こんにちは。
元技能実習生監理団体職員です。
先日、以下のご意見を頂戴したい旨、
ご案内させていただきました件につきまして、
様々お返事をいただきましたので、
ご参考までに共有させていただきます。
—
アナタは、どう思いますか?
A社は、3年目:3人、2年目:3人と
技能実習生が順調に実習をしておりましたが、
近ごろ入国した1年目の実習生の一人が、
企業配属後2か月で失踪しました。
(ベトナム人女性)
(色々聞いてみると、男性と知り合ってから
変わったようなことを他の実習生も話しているようです)
問題は1人の失踪では済まず、失踪当日、
1年目の実習生の一人が防犯カメラの映像に、
荷物を運ぶ様子なども映っていたらしく、
送出し機関も実習実施機関に来社し、
聞き取りを行いましたが、
失踪者の情報に関して頑なに口を閉ざし、
失踪事実を知っていながら、
監理団体への報告を怠ったとして、
途中帰国も示唆した厳重注意をすると、
途中帰国の選択をしてしまったそうです。
実習実施機関としては、
ようやく9人体制の実習と喜んでいた矢先、
期待の1年目の2人が離脱し、
更に近々、3年目の3人の実習生が満了帰国となるため、
在籍が2年目の3人+1年目の1人と、
一転して経営上にも影響が出る状況になっているそうです。
当然、実習実施機関は監理団体・送り出し機関に
今後の継続の見直しや、
金銭的被害(受入れ委準備金など)などを迫っているようですが、
昨今、保証金なども徴収しない方向に
ベトナム側もなっているため、未だ未解決だそうです。
現在、監理団体側は事前のリスク説明を盾に交渉し、
今後の受入れは断念しているようですが、
送り出し機関は金銭対応はなく、謝罪を通じ、
今後も派遣機会を頂きたいと交渉しているようです。
このような場合・・・
● 監理団体の取るべき姿勢
● 失踪を補助した実習生(途中帰国)への対応方法の是非
● 受入れ準備金などの訴えへの対応
法令通りの客観的な対応方法は説明ができると思いますが、
特にノルマや収益に直面している方々にとっては、
実際に監理団体や、実習実施機関で費用が発生する現場での、
こういったよくある問題、これからも発生しそうな問題の対応は、
どういった対応方法が良いのでしょうか。
—
そして、以下がお送りくださった方々からの抜粋です。
—
お疲れさまです。
失踪は、犯罪です。それを幇助する事も罪になります。
一番の被害者は、企業さんでなく、
借金を抱えたまま帰国した実習生だと思います。
帰国に至るまでの経緯は、分かりませんが、
責を問いただす以外に何か手立てが無かったものかと感じました。
企業が、失踪で損害を受けたから
金額的な保証の有無を論じる制度なのでしょうか、、
であれば、失踪率の高い送り出し国を選ぶべきでないでしょうしね。
監理団体として、落ち度がなければ、断るべきだと個人的に思います。
—
—
先の返信で、今後の仕事について考えたい、
と言ったのはまさに、こういう事です。
いい解決がない、責任を取るものもいない状況が多々予想される。
泣くのは、実習生、現場責任者。
失踪は防げるはずもなく、ほぼ不可抗力だと思っています。
不倫がなくならないのとほぼ同じ。
すべてを無くしてしまうと思いながら、やってしまう。
堅いことを言えば、実習させるために受け入れているのだから、
費用を負担して損するような仕組みがおかしいので、
実習生がいなくなって世話する手間が省けた。
と現場がよろこぶのが本当かと思います。
現実的な話としては、誰のせいでもないと、
最初に取り決めをすべきかと思います。
送り出しに少しでも怪しい事があれば、
お付き合いしないくらいの決意がなければ、
ウソで固めた実習生がやってくることは、避けられないと思います。
瑕疵担保責任はこの事業にはないと思うので、
個別のケースは力関係で解決するしかないと考えます。
いわゆるトータルプラスで飲み込むしかないかと。
業務経験がないだけに、理屈で考えて生意気言ってしまいますが。
一線を越える前に、
実習生から相談してもらえる、裏切りたくない、
人間関係を作る以外方法はないと思います。
面接で見る目がなかったか、裏切ってもいいと思われたか、
失踪により失うものの重大さを説明しきれなかったか、
考えだすとキリがないかと思います。
日本人の従業員に対しても、
丁寧な処遇ができない企業、担当者には、
リスク管理は不可能だと思います。
潜在的なリスクは甘んじて、受ける以外には
ないと思います。
妙案が出たら教えてください。
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ご無沙汰しております。
チャットはよく拝見せていただいて
勉強させていただいております。
まず弊社は実習生は中国人なので
ベトナム人より失踪のリスクが少ないためなのか、
実習生の失踪は経験していません。
受入企業としての意見ですが、
● 監理団体の取るべき姿勢
→実習生に厳しく指導して、
企業には失踪リスクが減るように
アドバイスするしかないのではないでしょうか?
