転がり落ちることもありません。
要はお金に困っている人が、利益目的で取り組むと、
あまり良いことに繋がらない場合がほとんどだってことです。
お気をつけあそばせ。
————————————————————–
適正な外国人人財活用についてご関心のある方は、
以下、無料メルマガのご案内からどうぞ。
対象:受入企業側、業者側(国内、国外問わず)、士業など業界関係者
————————————————————–