● 失踪を補助した実習生(途中帰国)への対応方法の是非
→難しい問題です。
腐ったみかん方式ですと失踪を補助した実習生は帰国ですが、
ひょっとすると全員の実習生が(防犯カメラに写ってないだけで)
手助けしていたかもしれないし、
補助した実習生は失踪しないかもしれないですから。
補助した実習生が性格が良さそうだったら
ペナルティーを課して会社に残すような気がします。
おそらく失踪する人は失踪するでしょうから。
● 受入れ準備金などの訴えへの対応
→受入企業からするとそんな事できるのかなと思います。
保証金との違いが分からないです。
給料の締め日にもよるが失踪した時点での
未払い賃金がある意味で保証金みたいな感じでしょうか?
もちろん企業は使い込めないですが。
・起きた後の対応
→実習生には厳しく指導して、
並行して待遇改善するしかないのではないでしょうか。
法律は法律として守らなきゃいけないし、
かといって実状にそぐってない法律なので、
それぞれ出来ることは少ないような気がします。
・今後の事前対策
→大きな話になりますが、この制度自体が現実と乖離しているので、
この制度自体を見直すように大きな団体などに動いて欲しいです。
先進国の日本が後進国の国々に技術と文化を教える
みたいな事を言ってると国内産業はダメになっていくばかりだと思います。
今の制度の良い意味での厳しい所は残して、
単純労働者の受け入れの方向に行くしかないように思われます。
ここ数ヶ月は色々あって新しい実習生の入国の予定が
まだ見えないので、普通でも忙しいのがより一層忙しい状況です。
この制度がみんなにとって良い制度になればと思います。
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昨日はこのメールに返信できませんでした。
というか、「難しい!!!」と思ったからです。
ほんとうに難しい問題ですよね。
監理団体の一事務員として「感想」を述べさせていただきます。
(まだ弱小組合で、経験不足ですが、
失踪者、一時帰国者は経験しております。)
万が一、弊組合で同じことが起こったら、、、と想像してみました。
弊組合では担当理事が窓口となり、
企業様、送出機関と直接話します。
私は理事の縁の下の力持ち!?なので、あらゆる情報を集め、
その後理事及びトップとも話合いをして、
皆で問題解決に全力を尽くします。
企業様が金銭的被害(受け入れ準備金)を迫ってきても、
賠償はいたしません。
なぜなら、実習生を現地で面接、採用を
お決めになったのは企業様のはずです。
送出機関は組合に対して金銭的補てんをする、
これからもよろしく、という事を言ってくると思いますが、
組合としてこのお金を受け取ることはできません。
徹底的に失踪者の情報を集めてもらい、組合に報告を求めます。
担当者によっては、失踪者対応に慣れてしまって、
徹底的に探すことをしてくれない人もいます。
失踪者側についてしまう場合も無きにしも非ずです。
ですから、失踪直後最低でも1週間は送出機関と共に、
本人探し及び、原因追及を徹底します。
組合としては残っている実習生の聞き取りを徹底的に、
そして女性なら女性通訳を付けるなど、
まずは実習生側に立って、聞き取りをします。
監理団体の一員として少ない時間ですが、
企業様と実習生の「思いのちがい」は必ずあることですし、
企業様の方が理解されていない方が多いような気がします。
日本の仕事文化、なかなか外国人の方には理解しづらいことが多いです。
監理団体はお互いの立場に立つことができる存在です。
企業様、実習生、監理団体ともにwin-win関係が築ければいいと
思いますが、現実的にはほぼ不可能かもしれません。
どこかで誰かがそっと涙をのんでいる状況だと思います。
なるべく理想に近づけるために、誰の涙も流さない為に、
上記の発言になりました。簡潔にお答えします。
● 監理団体の取るべき姿勢
→金銭的なことは一切受けない。
もし受け取り、機構、入管に発覚した場合は
他の実習先企業様、何より実習生に多大な迷惑をかけてしまう為。
→原因究明と企業様と実習生との関係等、徹底的にヒアリングをする。
隠れた原因もあるかもしれない為。
→(組合内部事情)
きれい事を言ったところで、最終的にはトップ判断です。
鶴の一声です。
経営判断に直結するお金問題、トップには「リスクの大きさ」を
徹底的に伝えて、お金のみで解決しない、できないことを
伝え続けるのみです。
● 失踪を補助した実習生(途中帰国)への対応方法の是非
→送出機関の協力を得て、徹底的に事情聴取。
その際、送出機関の態度をみて、今後の組合と送出機関の関係を考える。
誠意のない対応をするようであれば、送出機関の変更を考えるべき。
● 受入れ準備金などの訴えへの対応
→手っ取り早い解決法であるかもしれないが、上記回答と同じく、
組合としては金銭的解決法は選ばない。
ざっと書きなぐらせていただきました。
整理できていないと思いますがお許しください。
いつどこで同じような案件が勃発してもおかしくない事案ですよね。
私は事件発覚直後の対応を主に書きました。
しかし、この方法だと、お互いを納得させるのに、
とても時間がかかります。
なかなか思うようには進みませんし、
企業様はなかなか納得していただけません。
しかし、正々堂々とこの事業を進めていくために必要なことだと思いますので、
タモさんからの問題は弊組合ではこのように進めていくだろうな、
と想像しました。
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失踪が起きた後の対応
同室の実習生に変わったことがなかったか確認する。
寮の居室は現状保存。
自転車が最寄の駅などに置いてないか確認する。
・今後の事前対策
入国時の初期講習時に、実際にあった失踪事案の説明とその結末を話す。
失踪してからのペナルティ(逃げた実習生の親族や
住んでいる地域の人が技能実習に行くことができなくなること。等)
失踪して、警察や入管に身柄を拘束されて、
帰国してから、家族や親戚から絶縁され、
挙げ句の果てに送り出し機関からペナルティを請求されて、
借金まみれの人生を送り、
まともな生活ができなくなることを説明する。
こんなところでしょうか。
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いつもメールありがとうございます。
受け入れ企業の職種と監理団体の失踪トラブルに関する契約
監理団体と送り出しの失踪トラブルに関する契約がわからないので
詳しくは言えませんが。
私が受け入れ企業なら、
1 通訳が出来る外国人社員を雇用する
2 今後は実習生ではなく現場でも働ける外国人社員を雇用する
3 監理団体については切り替えます
4 AIなどを利用して現場の機械化を図る(資金などにもよりますが)
現在の私の立場は、送り出しでも監理団体でも受け入れでもないため
適当なことしか言えませんが、
契約書だけは外部の人間を入れてまでチェックはしますね。
結局は受け入れ企業が罰を被った形ですが、
契約書チェックなどが少し甘かったのかな?
などと想像しております。
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私は実務上失踪に対し
● 監理団体の取るべき姿勢
1.実習生住民票所在地の警察署へ行方不明者届けを出す。
2.入管や機構に文書報告
3.送り出し機関を経由して、失踪した実習生の家族に協力を得ることを努力する。
4.実習実施機関と失踪の原因を分析し、再発を防ぐこと。
● 失踪を補助した実習生(途中帰国)への対応方法の是非
1.途中帰国させることはNG、反対だ
2.実習生仲間から情報収集のチャンネルが構築すべきです。
● 受入れ準備金などの訴えへの対応
実習実施機関が1号を受け入れる為、かかった渡航費など、
失踪の原因によって、対応違います。
1.実施機関にある場合は、補填考えられない
2.実習生個人の原因の場合は、次の派遣が継続の前提で、一部補填する
実習生制度、基本的に4者間の信頼関係で成り立っていると思います。
4者なか、実習実施機関と監理団体が主導権が握っています。
監理団体は価値観を送り出し機関と共有出来なければ、
送り出し側の新規開拓に追われか、事業失敗するしかない。
実習実施機関は制度の周知と異文化理解がなければ、
実習生を指導、雇用に問題点招じやすく、
実習生の国籍と関係なくトラブル続きます。
以上、短絡な私見ですので、不適切な表現があれば、
遠慮なく指摘してください。よろしくお願いします。
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実習実施機関の経営者の側に立てば、
労務計画が大幅に狂う不幸な事態と考えます。
① 理団体と送出し機関の「協定書」に基づかなければ
本件への意見は述べられないと思います。
② トナム送出し機関の労働省DOLAB認可の団体定款
(日本で定款にあたるもの:The articles of association)
について事前に閲覧し、
監理団体側も組合定款と就業規則の写しなどを公開して、
双務的に理解していたかどうかも大切と思います。
③ 時に職業紹介して入国した3期目実習生同僚への
インタビューの際、宿舎への監視カメラによる監視について
「安全衛生上の必要性」など合理的理解を
事前に得ていないように思えますがどうですか?
私は1999年に中国人研修生の失踪を仕事として初めて経験し、
その後中国人研修生とベトナム人研修生
(ともに特定活動に移行前)の失踪とその捜索を経験しています。
その際JITCOの出入国部副部長から契約ごとについての指導を受けました 。
—
—
こんばんは。
実習生の失踪は、避けられない問題ですよね。
うちの組合では、ベトナムの送り出しとの契約時に
失踪時の対策を話し合っています。
結論から言えば、初期にかかった費用に関しては、
配属6か月以内で実習生の責任の場合は
全額返金すること(組合と送り出し折半)6か月以上1年未満は半分、
1年以上は返金は無しということにしています。
実習先にもその旨は最初に伝えています。
実習生が失踪にかかわった場合でも、本人の意思が大事ですが、
送り出しと話し合って帰国でしょうね。
でも実習生は、仲間意識が強いので知っていても知らないふりをします。
また家族も同じでとぼけます。
組合では、面接前の段階で失踪については話をしています。
絶対は、ないんだということを話しておきます。
実際に送り出しでも失踪が増えていることを掌握していますが
どうしようもない状態のようです。
補償金が無くなりましたからますます逃げやすくなっているのが事実です。
送り出しにすれば、補償金は帰国後には、
返還するお金ですからそのままにしておいてほしかったと
言うのが本音でしょうね。
—
…などなどのご意見が届きました。
平均的な対応などあろうはずもありませんが、
皆様からのコメントに、様々なヒントがあろうかと思われます。
注:人によっては、ご意見の中でも
不適切だと思われる点があろうかと思いますが、
あえて、原文を載せています。
監理団体ごとに方針や姿勢の相違はあってしかるべきですけど、
どこまでも面倒極まりない対応を、どこまでしているのかで、
受入企業⇔監理団体⇔送り出し機関との信頼関係がわかり、
良縁を継続できるかどうかが変わってこようかと思います。
そして、無いにこしたことはありませんが、
万が一、有事の際には、初心者の方々は、
ぜひ今回のお話をご参考にしてください。
特に事前の対策、対応が肝になってこようかと思われます。
最後に、タモさんから御礼のコメントをいただきましたので、
転載させていただきます。
—
ご指導のほど、ありがとうございます。
● 途中帰国希望対応
● 失踪対応
● 万引き対応
● 喧嘩対応
● 妊娠対応
● 男女交際トラブル
● 実習実施機関からの低語学力の指摘対応
● 技能実習生からの賃金苦情(給料を上げて欲しいなど)
● 残業希望対応
● 実習実施機関への超過残業抑制指導
● 技能実習生の宿舎対応(不衛生・近隣苦情など)
監理団体が対応しなければならない問題を挙げれば数限りないのですが、
常識的な対応で解決できないレベルの問題を監理団体では要求されますので
本当に腕の見せ所だと思います。
もっとも恐れるのは、1つのトラブルに対して、今回の案件のように
失踪者以外に途中帰国者まで発生してしまうことや、
OTITの介入時に処分を受けるような2重・3重のトラブルだと思います。
その際の解決への導き方は、どの監理団体でも参考にしたいはずなので
リアルに起こっている問題の記憶が風化しないうちに、
投げ掛けさせていただきました。
私も受入れ時のリスク説明、事前準備などがとても大切だと思います。
しかし新規参入者や経験が浅い方々は、
全てのトラブルに対し「まさか」と思うことが多々あるでしょうし、
何を事前説明してよいのかも分からないかもしれません。
技能実習生も我々の経験でも追いつかないぐらい、
新たな問題も引き起こしていきますし(汗)
監理団体も受入れの技能実習生が増加し、
理事長クラスは喜んでも、実際に現場管理をするスタッフは、
監理人数は増えても賃金も上がらず、問題だけが増加し、
「〇〇さん、お辞めになったようです」という声もよく耳にします。
企業を監査・管理できるレベルの能力で、
語学力なども有していれば、
この人手不足と言われる時代に、
20万円前後の監理団体の職員である必要もないですし。
今後も皆様で共有できるような、
リアルなお題がありましたら提起させていただきます。
—
失踪は4者すべてにとってマイナスにしかならない問題です。
皆様におかれましては、こういったメールを通して、
一人でも失踪者が少なくなり、
また、万が一の事後についても適切かつ早急な対応ができ、
被害が最小限に収まるようでしたなら、
私たち4名は、本当に嬉しい限りです。
末筆ながら、お返事いただけました方には、
ご多忙なところ本当にありがとうございました。
またご意見伺う際もあろうかと思われますが、
引き続き、宜しくお願いいたします。